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これまでのあらすじと主要な登場人物一覧

 おおよそ3人くらいの視点が入り混じり、だいぶお話が込み入ってきたところですので、このあたりであらすじと登場人物を軽くまとめておきます!


◆あらすじ


《Side:コハル》


 はるか未来、女性が生まれなくなった世界で、女性の代替として人造人間、「ドール」が発明される。彼女たちはSIRIES管理委員会と言う組織の下、人類復興のために大量生産・運用されていた。


 ドール養成機関であるフェーゲライン愛嬢希望学園に入学したドール、「コハル」は、友人たちや、好意を寄せている先輩のスイレンと共に、幸せな学園生活を送っている。

 だが実は、生徒たちの行動や人間関係は全世界でリアリティ番組として「配信」されており、彼女たちの「個性」は幼少期の訓練と洗脳によって恣意的にデザインされたものだった。ドールたちは、人間たちのエンターテインメントのため、自分の魅力を表す「得点」をひたすら上げ続けるように条件づけられている。


 恋愛ドラマと性的なコンテンツの提供のため、コハルは薬物と機械催眠により、スイレンとのカップリングに誘導されていく。

 だがコハルは人知れず、スイレンや友人との関係、そして自分自身の感情に、漠然とした違和感を持っていた。


 一方スイレンの中でも、コハルと親密になっていく過程で、封じられていた「ある記憶」が、歪んだ形でよみがえりつつあった——


《Side:デブリ》


 地下都市ジオフロンティアでは、スラム出身の去勢された少年たちが、ドールの設計や条件付け、配信サービスに従事させられていた。彼らのような「デブリ」と言う階級の者達は、地下に閉じ込められてドールに仕えることと引き換えに、制限付きの人権を獲得する――それが今の世界の構造だった。


 コハルが入学してから半年近く経ったころ、一年前に学園で起きた「ライデンシャフトの悲劇」の原因を調べるため、調査委員会が発足する。


 孵化・条件付けセンターで幼女たちを訓練するオットーや、ドール総合文化センターで配信サービスを担うガブリイルは、調査委員会に部分的に参加しながら、それぞれの業務においてドールの管理体制のほころびや問題を目にしていた。

 特にオットーは、ドールとデブリ、そのどちらもが本当に「幸福」であるのか、と疑問を抱いていた。


 自らの感情と人格のすべてを利用し「美しい物語」に生きるドールたちと、彼女らに対する歪な信仰心で、自己卑下を誤魔化そうとするデブリたち。


 交わらない二つの世界が、微かな不協和音を伝え合い、共に少しずつ壊れていく――


◆登場人物


《ドール》


・コハル

 フェーゲライン愛嬢希望学園の一年生。14才。ショートカットの桃髪。フリューゲル寮に住む。

 陸上部に所属しており、同じ部活の先輩であるスイレンに惹かれている。


 「友達思いで優しい性格。やや不器用で、特技を持っていない自分に自信がな 

  い。」――配信公式サイトのプロフィールより。


 洗脳されていることには気づいていないが、自分のスイレンへの感情や、ドールたちの人間関係に違和感を持っている。


・エリー

 同じく一年生。15才。ボブカットで、長い前髪で目元を隠している。フリューゲル寮に住む。


 「引っ込み思案で人と話すのが苦手。目立たない特技:数学。」

    ――配信公式サイトのプロフィールより。


 よくコハルに数学を教えてくれる。

 目立たないキャラとして作られたが、得点取得が少なく、あまりにも目立たないため監視員にすらほとんど注意を向けられない。

 ところで、上記のプロフィールはいくつか見落としている特性があるかも知れない……。


・スイレン

 三年生。17才。青みがかかったストレートの黒髪を持つ。ライデンシャフト寮に住む。


「学園の生徒会長。文武両道・才色兼備で、学校一の美人としても知られている。後輩たちからの人気も高い。」――配信公式サイトのプロフィールより。


 (そして当然、視聴者からの人気も高い。)


 常に物腰が柔らかく、面倒見が良い。コハルのことを強く気にかけている。一年前の「ライデンシャフトの悲劇」の記憶は薬で封印されているが、時々何かを思い出しそうになっている。


・キャサリン

 一年生。15才。髪は黄緑色でポニーテール。ウムアルムング寮に住む。


「いつも元気で目立ちたがり屋なムードメーカー。負けず嫌い。ぶっきらぼうだが優しい一面もある。」――配信公式サイトのプロフィールより。


・ヘレン

 同じく一年生。15才。髪はレモン色で天パ。ライデンシャフト寮に住む。


「いつもぼんやりしていてドジが多いけれど、人懐こくて元気いっぱいの天然っ子。食べることと恋バナが大好き。勉強は苦手だけれど、実はダンスが得意。」――配信公式サイトのプロフィールより。


 知能、特に言語能力はあまり高くないが、無意識に自分に求められている行動を常によく理解しており、点数の獲得に非常に長けている。


・カミラ

 同じく一年生。14才。髪は赤が混じった黒色で、おかっぱ。フリューゲル寮に住む。


「とても努力家で成績優秀。自分にも他人にも厳しい性格。だけれど本当は寂しがり屋な一面もある。」――配信公式サイトのプロフィールより。


 ヘレンの愚鈍さに苛立ちを募らせたがために、キャサリンと喧嘩したことがあったが、和解により二人とも、特にヘレンと仲良くなった。


・ネール

 フリューゲル寮の寮長。学園をロボットたちと共に管理する少数精鋭の教職員「P」の一人。全身白づくめで、白い仮面で顔を隠している。生徒たちが困っているときに時折急に現れ、的確なアドバイスで導いてくれる。 

 実際のところ、Pは監視員たちの指揮下にあり、生徒たちのドラマを操作・誘導する役割がある。


《デブリ》


・オットー

 孵化・条件付けセンター教育部門の4班に務める。18才。スラム出身のデブリ。金髪の縮れ毛。小食のため頬がこけている。

 多くの同僚たちと異なり、ドールを崇拝する気になれず、彼女たちの幸福に疑問を持つ。

 本来は人当たりが良く親切だが、積極的に他者と関わることに意味が見いだせず、無気力に生きている。これまでの人生で一度も他人に怒りを向けたことがないが、(おそらく)本気で怒ると激しい。


・ガブリイル

 ドール総合文化センター第2支部、監視課に所属する7班班長。17才。スラム出身のデブリ。金髪を7:3で分け、ポマードで固めている。

 7班はライデンシャフトの生徒を中心に担当しており、中でも彼は特に、スイレンに関わる重要な業務を担当している。一年前の「ライデンシャフトの悲劇」の処理の際に有能さが認められ、現在の地位を得た。

 ドールとそのファンたちを自らのコントロールの対象として見下している。支配者になりたいという欲望が強く、副センター長の座を狙っている。ブォエンのことは嫌いだが、彼に対して頭が上がらない。


・ブォエン

 ドール総合文化センター第2支部、副センター長。23才。デブリの中でも、薔薇の子(アドン)と呼ばれる、支配層に性を売って地位を得た美少年たちの一人。

 高身長でポニーテール、容姿端麗。ドールの母親から生まれた新人類の第一世代であり、青味がかかった黒髪を持つ。

 常に物腰が柔らかく恭しいが、慇懃無礼で、部下たちに無理難題や責任を押し付けることが多い。

 現在は時々、ガブリイルが調査委員会への出席で不在のため代わりに業務を行っている。


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