2/85 君之行 氣長成奴 山多都祢
2/85
題詞:相聞 / 難波高津宮 御宇天皇 代 [大鷦鷯天皇 謚 曰 仁徳天皇] / 磐姫皇后 思 天皇 御作 歌四首
原文:君之行 氣長成奴 山多都祢 迎加将行 <待尓>可将待
校異:尓待→待尓 [西(訂正)][紀][金][温]
訓読:君が行き 気長くなりぬ 山尋ね 迎へ行かむか 待ちに待たむか
仮名:きみがゆき きながくなりぬ やまたづね むかへゆかむか まちにまたむか
左注:右一首 歌 山上憶良臣 類聚歌林 載 焉
~~~~~~
2/86
原文:如此許 戀乍不有者 高山之 磐根四巻手 死奈麻死物<呼>
校異:乎→呼 [金]
訓読:かくばかり 恋ひつつあらなば 香久山の 磐根枕かして 死なましものよ
仮名:かくばかり こひつつあらなば かぐやまの いはねまかして しなましものよ
恋心がどうしようもなくなるというのは、岩と結婚させられて死ぬようなものだよ。
~~~~~~
2/87
原文:在管裳 君乎者将待 打靡 吾黒髪尓 霜乃置萬代日
訓読:在りつつも 君を待たむは 内靡く 吾が黒髪に 霜の置くまでか
仮名:ありつつも きみをまたむは うちなびく あがくろかみに しものおくまでか
このままじっと君を待つのか、白髪が生えるまで?
~~~~~~
2/88
原文:秋田之 穂上尓霧相 朝霞 何時邊乃方二 我戀将息
訓読:秋の田の 穂の上に霧在ふ 朝霞 何時辺の方に 我が恋や澄む
仮名:あきのたの ほのへにきらふ あさかすみ いつへのかたに わがこひやすむ
秋の田の穂の上に霧がかかっている。朝霞よ、いつ他の場所に行くのだ。いつ私の恋心が澄むのだ。




