戦闘
「よし、行けたわね。全員いるね、じゃあ富士見を探そう。」
「本当にいるのか?まぁ桜とかはあるしあいつにぴったしの場所だけどよ。」
「わからないわ、けど探すしかないでしょ。」
そんな感じで探索が始まった。そして始まって
30分経ったくらいの頃、時相テンプスが出てきた。
「君たちは何をするんだ」
「これから富士見を倒しに行く。仲間になりたいならいいぜ。」
「その提案は断る。それと、君たちのその行動を止めさせてもらう。」
そう言った途端、世界がほんの少し止まったように感じた。そして気づいた時には俺は遠くに吹き飛ばされていた。
「あんた、何するつもり。愛理、渚、優斗連れて行って。うちが時間稼ぎする。」
「逃さない。」
「させないよ。あんたの相手はうちだかんね?」
「照ちゃんありがとね。行くよ2人とも、ワープ。なるべくエリア内の遠くに。」
はぁ、はぁ、いきなり、あいつが攻撃を仕掛けてくるなんて。
「汝らは、あぁ、理想に溺れた男とその連れか。」
「てめぇは、富士見!2人とも、行くぞ。」
「来い、汝には殺せぬ。」
「元素セット、金属。対象、腕。」
「血剣刃!」
作戦を思い出せ。確か、魔法は能力コアとは関係がない。つまりMPが存在する。そして血を剣にするのは『魔法』。ここから導き出される答えはMP切れまで耐える。それだけだ。金属なら血が染みる事も、血が付着することも無く、ただ冷たい金属を流れるだけ。これなら、耐えられる。
「お前の血、無効化してやるよ。」
「さて、どうかね。発動。」
その瞬間、鉄の腕についた血が刃と変わった。鉄なら貫通できまいと慢心していたら、
「グッ、」
鉄を貫通して剣が腕に刺ささり、腹にまで傷がついた。
「慢心していたか?それとも、」
「転移!対象、富士見の上」
富士見の上にゲートが開き、そこから岩が落ちてきた。
「転移のやつがいるのか。しかし、愚かだ。一人で戦わぬということは一人では勝てぬということだろ?」
「違う。俺は、俺らは、」
「言い訳など聞きとうない。死ぬがよい!」
「転移が、間に合わない!」
「グッ、はぁ、はぁ、お前が俺の防御を破れるのは、血を剣に変える時の、勢いだけなんだよ。」
「転移!」
「一度食らったものはそう効かない。哀れだ、我が手で葬ってやろう。」
「愚かなのはあんただよ、富士見。それはブラフよ。」
「な、」
「元素付与、炎!対象拳!炎拳烈波!」
「汝よ、まだ恐れておるな、死を。汝のそれは理想何かではなく、抑止力だ。」
「うるせぇ、お前を殺さず、勝つんだよ!それが何であろうと、理想を貫くんだ!」
「幸せな頭を持ったもんだ。愚かな愚者よ、歯を食いしばるがよい。我が秘伝技を。」
その瞬間、富士見は剣を体に刺し、その傷口から無数の剣を出し、あたりを血の世界に染め上げあ。そして、あたりに飛んだ血、一つ一つをすべて剣にした。剣の平原が広がる。それは荒れ果てた地のように、風情のなく、殺風景な赤い世界が広がるだけだった。
「さぁ、剣を取れ。」
「てめぇの戦場でてめぇを倒す。」
「ハァッ!」
「セット、水!辺りの血を洗い流せ!」
水で、血の剣を洗い流す。そうすれば辺りの剣はなくなり、相手の有利を消せる!
「させぬ!」
「グハッ」
どこからだ。どこから俺の脚を刺した。何もない、のに脚には剣が。
「ここは我が戦場、言わば我が城だ。罠があるのは分かるだろう?」
「全ての血を剣にしたわけじゃねぇのか。」
「すべての資源を注いでは万が一のときにだめだからな。さぁ、立て。まだ動けるのであろう」「舐めやがって!元素セット風!竜巻幻花!」
「な、」
「剣であろうと素材はたかが血。風で簡単に飛ばせるんだよ。」
あと10メートル。なら、風を利用して一気に距離を詰める。そうすれば、勝てる!
「はぁー!」
距離を詰めたとき、剣が脚や腕、さらには腹から無数に生成された。
「先ほどの傷口から血が入っていたのを忘れたか。」
「て、めぇ。はぁ!」
「悪あがきで剣を投げるか。だが、そんな攻撃など当たらぬ。汝の負けだ。覚悟をするがよい。」
「まだ、死んでねぇよ。今だ!愛理!」
「聞こえた。転移対象渚。位置、富士見!」
「封印。これで、使えない。」
「ぐっ、汝の、力。それは、禁忌だ。いつか、」
そう言って富士見は倒れた。おそらく貧血だろう。とりあえず、俺は、俺達は、勝った。
「優斗!倒れないで!」
「起きて。」
あれ、何か言ってるのか?何も聞こえなくなって。
バタッ
その頃照は、
「変換、剣!はぁ!」
「なぜ止める。君たちに救いを提示しているだけだ。」
「救いが人の邪魔?何言ってんの?何もしない方が良いんだけど。」
「君たちを救うにはこれしかない。」
「まったく話が通じないんだけど。まぁいいや、」
照は足元に石を置き、それに乗った瞬間に石を剣にし、空高く跳んだ。そして手元の石をすべて放り投げ、剣や槍などたくさんの武器に変換した。
「技名は、ウェポンズレイン!」
「世界よ、止まれ!」
テンプスがそう口にした時には、照は地上に叩きつけられ、武具の雨を目の前にしていた。
「まずい、すべて戻れ!」
「君には勝てない。だが俺には殺す理由がない。さっさとどこかへ行け。だが、誰からもコアを取ろうとするな。あと一日で、君たちは救われる。」
「救うって、何を救うの?それがわからない限り言う事は聞けない。」
「君たちは本来ここに来るべきじゃない。それを証明するためだ。」
「結局何が言いたいわけ?あれ、どっか言っちゃった。とりあえず優斗のもとに行くか。」
「優斗、着いたよ。って何この状況。」
「優斗が富士見を倒した代わりに、倒れてるわ。即座に治癒魔法をかけたからいいけど、流石にこの傷だと私の方も疲れる。」
「そうか。とりあえず、今のうちに富士見からコアを。」
「いや、もう時期目を覚ますよ。だから、話し合いで貰うって言い出すよきっと。」
「そうだね。まぁうちはそれに賛成。あ、起きた。」
「悪い、寝てた。富士見、起きろ。」
「ふっ、我はまだ寝ていたいのだが敗者には慈悲なしってわけだな。」
「突然だが、コアをよこせ。お前を殺さないためには必要なんだ。」
「そう言って渡すやつがいると思っているのか?我はこの世界に来たときから命を張る覚悟はできておる。さぁ、殺せ。でないと能力がまた覚醒して汝らを殺してしまう。」
「………出来ない。いいから渡せ!」
「あんたどきなさい。私が殺す。死体は見ないように処理しとくから。」
「それはだめだ。誰も殺さないって約束しただろ!」
「でも今ここで殺さなきゃまたあんたは死にかける。なんなら次は死ぬかもなんだよ!」
「けど、人を殺すのはもっとだめだ!」
「それ、本当に理想なんかじゃない。富士見が言ってた通りの抑止力でしかないわ。まだあんたは普通の人間としていたいんでしょうね。そんなの、この世界に来てからは無慈悲に捨てられてるの。いい加減目を覚ましなさい!」
「残念ながら汝らはタイムオーバーだ。」
「渚、もう一回封印を。」
「その前に腕を切れる。まぁいい、今回は我の負けでここを離れさせていただく。が、背中を攻撃したら汝らを容赦なく殺す。武士に背中を討つなどは我が人格を否定するのと同じだからな。」
「逃げられたじゃない。コアを取れた瞬間だったじゃない!まぁいいわ、渚ちゃんと照ちゃんは帰っておいて。私と優斗は少し休む。じゃないと帰り道で殺されてしまうわ。」
「じゃ、うちが渚っちは守るからね。安心してな。」
それから数分間、沈黙の時が流れた。その沈黙を打ち破るかのように愛理は言葉を発した。
「さっきはごめんね。私、言い過ぎた。あんたは普通の高校生だった。それなのに人を殺すなんて出来ない。ごめん、人の気持ち考えられないなんてね。」
「俺もごめん。口調が強くなって。でも、俺はそれだけ本気なんだ。誰も死なせないためにはね。」
「あんたらしい。じゃ、休まったしそろそろ行こうか。」
「あぁ、行こう。」
「見つけた。主が言っていた獲物。」
「何か言ったか愛理。」
「いや、私は何も言って、」
その瞬間、愛理の胸から剣先が伸びていた。否、愛理は背中からナイフで刺されていた。
「まず、い、このままじゃ、共、倒れ。転、移。優斗を、どこか、遠くに。」
バタッ、
「次は、お前だ。」
「お前が、愛理を!」
相手の顔を見たときには、すでに俺は部屋にいた。
「愛理が、死んだ?なんで、なんで死ななきゃいけなかったんだ。………あいつは、許さない」




