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彼方の島の夏休み ―不思議系少女と過ごすネットゲームの夏―  作者: 広瀬凉太
第三章 海で遊ぼう

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第38話 海辺のキャンプ

「色々やりたいことはあったが、まずはこの海の近くを第2の拠点として、ファストトラベルとかもできるようにしたい」

「……いいね」

「で、具体的には何をすればいい?」

「……まずはやっぱり、宿泊施設かな」

「森の拠点で簡易テント使ってた時は拠点レベルが上がらなかったから、毎日泊まれるところが必要か」

「……今度はふたり用のテント、作る?」

「少し大きめのテント作るか。家族用みたいな感じで」

「……かかかかか家族用!?」

「テントのサイズの話だよ。ほんとは部屋が複数ある小屋みたいなのを建てたいけど、どれだけ手間ひまかかるやら」

「……昔の人は使い捨てのコテージ99棟とか、持ち歩いてたらしい」

「昔の人っていうか、それも昔のゲームの話だろ。使い捨てだと拠点扱いされないからなあ。ちゃんと作るなら大樹の上にツリーハウスを作るのがいいかな」

「……落ちそう」

 そういや高所恐怖症って言ってた気がするな、この人。


「……わ、わたしは、海の上に桟橋(さんばし)みたいなのを作って、そこに家建てるのがいいかな」

「台風で消し飛びそう」

「………………」

「………………」

 何かのアニメのように、ふたりの視線の間で火花が飛んだ気がした。

 たまにこの人とは相性悪いというか……いや違うな。趣味が合わないと感じることもある。

 でも、友達とはいえそんなぴったり合う人もなかなかいないだろうし。


「そのあたりは家建てられるようになったら考えるとして。この世界って台風とか来るの?」

「……台風も来るし、雨も時々降る。天気予報アプリもあるっていうか、実質天気の予定みたいなもの」

 カズハはガイドフォンを取り出して何かを調べる。


「……今日の夕方、短時間だけど夕立みたいなのがあるっぽい」

「じゃあその前に雨と日差しを避けられるところを作るか」


 アイテムボックスには、まだ竹の棒をたくさん用意されている。

 それを組み合わせて、円錐形のテントの枠を作った。

 これに布をかぶせて……待てよ、他に何か使えるものはないか。


 昔のテントだと、動物の皮を使ってたらしいな。シカとイノシシの皮はあるが、どうしよう。防具に使いたい気もするが、それだと低レベルの装備しか作れなさそう。


 砂浜を見回す。


 少し離れたところに、ヤシの木が見えた。


 木に近づき、近くに落ちている葉を拾う。


[フェニックスの葉] ★

 種別:素材

 解説:ヤシ科の高木、フェニックスの葉。死者を蘇生するなどの力はない。


「久々にネタアイテム来た」

「……死者蘇生できないって、じゃあ何かに使えるの?」

「屋根の材料。ちなみにこのフェニックスという木は実在するぞ。海に近い公園なんかに植えてある」

「……ヤシがあるなら、もしかしてココナッツミルクとかナタデココとか作れる?」

「いや、あれは違う」

「……何が?」

「ヤシの仲間には色々とあってだな。大きくて硬い実がなるのはココヤシだ」

「……じゃあ、この木は?」

「ナツメヤシっていうグループだな。実は小さくて柔らかい。デーツという名前でドライフルーツとして売ってるやつだ」

「……見たことはあるけど、食べたことはない」

「とにかく、ちょっと登ってみる」

「……大丈夫?」

「スキルは、すでに取得してる」

 アクションスキル【クライミング】は、ゴブリンに追われたときに使えるようにした。

 あの時は山の斜面を駆け上るのに使ったが、木登りにも使える。


「おお、いつもと全然違う」

 普段の運動音痴ぶりが嘘のように、スルスルとヤシの木を登る。


――[デーツの実]を10個手に入れた!――

――[フェニックスの葉]を3個手に入れた!――


 身はもっとたくさんなっているように見えたが、収穫できるのは程よく熟したものだけらしい。


 デーツの実を包丁で半分に割り、中の種を抜き取って半分カズハに渡す。

 皮ごと食べられると読んだ事があるので、そのままかじってみる。


「……甘い!」

「これ、砂糖のかわりに使われることもあるらしいな」

 食感は柿の実に似ている。そこに、何だろう……何かのシロップを加えて甘さを増したような。


 デーツの実をかじるカズハを横目で見ながら、フェニックスの葉を編み始める。

 この葉は、1枚ではなく……ヤシの木の葉をよく見たらわかると思うが、1本の軸から細い葉が並んで生えている感じだ。

 それを2枚並べて、斜めになっている葉を交互に組み合わせてゆく。


「ごめん。そのうちちゃんと作りたいが、このペースでは今日中に終わらない」

「……わかった。今日のテントは布で作ろう」


 もうそろそろ日が傾いてきた。

 暗くなっても焚き火をしながら作ればいいかと思ったたが、そういえば夕立も来るらしい。


 実際、山の方では灰色の雲も見え始めている。

 テントの枠に、布を張り終えた時、視界の端……いや視界の半分をメッセージが一気に流れる。


――拠点施設【テント】を作成した!――

――第2の拠点を解放した!――

――拠点レベルが3になった!――

――拠点施設【柵】が設置可能となった!――

――拠点施設【四阿(あずまや)】が設置可能となった!――

――拠点施設【物置小屋】が設置可能となった!――

――拠点施設【宿屋】が設置可能となった!――

――拠点施設【正門】が設置可能となった!――

――拠点施設【錬金釜】が設置可能となった!――

――拠点施設【畑】が拡張可能となった!――

――拠点施設【果樹園】が設置可能となった!――

――拠点施設【ため池】が設置可能となった!――


 いや待て多い多い多い。

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