2/105 吾勢I乎 倭邊遺登 佐夜深而
題詞:藤原宮 御宇天皇<代> [天皇 謚 曰 持統天皇 元年丁亥十一年 譲 位 軽太子 尊号 曰 太上天皇 也] / 大津皇子 竊下 於伊勢神宮 上来 時 大伯皇女 御作 歌二首
原文:吾勢I乎 倭邊遺登 佐夜深而 鷄鳴露尓 吾立所霑之
訓読:吾が背子を 大和へ遣ると さ夜更けて 暁露に 吾れ濡れ立ちし
仮名:あがせこを やまとへやると さよふけて あかときつゆに あれぬれたちし
I:祜[示古]
鷄鳴:鶏が泣く頃。明け方、曙、夜明け。
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2/106
原文:二人行杼 去過難寸 秋山乎 如何君之 獨越武
訓読:二人ども 行き過ぎ難き 秋山を 独り行く君 如何に越えむか
仮名:ふたあれども ゆきすぎがたき あきやまを ひとりゆくきみ いかにこえむか
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題詞:大津皇子 贈 石川郎女 御歌一首
原文:足日木乃 山之四付二 妹待跡 吾立所<沾> 山之四附二
校異:沽→沾 [金][細][京]
訓読:足引きの 山の足着くに 妹待つと 吾はたち染めり 山の雫に
仮名:あしひきの やまなしつくに いもまつと あはたちしめり やまのしづくに
山の麓で君を待っていたら、山からの雫でたちまち湿ってしまった
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題詞:石川郎女 奉和 歌一首
原文:吾乎待跡 君之<沾>計武 足日木能 山之四附二 成益物乎
校異:沽→沾 [金][細][京]
訓読:吾を待つと 君浸めしけむ[占めしけむ] 足引きの 山の雫に ならましものを
仮名:あをまつと きみしめしけむ あしひきの やまのしづくに ならましものを
わたしを待って立っていた貴方を湿めらせたその雫になりたかった。
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題詞:大津皇子 竊婚 石川女郎 時 津守連通 占 露 其事 皇子 御作 歌一首 <[未詳]
原文:大船之 津守之占尓 将告登波 益為尓知而 我二人宿之
訓読:大船の つもりが浦に[津守が占に] 乗らむとは 知らにゐまして 我ら二人寝し
仮名:おほふねの つもりがうらに のらむとは しらにゐまして わらふたりねし
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題詞:日並皇子 尊 贈賜 石川女郎 御歌 一首 [女郎 字 曰 大名兒 也]
原文:大名兒 彼方野邊尓 苅草乃 束之間毛 吾忘目八
訓読:大名児の 彼方の野辺にて 刈る草の 束の間にも 吾は忘れめや
仮名:おほなごの をちののべにて かるかやの つかのあひにも あはわすれめや
大名児(石川女郎)が遠くの野辺で苅った茅の束の間程も私は忘れません。




