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第十三話:劇的ビフォーアフター

俺の相棒MT-07と基本的に外装が違うだけのYZF-R7の実物をYSPつくばまで見に行く事にした。

俺の相棒はストリートファイターと言われるジャンルに分類されるが、YZF-R7はスーパースポーツに分類される。


俺の相棒は一型なので最新のYZF-R7では新機能がいくつか付いているのだ。

買いたい訳じゃなくて、機能的にちょっと気になる部分を見たかった。


最近のヤマハのフロントマスクは常に斬新。

じじーにはよくわからんぜと思うが、それでも、これはまだマシな方かなぁ。


新しいYZF-R7の機構で最も気になっているのが、アシスト&スリッパークラッチだ。できる事なら、これを俺の相棒に入れたいと思っていた。


YSPに行った後もネットで調べて、MT-07とYZF-R7はエンジンは全く同じで、共通の部品も多く、クラッチはポン付けできる事がわかった。

それで、いつも車検に出しているヤマハのお店「K-Factry」にネットで調べたページを印刷して持って行った。

お店で話したところ「わかりました。うちでも調べてみます」と簡単に引き受けてくれた。



そこから、約二週間が過ぎた。

「K-Factry」から、その作業が終わった連絡が来たので、引き取りに行く。


07を受け取り、アシスト&スリッパークラッチの入った07で走り出した。

もう何より、すぐにわかる効果がクラッチの軽さだった。走り出しに半クラッチがどこかわからなくなる程、軽くて出だしから調子が狂った。

自分比では、半分くらいの軽さになったような感じがする。


バックトルクに効くと思っていたので、シフトダウンをした時にしか効きがわからないと思っていたのだが、半クラがわからない状態でラフにクラッチを繋いでも、滑らかに繋がる。「フッ」って感じで、つながるという感じすらもないよう感覚だ。


バックトルクを吸収するのが、一番の効果のはずなので、ここを試さない訳にはいかない。


直線で後に車がいないことを確認して、シフトダウンして、クラッチをスパッと繋いで見る。一速落としくらいでは、変速ショックは感じられない。繋がりも滑らかな感じ。


二速落としで「スパッ」とクラッチレバーを放すと、普段は「ガン」という車体が急に減速する感触があったのだが、「グ~ン」と強いエンブレがかかるだけになった。


少し走っていると、とにかくクラッチの繋がりが滑らか。シフトアップでもシフトダウンでもどちらの時でも効いている。

こういう効果があるとは思っていなかった。ラフなクラッチ操作をしても滑らかに繋がる。


なぜか、子供に自転車の乗り方を教えていたときの俺のセリフを思い出した。

「ブレーキをかけるときは『ザザザッ』っていうのが恰好いいんだぞ」

今やってることは反対だなぁ。あれは間違っていたんだ、と今更少し反省した。


とにかく軽くて滑らか。クラッチが滑るような感じもなく、ネガティブな所が全く思いつかない。


そりゃあ最近のバイクには必ず装備されている訳だ。クラッチのハウジングを最初から変えていれば、それほど難しい機構でもないと思う。

昔、MOTO-GPでしか聞けなかった機構が自分のバイクに搭載されているのは、とても誇らしい。


これまでに、07に入れた走りに関わる大きなチューンナップを思い起こしてみる。

パフォーマンス・ダンパー、ECUの書き換え、アシスト&スリッパークラッチ。

どれもこれも、とてもよく利くチューンナップで、どれにもネガティブな所がない。

09のような尖ったところのない面白味のないチューンナップかもしれないが、俺と07にはちょうど良い。


どれも、乗っているうちに普通に感じてしまうくらい馴染んでしまう。今回も乗ってるうちに普通になってしまうのだろう。

でも、きっとこれからの俺と相棒の時間を知らないうちに大いに助けてくれるに違いない。


なんだか、更に07に愛着を感じる。これからも、この相棒といろんな景色を見て来よう。



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