006『索敵機の帰還に備えて訓練する!』
やまと まほろばの転生戦艦
006『索敵機の帰還に備えて訓練する!』
やまとの立ち直りは早かった。
「簡単なことだ、発艦時と同様に風上に向かって全速で走り、戻ってきたところを手で掴まえる!」
「手ぇででっか!?」
「手でごわすか!?」
「そうだ、こんな風にな!」
タタタタタタ
バレエのプリマドンナが舞台袖から登場するように駆け込み、舞台中央で決めポーズをするように華麗にジャンプ! 左手でバランスを取り、高々と上げた右手、その人差し指と親指で搭載機を掴まえる仕草をした。
パチパチパチパチパチ!
その華麗な姿に、河内も薩摩も惜しみない拍手を送る。
「さすが、やまと姐さん!」
「プリマドンナの貫録でごわんど!」
「よし、おまえたちは……」
「「拍手係!」」
「なにを言っておる、河内はわたしの前、薩摩は後ろを走るのだぞ」
「「ええ!?」」
「まんいち着艦、いや捕獲に失敗した機は、このやまとの艦首を超えて、前方の地面に激突する。それが激突する前に救助するんだ。薩摩は、帰還機が正しく進路を保てるように、わたしの後ろ、三艦の軸線を崩さないように走る! なあに、いったん軸線が揃えば、そのままヨーソロだ!」
「いや、さっきも言いましたけど。わてら、最大戦速でも20ノットがせいぜいやさかいに」
「無理でごわす」
「それは、お前たちに合わせる」
「けど、20ノットだっせぇ(;'∀')、だいたい適性着艦速度はどのくらいですのん?」
「ああ、66ノットぐらいだ」
「ええ、46ノットも足りまへんがなあ(;^ω^)」
「人事を尽くして天命を待つだ!」
——ああ、この言い方は、天一号作戦(沖縄特攻)と変わらんなあ——
やまとも、二隻の旧式戦艦も思ったが口には出さなかった。
索敵機が戻ってくるのには時間があるので、三人、一時間ちょっと時間をかけて予行演習をやった。
最初は時間もタイミングを合わずに、団子になったり、おいてけぼりをくったりくらわせたりだったが、さすがは帝国海軍。まほろば学園。それも東郷校長が選んだ選りすぐり、霧が晴れて、太陽が10時の高さに至るころには、そこそこ形になってきた。
やがて、北の空に複数の爆音。機影を観とめて数えること六機、三艦はたちまち収容態勢の陣形をとって、最大艦隊速度の20ノットで走り始めた。
☆彡 主な登場人物
・やまと 転生戦艦、まほろば学園の女生徒
・素戔嗚命 まほろば学園理事長
・東郷平八郎 まほろば学園校長
・仲間の戦艦たち 武蔵 陸奥 伊勢 日向 金剛 比叡 榛名 霧島 扶桑 山城
・他の艦艇 信濃丸 秋月 氷川丸 間宮 大淀
☆彡 重要語句
・ビキニ艦隊 ビキニ核実験で使われた艦船の艦隊 まほろば学園の敵
・学園警備艦隊 ビキニ来襲以来結成されたまほろば学園の艦隊 旗艦・武蔵
・まほろば艦隊 ビキニ艦隊の調査のために派遣された艦隊 旗艦・やまと
・ビキニ作戦 乙・004回校長室で発令




