表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/75

4-3 ワタシにできること

「はあ、疲れたぁ~……。」


 コハルは休憩ゾーンで息をつき、ウォーターサーバーから水分を摂る。


「痛たっ……大丈夫かな、これ……。」


 入部前から覚悟していたことではあったが、本格的に毎日練習をやるようになってからは、体中、今まで経験したことが無いような部位まで筋肉痛になっていた。


 最近、少し無理をしすぎているのだろうか。特に背中が、特定の方向に曲げるとピリッと嫌な痛みが走るようになっていた。

 たくさん練習すればそう言うこともなくなるかと思っていたが、コハルらしい体格を保つためには、筋肉をつけすぎてしまってもいけない。でも、夏の大会ももうすぐだし、スイレンの応援と指導に答えたいと言う思いも強い。……なかなか難しいものだ。


 それでもコハルは、どうしても必要以上に頑張ってしまう。

 本人は、「スイレンに追いつくため」と自分に言い聞かせ続けている――だがなんとなく、それ以外にも理由があるような気がしていた。


 最近なんとなく、「今のままではいけない」、と言う焦燥感のようなものがあった。与えらたノルマや期待された成長の範囲に収まっていることに、何と言うのか不安のようなものを覚えていた。


 不安?不安って……何が?


 (私は、もっと変わらないといけないんじゃないか。)


 別に、退学になる心配なんて少しもないし……スイレン先輩に嫌われてる、っていう訳でもないし……誰かと喧嘩してる訳でもないし……部活の友達とも、C組のみんなとも、エリーちゃんとも、普通に仲良くしてるし……。


 (もっと、何かもっと、私にできることがあるんじゃないか――)


 ……まあ、気のせいかな。


「ていうか、今日はなんかっ、体も変に熱いし……。」


 コハルは腰をひねりながら、おっとっと、とよろめく。バランスもうまく取れない。

 今日は練習中、何だかよく変な気分になっていた……生理前だからだろうか?体調管理には気を付けているし、コンソールのAIも特に何も言って来なかったのだが……。


「ちょっとコハル、大丈夫?」


 部屋に入ってきたスイレンが、よろめくコハルを庇おうと駆け寄る。


「だ、大丈夫です。ちょっと疲れてるだけで……。」


「大丈夫じゃないわよ……あなた今日ずっと背中痛そうにしてたじゃない。飛ぶときの動きにも明らかに支障出てるわよ。」


「うぅ……実は最近ずっと痛くて……背中だけじゃなくて、全身もう石みたいでぇ……。」


「はあ、しょうがないわね……ちょっと、そこに横になって。」


 そう言ってスイレンは、何列も並んだマッサージ台の手前を指で指した。


「えっ……え、そ、そんなわざわざ、先輩にやってもらうなんて……。」


 コハルは遠慮の気持ちもあったが、それ以上に恥ずかしかった。


「いいから。マッサージの仕方も、あなたたちが次の世代に継承するのよ?この際体で覚えておきなさい。」


 え、えぇぇっ~~~!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ