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第2話 執政府の兵士

「この橋かぁ…」

小屋の老人にもらった周辺の地図を見ながら俺はつぶやいた。


それにしても古い橋だ。修繕や管理はしっかりされていないらしい。向こう岸には見張り小屋のようなものが見える。


「まぁ、渡るしかないよな……」


そう自分に言い聞かして俺はゆっくりと橋への第一歩を踏み出した。


見た目とは裏腹に意外と橋の造りはしっかりしている。見た目に騙されてはいけないものだな。そんなことを考えながら橋をわたり終えたその時だった。


「おい!そこで止まれ!」


見張り小屋の中から声がするのと同時に1人の兵士らしき男が俺の目の前に現れた。


「通行証は持っているのか?」


兵士は俺にそう言った。


「通行証??いえ、もっていません」


「もってないだと?お前名前は?」


「名前ですか…。名無しなんです」


「ナナシという名か。この先から執政府が統治する領域だと知ってるのか?」


「あ…。いえ…。名無しとは名前がないという意味でして…」


「名前がない??お前何をいってるんだ?」


兵士は俺をにらみ付けながらそう言った。


「あ…。いえ、何でもないです。私の名前はナナシと言います。旅人です」


話がややこしくなるのを避けるために俺はそう言った。


「まったく…。これだから異国民は…。まぁいい。お前、通行証ないならここから先は通れないぞ」


「え…。通行証??なんですか?それ?」


「お前、本当に何も知らないんだな…。よくそれで旅をしてるな…通行証がないなら通行料が必要だ。100ゴールド払え」


兵士は大声で俺にそう言った。


「100ゴールド?しまった…。持ってない…。まさか、通行料が必要だなんて…。エルトゥールさん何も行ってなかったぞ。」


俺は心の中でそう思った。


「おい!どうした。通行料を払わないとここから先は通れないぞ。お前、まさか金も持ってないのか?」


兵士は疑うような目をしながら俺にそう言った。


「金かぁ…。持ってるわけないよな…。そういや、ポケットに何か入ってないのか…?」


とっさにそうひらめいた俺はポケットに手を入れてみた。


「ん…。何か石ころような物が入っているもしかして…!」


俺は期待を込めて外に出してみた。


ポケットの中に入っていたのは青色をした宝石のようなものだ。まぁ、宝石ではないかもしれないが。

俺は期待を込めて兵士に見せてみた。


「ん?お前、それは…。」


兵士はまじまじと青色の宝石を見つめてきた。


「これは…。北方で採掘される鉱石レイクブルーかぁ。まぁ、ゴールドの代わりにならんこともないな。市場で転売すれば高値で売れるし…。よし!お前それを俺にくれるなら通してやるぞ」


兵士は笑顔で俺にそう言った。


「え…。そうですか。わかりました。その変わり通してもらいますよ」


俺は少し間をおいた後、兵士にそう言った。


「あぁ、わかってる。よし!交渉成立だな。それを置いてさっさといけ。」


「えぇ、それじゃあ、行きますね。ところで執政府ってなんですか?」


「お前、執政府を知らないのか。この国を治めてる政府の事だよ。この橋が数ある国境くにざかいの一つになってるのさ。ナナシという異国の民よ、パルチア国への通行を許可しよう」


兵士は自信に満ちた声で俺にそう言った。





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