3.見知らぬ部屋
体調不良により私は意識を手放したはずだった。
意識が戻り過去を振り返っていた私は、確かに宿舎の前で倒れたはずだと記憶している。そして、目覚めたら…。
「…どこだ、ここは。」
見知らぬ部屋だった。
見知らぬ灯、机の上にある白いものはなんだ、謎の素材で出来たツルツルとした鞄型のなにか、なぜ俺は布団の中で…。不思議なことに俺の知識にない言語の本が読めてしまう。どうしてしまったのだろうか。意味がわからない。混乱する中、ふと机の上に手紙が置いてあるのが見えた。
「……」
不気味に思うものの、なにか手がかりを得られるかもしれないと一縷の希望を胸に、封を開く。
『ウィリアム殿
ご混乱の中、こちらを拝読していただきありがとうございます。
ウィリアム殿は現在異世界へと転移している状態となっております。
その際感じられた身体的な苦痛は、転移への負荷となっております。
こちらの不都合による転移となりましたこと心よりお詫び申し上げます。
原因追及と転移処置を行なっています、戻れるようになり次第またご連絡申し上げます。
そして心ばかりのお詫びとはなりますが、異世界にて役に立つ粗品と異世界言語を解読できるスキルをお送りいたします。
この度はご不快な思いをさせてしまい、大変申し訳ございませんでした。
この度の件を重く受け止め、今後二度とこのようなことが起こらないよう対処致します。
何卒ご容赦頂けますよう、お願いいたします。
天界一同 代表カナヘト神』
手紙を読み、頭が痛くなる。
こめかみを抑え、ため息をつく。
神、神か、カナヘト神か…。
いや、悩んでいても仕方がない、粗品とやらを見よう。
おそらくあの鞄の中だろう。
鞄を開き、中を見ると、中身の内容と用途が書かれた紙が1番に目に入る。
「これは…」
財布…?と長方形の固い何か…、見たことのない型の服…他にもあるが、全部出すとこんがらがってしまいそうだ。
一つずつ、紙と照らし合わせながら見ていこう。
まず、財布は…、異世界の紙幣とコインか?
…エンというのか。
あとは、カード類がある。
保険証と、なんだろうかこれは。
クレジットカード……?
これを使えば、その場にコイン類がなくても支払いが出来るが次の月に支払いが可能になるものか。
これは……保険証は治療を受ける時に使うものか。
「異世界には、便利なものがたくさんあるのだな。」
結局鞄の中身をすべてひっくり返すことになりそうだ。




