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2/123 多氣婆奴礼 多香根者長寸 妹之髪
題詞:三方沙弥 娶 園臣生羽 之 女 未經 幾時 臥病 作歌三首
原文:多氣婆奴礼 多香根者長寸 妹之髪 此来不見尓 掻入津良武香 [三方沙弥]
訓読:綰けばぬれ 綰かねば長き 妹の髪 搔き入りつらむか これ見ずに来り
仮名:たけばぬれ たかねばながき いもがかみ かきぃりつらむか これみずにかり
ぬる:髪型が崩れる。
まとめ上げると崩れ、纏めないと長い貴女の髪。もうかき上げてしまったのか、見ずに来てしまったが。
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原文:人皆者 今波長跡 多計登雖言 君之見師髪 乱有等母 [娘子]
訓読:人は皆 今は長しと 綰けと(言へ)ども 君が見し髪 乱れありとも
仮名:ひとはみな いまはながしと たけとども きみがみしかみ みだれたりとも
周りの人は皆、今は長いと、纏め上げろと言うけれど、貴方の見た髪型は乱れようとも変えるつもりはないわ。
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原文:橘之 蔭履路乃 八衢尓 物乎曽念 妹尓不相而 [三方沙弥]
訓読:橘の 影踏みぬる道 やちまたに もの想ひぬるぞ 妹に会はにて
仮名:たちばなの かげふみぬるぢ やちまたに ものぉもひぬるぞ いもにあはにて
や‐ちまた(八衢):多くの方向に分かれる分岐点。(八路又?)
ぬる:寝る。髪型が崩れる。ぬの連体形。




