2/119 芳野河 逝瀬之早見 須臾毛 不通事無 有巨勢<濃>香問
題詞:弓削皇子 思 紀皇女 御歌四首
原文:芳野河 逝瀬之早見 須臾毛 不通事無 有巨勢<濃>香問
校異:流→濃 [西(右書)][元][金][紀] / 問 [類][古][紀] 聞
修正:芳野河 逝瀬之早見 須臾毛 不通流事 無有巨勢香聞
訓読:吉野川 逝く瀬早し見 しまらくも 通はざる事 来せ無く在れかも
仮名:よしのかは ゆくせはやしみ しまらくも かよはざること こせなくあれかも
吉野川は瀬を早く削っていくらしい。そんな流れが少しの間も通じない事があって欲しくないかも。
瀬とは川の浅いところ。
しまし=しばし=しましく=しばしく=しまらく=しばらく。
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原文:吾妹兒尓 戀乍不有者 秋芽之 咲而散去流 花尓有猿尾
訓読:吾が妹子に 恋ひつつあらなば 秋萩の 咲きて散りいぬる 花にあらましを
仮名:あぎもこに こひつつぁらなば あきはぎの さきてちりぬる はなならましを
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原文:暮去者 塩満来奈武 住吉乃 淺鹿乃浦尓 玉藻苅手名
訓読:暮れゆけば 汐満ち来なむ 住之江の 浅香の浦に 玉藻苅りてむ
仮名:くれゆけば しほみちきなむ すみのえの あさかのうらに たまもかりてむ
名→何(汝に〜む)
浅香の浦に(ありて)、玉藻苅りて(あら)む
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原文:大船之 泊流登麻里能 絶多日二 物念痩奴 人能兒故尓
訓読:大船の 泊つる泊まりの たゆたひに もの想ひ痩せぬ 人の子故に
仮名:おほふねの はつるとまりの たゆたひの ものもひやせぬ ひとのこゆゑに
絶多日二:(返事が)絶える日が続いたら、を暗示。




