対局
ご飯食べたあと俺達は家に戻った。その後俺は少し歩いて鍛冶屋に行った。この前の富士見との戦いで剣が刃毀れしたらしい。新しい剣を作るために向かってたが、
「ねぇ、そこの転生者!うちと手合わせしてよ。」
誰だこいつ。手合わせしても意味ないだろうな。こいつ絶対異世界の先住人だろ。
「もしかして『名を知らぬ人とは刃を交えん!』みたいな武士道でも貫いてるの?なら名前教えちゃおっかな。うちは天野照。君と同じ転生者。名乗ったから手合わせしよ!」
はぁ、めんどくさいやつに絡まれたな。適当にあしらっとくか。ん?さっき転生者って言ったか?
「あんたも俺と同じ転生者なのか?」
「そだよん」
「ならなんで俺を襲わなかった。あそこで襲っておけば確実に俺を殺せたはずだ。それをせず話しかける。目的は何なんだ?」
こいつは何なんだ。目的がわからない。殺しに来ているのか、それともそうではないのか。殺意は感じられないが手合わせしろという圧が凄まじい。
「手合わせしたいってだけ。それ以外無いよ。」
「そう言って油断したところを殺すんだろ?バレバレだ。」
「しないって。私の武士道に反する!いい?私は剣を交えてこの世界の転生者と仲良くなりたいの。一人しか帰れないならうちはみんなと戦いたい。現実の未練より今を楽しみたいんだ。」
こいつ、戦闘狂だ。関わってはいけないタイプ、逃げるしかない。
「そうか。けど、俺はお前の手合わせに付き合うつもりは無い。予定があるんだ、通してくれ。」
「んじゃ終わるまでついてく。」
「いや、迷惑かけるから無理だ。」
「うちは迷惑じゃないよ。それにうちみたいな可愛い人連れてたら良いことあるかもよ。この前サービスしてもらったし☆」
可愛い、か。確かに見た目はいい。一般的に見たら『かわいい』と言われるだろう。だが、俺はまじで無理なタイプだ。戦闘狂だし、金髪ギャルなんてのは嫌だ。怖い、しかもこいつは頭がいい金髪ギャルタイプ、一番嫌なやつだ。あートラウマ蘇ってきた。仕方ない、離れてもらうために強く言うしか無いか。
「やめてくれ!鍛冶屋に行くのに邪魔だ!それに、少しお前の接し方が気に食わない、です。」
「ん?鍛冶屋行くの?なら私の能力で剣あげるよ。てか最後の方なんて言ってるか聞こえなかったけどなんて言ったの?」
「え?お前剣作れるのか?」
「うん、その剣売って新しい剣買おうとしたんでしょ?ちょっと貸して、これを、こうして。はい、出来た。」
「すげぇ、サンキュ。」
まさか苦手なタイプにここまでされるとは、避けづらくなったな。けど俺の胃を守るために
「けど悪い、俺あんたみたいなギャルって感じの無理なんだ。過去にいじられ過ぎてトラウマがある。」
「あーなるほど。けどうちギャルじゃないよ。クラスでは2軍くらいだったかな。ギガルシとの、あーうちの友達との手合わせが楽しかったからテンション高いだけ。金髪なのは生まれつき。」
はぁ、警戒して損した。用も済んだし帰るか。
「帰さないよ。手合わせ、してくれるよね?」
声が出なかった。恐怖だろう、戦闘狂に戦闘を迫られる圧。怖いの一段階上にある。
「や、やります。すみません。」
「そう来なくっちゃ。んじゃ、対戦よろしくね!」
切り替えろと言われてもこんなんじゃ切り替えれるわけない。
「君の剣、再現するね。」
照は手元の鉄の塊のようなものを剣に変えた。それも、俺が持っているのと同じ形のものだ。こいつの能力は修繕じゃない。となると物の形を変えて好きなものに出来る能力か。
「元素セット、炎。対象剣。」
「なるほど、君はそんな能力なんだ。けど真正面からの剣勝負では負けないよ。」
「言ってくれるじゃねぇか。炎に無属性で勝てるってか?」
こいつに勝つには剣に付与した炎を拳に入れ替え、剣がぶつかったときに拳を入れるしかない。剣術では剣しか使ってこなかったあいつの方が上だろう。なら、挑発して真正面から来るようにしなければ。
「それともお前あれか?自意識過剰なのか?」
「さっきも似たこと言われた。君、ギガルシと似てる。」
挑発が効いてない。しかもニヤけながら走って来てる。
「元素セット、対象拳。」
10メートル、5メートル、3メートル、ここだ!
「でりゃぁ!」
「予備動作大きいし、拳を用意してるのがバレバレ。君、戦闘したくないって言って戦闘避けてたでしょ?」
読まれてる?まずい次の行動を、
「うちの超必殺技見せてあげようと思ったのになー。ギガルシにしか出来ないのかな。」
「情けはいらねぇよ。来いよその必殺とやらを。剣を作るだけの能力に出来る技なんて少ないだろ?」
「完全に頭にきた。行くよ、」
挑発成功、あとはカウンターを決めるしかない。
「来てみろ、てめぇの攻撃さばいてやるよ!」
「物質変換、石。創造物、大剣。」
照はそう唱えたあと高く跳んだ。石が大剣に変化するエネルギーで跳んだのだろう。だが、上からのエネルギーを利用した攻撃は単調、利用しやすい!
「カウンター専用のいくか。元素セット、岩。対象腕!」
照は剣を出さなかった。手から石を落としてきただけだった。確かに高さ的には高いがそれが何になるんだ。そう思ったときには宙にあった石はすべて剣になっていた。
「まずい、守りを固めるしかない。」
ナズ戦の時のあの守りを、
「うちの超必殺技。名前は決まってないけどね。着地はえーっと変換、対象石。草に変更。魔力を払って、出来た。あとは草をパラシュートに!よし、」
なんか言ってるが攻撃に耐えるのでダメだ。まずい、
バキッ
「ッ」
俺の守りが剣で壊れた。まずい、
「うちの勝ちでいいよね。剣は全部石に戻したから安心して。」
た、只者じゃねぇ。何者だこいつ。
「君ならギガルシと同じかそれ以上になれる。うちが言ってるんだからホントだよ。」
「ギガルシ、誰だよ。まぁいいや、はぁ、はぁ。」
「そーだ!君をトレーニングするために一緒に冒険させて。拒否権はないよ。ギガルシだけだと飽きるからね?お願い」
「俺は、あんたが仲間なのは心強い、が、他の仲間が、」
「安心して、うちの交渉術で何とかする。てことでよろしくー!」
「なんてことがあって、愛理、渚。照を仲間に入れてあげてくれないか?」
「バカ!何してんの!まぁ、鍛冶屋がチームにいるのは便利ね。」
「このチームでこれからやるか。それでいいよなみんな!」
「いいわ、個性が出てていいじゃない。停戦協定、自分の意思がない、戦闘狂、理想を掲げる愚者。みんないい個性ね。」




