2/85 君之行 氣長成奴 山多都祢
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原文:君之行 氣長成奴 山多都祢 迎加将行 <待尓>可将待
訓読:君が行き 日長くなりぬ 山尋ね 迎へか行かむ 待ちにか待たむ
仮名:きみがゆき けながくなりぬ やまたづね むかへかゆかむ まちにかまたむ
校異:尓待→待尓 [西(訂正)][紀][金][温]
***私的解釈***
訓読:君が行き 日長くなりぬ 山尋ね 迎へ行かむか 待ちに待たむか
仮名:きみがゆき けながくなりぬ やまたづね むかへゆかむか まちにまたむか
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原文:如此許 戀乍不有者 高山之 磐根四巻手 死奈麻死物<呼>
訓読:かくばかり 恋ひつつあらずは 高山の 磐根しまきて 死なましものを
仮名:かくばかり こひつつあらずは たかやまの いはねしまきて しなましものを
校異:乎→呼 [金]
***私的解釈***
訓読:かくばかり 恋ひつつあらずは 高山の 磐根巻かして 死なましものよ
仮名:かくばかり こひつつあらずは たかやまの いはねまかして しなましものよ
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原文:在管裳 君乎者将待 打靡 吾黒髪尓 霜乃置萬代日
訓読:ありつつも 君をば待たむ うち靡く 我が黒髪に 霜の置くまでに
仮名:ありつつも きみをばまたむ うちなびく わがくろかみに しものおくまでに
***私的解釈***
訓読:ありつつも 君をば待たむ 内靡く 吾が黒髪に 霜の置くまでか
仮名:ありつつも きみをばまたむ うちなびく あがくろかみに しものおくまでか
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原文:秋田之 穂上尓霧相 朝霞 何時邊乃方二 我戀将息
訓読:秋の田の 穂の上に霧在ふ 朝霞 何時への方に 我が恋やまむ
仮名:あきのたの ほのへにきらふ あさかすみ いつへのかたに わがこひやまむ