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令和百物語  作者: みるみる
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第八十五夜 監視カメラ


ある日の事、主人宛に珍しい荷物が届いた。


「坂崎さんで間違いないですね。ここにサインをお願いします。」

 

「坂崎‥高雄、主人ので間違いないです。」


私は住所と名前を確認してサインをした。宅配業者は、サインを書いた伝票を受け取ると急いで車に戻っていった。


荷物の伝票には「盗撮カメラ」と記載があった。‥‥盗撮カメラ‥主人はこれを何に使うつもりなのかしら?


‥‥まさか家につけるの?だとしたら、家の中のどこに取り付けるつもりなのかしら。


私の中で色んな疑念が渦巻いた。


主人と結婚して15年。子供はいないが、その分夫婦仲良くやってきたはずなのに‥。私の浮気を疑っている?‥‥いや、私が主人のいない日中もほとんど家にいるという事は、主人もよく知っているはず。


だとしたら、私の何が知りたいの?


自分が仕事を頑張っている時、私が家事をさぼってないか監視でもしたいのかしら。


それとも、主人の部屋に何か大切な物がしまってあって、それを私が見つけてしまわないか監視する為?


それとも‥主人が最近体調が悪くなってきたのを、私の料理のせいだと思ってるのかしら。以前、私の作る料理がしょっぱいし、油っぽいと文句を言っていたし‥‥。だから、台所で私が料理してる姿をチェックしたいとか?


‥‥違う。どれもピンと来ない‥。



だとしたら、主人は外で何らかの犯罪行為をしようとしている?会社の女子更衣室や女子トイレに盗撮カメラを仕掛けて見ようとしてる?駅の階段から女性のスカートの中を見たい‥とか?


私はモヤモヤした気持ちのまま、主人の帰りを待った。


「ただいま。」


主人が帰ってきた!


「おかえり。」


主人はすぐに部屋にいき、しばらくするといつも通り部屋着に着替えてからリビングで寛ぎ始めた。


「ねぇ、荷物届いてたわよ。」


「ああ、見たよ。」


「‥‥。」


結局主人は、荷物に関して何も言わなかった。荷物に関して何かやましい事があれば、きっと私に「中を見てないよな?」等聞いてくるはずだし、あんなにも堂々としてるという事は、犯罪行為をするつもりではなさそうだ。


私は少し安心したが、モヤモヤした気持ちは少しも晴れなかった。


何故私に荷物の事を教えてくれないのか、と主人に不信感さえ抱いた。



そう言えば‥‥主人は、以前主人の帰りが遅くなった時私がどうしたの?と聞くと途端に機嫌を悪くした気がする。


主人は他にも、私が週末の予定を聞いた時、束縛されてるみたいで嫌だから聞くな、と言った。


もしかして、主人は浮気をしている?盗撮カメラも、主人の浮気相手の家に仕掛けて置くつもりかしら。


主人の浮気相手の浮気を心配して‥‥。


主人は、50代には見えないぐらいスタイルも良いしお洒落だから、若い女性社員からの評判も良いと聞いてる。


若い女性と浮気をしていても、不思議ではない。


結局その日は、モヤモヤした気持ちのまま就寝した。


朝、主人の様子をじっと見てみるが、何も変わった様子もなく出勤した。


いつもだったら、主人は段ボールの空箱は、必ず折り畳んで玄関に置いていってくれるのに‥今朝は荷物の段ボールを出していなかった。


部屋のゴミ箱にも空箱はなかった。


‥という事は、もうこの家の何処かに盗撮カメラを取り付け終わり、ゴミは後ろめたいから他所で捨てるつもりなのか?


‥‥それとも、浮気相手の家に行ってから取り付ける為に箱ごと持っていった?



私は今もモヤモヤした気持ちのまま、今更荷物の事を聞く事も出来ずにいたのだった。



「坂崎さん、これ例のやつのお金ね。それにしても、盗撮カメラのセットが1万円以内で買えて、あんなにも取り付けが簡単だとは思わなかったよ。」


「で、どうでしたか?怪しいの映ってました?」


坂崎高雄は、会社の社長に頼まれていた盗撮カメラのセットの代金を受け取ると、そのまま胸元の小銭入れへしまった。



「いや、でも防犯にもなってるんだと思うよ。あれから車上あらしが来なくなったから。‥‥‥それより、奥さんびっくりしてなかったかい?荷物に「盗撮カメラ」なんて書いてあったし。」


「いや、特に何も言っていませんでしたよ。荷物の伝票なんて、そんなに気にして見ないと思いますよ。」


「本当か?ひょっとして、夫が何か悪い事をしようとしてるんじゃないかって、モヤモヤしてるかもしれんよ。」


「あはは、それは無いでしょう。」


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