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異世界英雄譚  作者: テト
11/18

戦略

「今日、今ここで富士見を倒す。それでいいわねみんな」

「あぁ、俺は賛成だ。」

「うちもそれでいいよ。」

「みんながそれでいいなら。」

ついに、決戦の時か。俺も、頑張らなくちゃな。

「作戦としてはどうにかして渚ちゃんを近づけて不死身を使えなくする。そうすれば血の剣も死を恐れて使えなくなるはずだわ。」

「そこで近づくにはヘイトを買うやつが必要。そうだろ?」

「そう。その役目を負ってほしいのは優斗、あなたよ。照は確実に仕留めなきゃいけないとき、退散をするときのヘイトを買う。この二つをしてほしい。優斗なんかより圧倒的な戦闘力を持ってるからね。」

わかってても辛い、やっぱり自分は弱いんだな。そう実感させられた。強くならなきゃ、絶対に。じゃなきゃ、みんなを守れないから。

「で、最優先事項は必ず全員で生きて帰る。それの次に優斗の不殺。それが一番現実的よ。」

「わかった。それでいこう。」

「じゃ、みんなで話し合うことは全部終わったわ。じゃ、優斗、部屋に来て。」

「なんでだよ。」

「いいでしょ。いいから来なさい。」

何が目的なのか知らされずに俺は愛理の部屋に連れていかれた。

「あんたは不殺を今回も貫くの?」

「もちろんだ。全員生きてほしいんだ。多分、死が怖いんだよ俺は。」

「そ。なら今回の相手は殺すつもりで行きなさい。相手は富士見だから死にはしないわ。前回、遠くで見てたけど、殺すことを恐れて本来出る火力を抑えてた。でしょ?」

だめだ。やっぱ何事も隠し通すことはできないか。

「あぁ、俺は殺すことを恐れて火力を最大限出せてない。」

「やっぱりね。ま、それが富士見との戦いの後も足を引っ張んないようにするんだね。じゃないと簡単に殺されるわ。」

俺の理想が、俺を殺す、か。

「そんなこと、絶対にない。俺がそうさせないからな」

「そ。じゃ、要件はそれだけ。言いたいことも言えたしね。」

「そうか。で、出発は今夜だっけ?そのほうが魔力をためれるから。」

「そうよ。それまで休んでなさい。」

「いや、俺は鍛えておく。強くならなくちゃ、ダメなんだ。」

「ふっ、あんたらしいじゃん。昔から俺がやんなきゃ!って言ってたもんね。あーあ、思い出しちゃったなぁ昔のこと。」

「絶対生きて帰って現実で再会しよ。約束な」

「一人しか帰れないって言ったでしょ?ホント、理想主義なんだから。」

そう言われたあと、俺は部屋をあとにした。富士見との戦いまではあと10時間ある。休憩があるからトレーニングは5時間できるな。

「照、ちょっとトレーニング付き合ってくれ。1回戦ってるし弱いところとか教えてくれ。」

「わかった。渚っち、うち行ってくるね。」

「近くの森でいいか?」

「森?もしかして北の方にある?」

「それだ。そこなら他にも見えないし。じゃあ先行ってるぞ。」

「北の森…あ、ギガルシ帰ってなかったらまずい。まぁあいつもアホじゃないし大丈夫か。」

「なんか言ったか照。」

「独り言。じゃ、準備したらすぐ行くね。」


ついた、か。まだ照は来てないしフィールド確認するか。障壁物は何本か生えてる木、あとは大きめの岩か。炎を使ったら自分まで巻き込む可能性があるから使えない。風に関しては木が邪魔だし落ち葉とかで視界が遮られる。目隠しには使えるがかえって不利になる可能性もあるか。雷に関しては少し水気が多いから自分を感電させる危険があるから使えない。水くらいだな使えるのは。あとは岩、闇、光くらいか。あとは未知数な金属性。ここで使ってみるのもありか。いや、実践練習だから未知数なものを使うのはやめといたほうがいいか。でも気になるな。なら今使うか。

「セット、金!はぁ!」

発動した途端、体を金属で覆い始めた。

「なるほど、岩より物理受けは優れてると見た。そして特殊受けには弱い感じか。となると岩は炎などの特殊受け、鋼は岩が無理な属性と物理受けか。」

「ついたよ優斗。まさか2日連続で手合わせになるとはね。今回、優斗の改善ポイントはズバリ!怯えないこと!君さ、恐れてるっしょ。うちとやったときもなにか恐れを感じて弱めてた。そんなこと読めてる。そんなんじゃここでは生きていけないんだから甘い考え、捨てなね。」

「わかった。愛理にも言われてるから改善するつもりだ。」

「んじゃ、早速やろ。ルールはなし。降参するまでやる。最悪死ぬかもだけどそのときはこの世界を恨んでね。」

「了解!オラァッ!」

「いきなり来る?ま、振りがデカいからバレてるよ。」

初手は交わされるか。だがいい、次は元素を変更だな。

「元素セット、草!対象、剣!」

「物質変換、枝。剣に変更!」

キンッ

「いいね、力は強くなってる。けどまだ目に恐れが見えてるよ。」

やっぱり、まだ恐れがあるか。でも、超えなくちゃ。殺しに来るやつに殺さないように立ち回るなんて、強者にしかできないことだ。なら、こちらも殺さないように、けど殺す気で行くしか。

「いいよ、殺す気で行く。」

「その言葉、本気?手足が震えすぎじゃない?」

「やるしか、ないんだろ?ならやるしかない。」

やるしかない。やる、しか。うっ、目の前が歪んで、


「起きた?過集中してたでしょ。殺す事を考えてさ。別にすぐにやれって言ってないよ。けど、なるべく早めにしてね。今日は終わり、戻ろうね。」


「戻ったぞ。」

「いいところに来たわね。帰ったら出発にしようと思っててね。行きましょ、大体あいつの居場所に目星はついてる。武士の格好してるなら、東側の和風な感じのエリア。」

「さっさと行こう。」

「近くまで、全員ワープするよ。」

「準備はできてる。」

「うちも、オッケー。」

「できてる。」

「んじゃ、行こ」

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