絶縁
投稿が遅れてすみませんでした。風邪をひいてしまい、作業に取り掛かることができずにいました。
あのとき、やめておけば。もう、何も失わなかったのかもな。
くぅ、やっと、まぶたが開いたか。何分くらい気絶してたんだろう。それを知ってるのは俺を拠点まで連れてきた人だけだ。あの場で俺を運べるのはテンプス、あいつだけ。なら、なぜ俺を連れてきたんだ。いや、理由は簡単だ。あいつは、俺を生かす明確な理由があるからだろう。
「あ、起きた?優斗あんた無茶しすぎ。」
「悪い、照。けど、気絶したおかげで頭がクリーンになった。」
「で、気絶してたわけだけど記憶はちゃんとあるの?」
「記憶は………そうだな。」
記憶は、愛理が死んだところから消えている。俺が思い出そうとしてもすべて霧がかかっていて見えない。唯一思い出せたのは俺が渚に対して『人形』と口にしたことだけだ。
「なるほど、その顔を見るに全く覚えてないってわけじゃないけど抜けているところが多いってわけね。」
「そうみたいだ。ただ、記憶が消える前、俺はテンプスとかを殺そうとしてたらしいな。傷跡を見たら思い出した。
「あいつはあんたを救った張本人よ。感謝しときなさい。あんたを道から外れたのを戻してくれたんだから。」
俺を救った、ねぇ。殺しに行く奴を守るなんてこと、出来るんだなぁ。
「そうだ。照、お前に協力してほしいことがあるんだ。」
「なに?内容によっては承諾する」
「愛理を殺したあの黒い衣を纏う女を殺したい。愛理はそいつに殺されたんだ。その報復をしなきゃ、俺も、愛理も救われないよ。」
「…………は、?」
「だから、愛理に報いるために。もう、記憶が消える前の俺とは違う。これは、俺の決意だ。さっき言ったろ?頭がクリーンになったって。その頭で考え、愛理のためになることを考えたんだ。安心しろ。前みたいに不殺を貫いて、変なことしない。俺は、愛理のためにあいつを殺す。」
「あんた、何言ってんの。前の優斗はどこ行ったの!うちが知ってる優斗は!」
「目の前にいるだろ?それとも、俺の人格を否定しようってのか?」
「違う!うちが言ってるのは不殺を貫いてた、人が不幸になるのが嫌なあの優斗のことだよ!」
「あぁ、それは捨てた。愛理が死んだあと、俺自身が語りかけてきたんだ。お前のその甘い抑止力がたどり着く結末は、破滅だとな。」
「だからっね簡単に諦めるの?それは違うじゃん!戻ってよ!前の不殺の優斗に戻して!」
『不殺の俺に戻せ。』その言葉は俺に響いた。けど、やらなきゃいけないんだ。俺は、人を殺すことに慣れていかなきゃだめだ。そう教えてくれたのは、愛理だった。
「お前はさ、嫌じゃないのか?愛理を殺した奴が生きてるのが。大切な人の命が奪われた俺たちは苦しみ、奪った本人はいつもの日常に溶け込んで日常を過ごす。それを認めるのか?お前は!」
「認めない。けど、あんたが道を外して生きるのを仲間として認めるのはもっと嫌だ。知らないと思うけど、うちと渚には愛理に託された思いがあるの。あんたが道を踏み外したときに、あんたを戻す抑止力になれってね。」
愛理が?なわけないか。あいつは俺に殺人の覚悟をつけさせたやつだ。不殺をそそのかす事は言うはずがない。
「たわけたことを言うな。お前も堕ちたな。理想に駆られたか?」
「うちだって愛理を殺した奴は殺したいくらい憎んでる。けど、それをしたところで愛理は戻らない。むしろ、うちらがもう戻れなくなるところまで行っちゃうの!それは愛理にとっての最悪の不幸なんじゃないの!」
「じゃあなぜそんなことを言う愛理が俺に対して人を殺すように言ったんだ!答えろ!」
「それは……」
「本当に、愛理が言ってたんなら裏切る事になる。だから、本当のことを言ってくれ。」
愛理を裏切る行為だけはしたくない。もう、愛理には苦しまずに天国で笑っててほしいから。
「………言ってないよ。けど、確かに受け継いだわ。愛理の代わりにうちが横にいてって、託されたから。愛理が、私の代わりに幸せにしてやってって言ってた。」
「そらなら、別に俺が人を殺しても問題ない。むしろ、俺に殺させるべきではないのか。俺はあいつが死ぬまでは、きっと幸せになれない。愛理を亡くした恨みと、俺の無力さにずっと苛まれるだけだ。」
「だから………それだとあなたの心が擦り切れて!」
「心を捨てる覚悟は出来てる。」
「………はぁ、もういいわ。勝手に復讐でもしてなさい。それであんたが壊れてもうちは責任を取らないし、あんたの復讐にも加担しないから。」
「おい、どこ行くんだ。待てよ!」
「あんたと話しても埒が明かないし、意味がない。………あぁそうだ。一つだけアドバイスしておくよ。あんたじゃギガルシみたいに強くなれないよ。じゃあね。」
…………また、失った。俺は、仲間を自ら傷つけた。………いや、あいつは元々敵だったんだ。今まで協力してたのも




