↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強スキル【スパチャ】でダンジョン無双 ~攻略全振りオタクと世話好きギャルのダンジョン配信、たまに同棲生活配信~  作者: はむばね
第2章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
30/32

第30話 協会理事、打診する

「CM……ですか?」


 ダンジョン管理協会の会議室にて、俺は大きく眉根を寄せることとなる。


 対面に座るのは、協会理事の一人である酉抜(とりぬき)琴子(ことこ)さん。


「そうどす。今話題の御三方に、是非に言うて……こないだの理事会で、満場一致で決まりました」


 はんなりとした口調の彼女は高く結い上げた髪を簪で彩り、少し着崩した着物型の装備……というのが、公式放送時の格好だけど。

 今は髪を後ろで一つにまとめ、パンツスーツというビジネススタイルだ。


 最初に名刺を貰わなければ、同一人物と認識出来なかったかもしれない。


 だからこそ、口調だけは公式放送時のままなのが違和感えげつないけど……。


「マジですか!? ウチらにCM!?」


「ほほほ、ついにわたくしが世界に知られる日が来ましたのね」


 俺が酉抜さんの見た目について考えている傍ら、卯月さんと龍造寺さんは目を輝かせていた。


「それでそれで、何のCMなんですかっ? サプリ? スキンケア? それとも、シャンプーとか~? ちょっと恥ずかしいけど、お風呂のシーンもオッケーでっす!」


「ブランドバッグ、ジュエリー……旅行のCMなども良いですわね」


 ダンジョン管理協会には、企業と探索者の橋渡しをする窓口的な役割もある。


 実際、協会経由でそういったオファーが来ることもないではないだろう……けど。


「いえ……ダンジョン管理協会そのもののCMどす」


 まぁ、それが妥当なところだろう。


 そもそも俺たち三人全員に話があるって時点で、特定層向けのCMっていう線は薄い……それこそ、『探索者』という層を除けば。


「てか、ダンジョン管理協会のCMなんてありましたっけ……?」


「あれでしょう? 『ディ~エ~』で終わるのでお馴染みの」


 余談だが、ダンジョン管理機構は英語表記だと『Dungeon Management Association』となる。

 略称は、公式で『DA』だ。


「あ~……あの、なんかフワッとしててあんま印象に残らない……っと、すみません」


 記憶を掘り起こすように視線を上げていた卯月さんが、慌てて口を両手で押さえた。


「ええのんどすえ。事実どすさかい」


 特に気分を害した様子もなく、酉抜さんは小さく微笑む。


「そやさかいこそ皆はんのように、今話題沸騰中な方に出演していただたきたいんどす」


「いやいや、話題沸騰中だなんてそんなそんな~」


「ほほほ、少しバズった程度でしてよ」


 言葉では否定の色を表していながら、二人の表情は明らかに満更でもないものだった。


「ちなみに、条件は?」


「契約書は、こちらに」


 俺の質問に対して、酉抜さんは心得た様子で書類を差し出してくる。


「ふむ……」


 とりあえず、軽く目を通してみるけど……悪い条件じゃなかった。


 というか、かなり好条件と言っていいんじゃないだろうか……流石に、CMについての相場感には詳しくないけれど。

 少なくとも、俺たちを陥れようとかそういう意図は感じ取れなかった。


 ……今のところは、と言うべきかもしれないが。


「一旦持ち帰って、検討させていただきますね」


「はいはーい。色ええお返事をお待ちしとりますー」


 書類を鞄にしまって、席を立つ。


 とりあえず返事は保留したけど、恐らく受けることにはなるだろう。


「しっつれいしま~す! ふふ~ん、CMCM~♪」


「失礼致します。ほほ……ほほほほ……」


 卯月さんと龍造寺さんが、もう受ける前提っぽい態度だから。


 そんな二人が、会議室から出たのを見送って。


「……ところで」


 俺は一人、酉抜さんへと振り返る。


 ここまでに、気になっていたこと(・・・・・・・・・)を確かめるためだ。


「酉抜さんって生まれも育ちも東京ですよね?」


「えぇ、そうどす」


「何か、関西にご縁があったり?」


「いえ? 三代遡ってもあらしまへん」


「……じゃあ、なんでその……関西弁を喋ってるんです?」


「キャラ付けどす」


「普段の格好からして、例えば……花魁的な言葉とかじゃダメだったんですか……?」


「先に未谷(みたに)が廓言葉を使うたさかい、それやと被るやん?」


「……早い者勝ち制なんです?」


「未谷も、それで仕上げてきとったさかい。後から変えさすのも、申し訳あらへんどっしゃろ?」


「ていうか、確か未谷さんって京都出身ですよね……? なんか気遣いの結果、変な無駄が生まれてません……?」


「社会人っちゅうんは、そないなもんどす」


「そういうのとはまた違うような……うん、いや、まぁ、大変ですね……」


「……まぁ、はい、そうですね」


 最後だけは素の調子となった酉抜さんと、苦笑を交わし合うのだった。

ここまで読んでいただきまして、誠にありがとうございます。

書籍版、HJ文庫より10/30(金)発売です。

夕子先生に素敵なイラストを描いていただきました書籍版、どうぞよろしくお願い致します。

https://firecross.jp/hjbunko/product/2273


↓こちらで、一部イラストや書き下ろしSS付き特典等の情報もご確認いただけます。

https://firecross.jp/info/1743

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
書籍版1巻、10/30(金)発売!
スパチャダンジョン1
※画像クリックで個別ページに飛びます。

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。