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004:『大海令一号 ビキニ作戦乙』

やまと まほろばの転生戦艦


004『大海令一号 ビキニ作戦乙』





 ビシッと音がしそうに敬礼をきめたのは、薩摩と河内だった。 


 

 薩摩は、国産第一号の戦艦でありながらワシントン軍縮条約で廃艦が決定し、標的艦にされ日向や金剛の砲撃で沈められた。河内は初のド級戦艦として建造されたが艦齢わずか6年で火薬庫の爆発によって沈没、そのまま廃艦になった共に不運の戦艦だ。


「この二名をやまとに預ける。三名をもってB(ビキニ)調査艦隊とし、明朝0730(マルナナサンマル)本校を抜錨、ビキニ艦隊調査出撃を命ずる」


「「「ハッ!」」」


「大淀、要項を説明してやれ」


「ハ」


 どこか小柄な大和型を思わせる横顔を向け、テーブルに地図を広げる重巡大淀。


 その地図を見て、やまとは表情には出さないが、大きく驚いた。


 それは正しく地図であって、生前から慣れ親しんだ海図ではなかったのだ。


『それは、わたしに説明させてもらおうかな。よろしいか校長?』


 声に顔を上げると、テーブルの上座に元帥服の素戔嗚命が立っている。


 神さまなのだから神出鬼没なのだろうが、顔に出すことなく驚くやまと姉妹。


「はい、よろしくお願いします」


『僕は、父の伊邪那岐命(イザナギノミコト)から海原を治めるように言われたのだが、君たちも知っての通り、高天原や陸地にばかり居た。それで、海の方にはあまり力が及ばなくてね。僕の世界は大半が陸地なんだ。むろん、ビキニ艦隊は海を根拠地にしているだろうけど、今日の奇襲攻撃でも分かる通り、彼らは、その陸地にも力を伸ばしている。当面は陸戦隊のようなことになると思うが、よろしくお願いする』


 ハハッ


 全員で頭を下げると、ウムと頷いて消えてしまった。


 大淀が後を続ける。


「状況によって、随時補給、増援を送ります。また、行く先々で地元の争いに巻き込まれることも考えられますが、任務専一に行動するように。緊急避難的な自衛行動は認められますが、進んでビキニ艦隊の策源地などには踏み込まないように願います。そして、本作戦を『ビキニ作戦乙』と呼称し、大海令一号とします。以上です、よろしいでしょうか校長」


「一つだけ。やまと、貴官が本来の漢字表記の大和を廃し、片仮名のヤマトでもなく平仮名のやまととしたことは、校長としても了とするところである。奮闘を期待する」


「ハハッ」


「では、軍需部で補給を受け、明日に供えてください」



 やまとの新しい旅が始ろうとしていた。


 


☆彡 主な登場人物


・やまと     転生戦艦、まほろば学園の女生徒

・素戔嗚命    まほろば学園理事長

・東郷平八郎   まほろば学園校長

・仲間の戦艦たち 武蔵 陸奥 伊勢 日向 金剛 比叡 榛名 霧島 扶桑 山城

・他の艦艇    信濃丸 秋月 氷川丸 間宮 大淀


☆彡 重要語句


・ビキニ艦隊   ビキニ核実験で使われた艦船の艦隊 まほろば学園の敵

・学園警備艦隊  ビキニ来襲以来結成されたまほろば学園の艦隊 旗艦・武蔵

・ビキニ調査艦隊 ビキニ艦隊の調査のために派遣された艦隊 旗艦・やまと 

・ビキニ作戦   乙・004回校長室で発令     

  

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