1/48 東 野炎 立所見而 反見為者 月西渡
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原文:八隅知之 吾大王 高照 日之皇子 神長柄 神佐備世須<等> 太敷為 京乎置而 隠口乃 泊瀬山者 真木立 荒山道乎 石根 禁樹押靡 坂鳥乃 朝越座而 玉限 夕去来者 三雪落 阿騎乃大野尓 旗須為寸 四能乎押靡 草枕 多日夜取世須 古昔念而
校異:登→等 [元][冷][紀]
訓読:やすみ知し 吾が大王は 髙照らす 日の大神の 御子ながら 神寂びせすと 敷きたらす 都を置きて こもりくの 初瀬の山は 真木立ちて 荒るる山道を 岩が根の 遮き押し並べ 坂鳥の 朝越えまして 玉影入る 夕然り来れば み雪降る 阿紀の大野に 旗すすき 篠押し並べて 草枕 旅宿りせす いにしへ念ひて
仮名:やすみしし あがおほきみは たかてらす ひのおほかみの みこながら かむさびせすと しきたらす みやこをおきて こもりくの はつせのやまは まきたちて あるるやまぢを いはがねの さへきおしなべ さかどりの あさこえまして たまかぎる ゆふさりくれば みゆきふる あきのおほのに はたすすき しのおしなべて くさまくら たびやどりせす いにしへおもひて
石が根:根を張ったように動かない岩。
坂鳥:坂を超えてくる渡り鳥。
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原文:阿騎乃<野>尓 宿旅人 打靡 寐毛宿良<目>八方 古部念尓
校異:<>→野 [紀] / 自→目 [類][紀]
修正:阿騎乃<>部尓 宿旅人 打靡 宿毛寐良<目>八方 古念尓
訓読:阿騎の辺に 宿る旅人 内靡き 寝も寝らめやは いにしへ思ふに
仮名:あきのへに やどるたびびと うちなびき いもぬらめやは いにしえおもふに
阿紀の辺りで泊まる旅人は心の内を靡かされ、昔の事を考えてしまい、寝ようとしても寝られるのだろうか。
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原文:真草苅 荒野者雖有 葉 過去君之 形見跡曽来師
漢文:雖有 者荒野 苅真草、葉之過 去君 曽師来 跡形見
修正:真草苅 荒野者雖有 過之葉 去君 形見跡曽来師
訓読:ま草刈る 荒れ野はあれども 杉の葉が[過ぎし代の] ゆき(い)ぬる君の 形見と来しぞ
仮名:まくさかる あれのはあれども すぎのはが[すぎしよの] ゆきぬるきみの かたみとこしぞ
ゆきいぬる(逝き去ぬる)。
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原文:東 野炎 立所見而 反見為者 月西渡
***私的解釈***
漢文:所見立 炎 於野 於東 而 為見反 者月西渡
訓読:東の 野に陽炎の 立つ見えて 返り見たれば 渡りにし月/月西渡る
仮名:ひむかしの のにかぎろひの たつみえて かへりみたれば わたりにしつき/つきにしわたる
前者の西は「ぬ+き」で、西の意味はなくなる。
後者は西をそのままの意味で使う。
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原文:日雙斯 皇子命乃 馬副而 御猟立師斯 時者来向
訓読:日に並みし 御子の命に 馬添はせて み猟立たしし 時は来向かふ
仮名:ひになみし みこのみことに まそはせて みかりたたしし ときはきむかふ




