表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/11

第六話:ファーストコンタクト

昨日、奴から09を預かったが、物が溢れている俺の車庫では、置き場所が難しい。

片付ければいいのだが、片付けるよりも先に新しい物が増えるから、いつまでもそのままだ。

とり合えず、07と09を並べて突っ込んで置いたが、2台並ぶと人が通れない。


昔から排気量の大きいマシンは偉いと決まっている。仕方がないので、俺の07を車庫から出して、普段は使っていないシートをかけて外に置くことにする。排気量の大きい方を外に置くわけにも行くまい。


奴には「09を預かったら、好きに乗っていいよ」と言われていたので、少し乗ってみる事にする。

そもそも、前々から09に憧れていた俺としては、この機会に乗らない理由がない。


しかし、もう3月だと言うのに雪が降っている。それでも桜が咲いているというアンバランスな天候だった。

それでも乗りたい衝動には勝てず、ちょっと動かすつもりで09で家を出た。


乗り出して、すぐにわかった。とんでもなく速い。


ちょっとアクセルを動かすだけでバビューンと飛び出す。視界が狭くなっている後ろに飛んで行く感覚だ。周りを見る為にかなり気を使う。いつも以上に集中力が必要だ。

アクセルを戻してもエンジンブレーキが効かない。おそらくこれがクロスプレーンのフィーリングなのだろう。


スピードが乗るのでブレーキを使わざるを得ない。ブレーキの効き具合やABSの介入度合いは07とほぼ同じくらいに感じる。車重も07と10kg程度しか違わないので、あまり変わらないのだろう。いつもの感覚でかけられるが、スピードのノリが違うので、少し強くかけないと止まらない。意識してリアを強くしてフロントダイブを押さえる。


路面のデコボコを拾った時の手応えは07より少ない。足回りがよい感触だ。路面との追従性がよい。今ままで他のバイクでは、正立と倒立の違いをあまり感じた事がなかったが、その差が出ているのかも知れない。デコボコの衝撃が少ない。


前に車がいる時に、一速で低速走行をしようとするが、一速のアイドリング付近でもある程度スピードが出てしまう。ハイギアードに出来ているようだ。低速を使うバランス走行は難しそうだ。前を走る車に合わせるのが難しい。


レスポンスが良すぎるせいか、スロットルのちょっとした操作に反応してしまい、一定の速度で巡行する事ができない。ラフなスロットル操作が全て加減速に変換されてしまう。エンジンレスポンスを重視して作られているようで安定感を犠牲にしてるように思えるくらいだ。


雪は大分しっとりとして重い雪だったので、降っている時点で溶けかかっていた。路面に張り付く事もなく、雨の日と変わらない路面のグリップ感だったが、09で走るには少し恐い。


一旦、家に帰り、07に乗り変えた。




普段はあんなにシャープに感じていた俺の07も09の後に乗るともっさりしている感じがした。普段より加速が鈍く感じる。周りの景色もゆっくり流れている。


しかし、アクセルワークもクラッチワークもラフな操作を許容してくれる感じがする。多少ルーズなクラッチ操作をしても車体がブレる事もない。安心感がある。


07に乗ってみると09がシャープな乗り味に感じるのは剛性の高さのせいかも知れないと思った。単にアクセルワークやクラッチワークだけでなく07では車体も許容範囲が広いので少し緊張感が緩む。剛性が高いと少しの操作、少しの路面の変化が、そのまま車体から身体に伝わってしまう、07は車体が吸収してくれる。


交差点の立ち上りに少し路面にデコボコがあると飛ばされる感じがする。09と比べると追従性が悪いように思うが車体剛性の高い09には、このくらいの高度な足回りが必要なのだろう。


07になると低速も走りやすいし、一定に巡行するのも楽。他の車に合わせて走るのは簡単だ。


07と09の違いを感じながら、奴と奴の09に張る為には、何が必要かと、あれこれ考え初めた。俺もかなりのバカなのだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ