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S級転生チケットを盗まれたので、アメーバからやり直します!  作者: しゃじなっぽ
第1章 アメーバになった老人

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7話 アメーバ、はじまる

・

・

『死亡しました。2回目の転生を行います。』

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『死亡しました。3回目の転生を行います。』

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『死亡しました。5回目の転生を行います。』

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・

『死亡しました。16回目の転生を行います。』


暗闇の中で時折、声が聞こえる。


さっきからなんだ?たまに聞こえる声…

死亡!?転生!?

いやいや、ずっと何も変わってないのに、死亡も何もないだろ。

少し前に「スキルがどう」とか聞こえた気がしたけど、なんだったんだ??

にしても、本当に真っ暗で何も見えない…


少しだけ時間がたった気がした。

先ほどまでの声はしなくなっていた。

幻聴だったのか?

ついにボケちゃったか?

なんて、呆けていると


《ビクンッ!!!》


と、体が動いた気がした。

ん??なんだ今の感覚。

足でもないし、手でもない。

お腹を触られたような…

体のどこを触られたか、特定できないような微妙な感覚があった。

その感覚に、咄嗟に体が反応して動いたのだ。

何が起きたのだろうか。

定年後はラノベとランニングばかりで、ろくに使わなかった頭をフル回転させた。


何かで見たことがあるような体の動きだ。

何だったかなぁ。

過去の記憶と今までの出来事を思い出し、整理していると。

一つの考えに至った。


…あ…アメーバだ。


アメーバは、外から刺激を受けると形を変える。

あの動きだ。

そう思ったと同時に、自分の感覚を研ぎ澄ませてみた。


なんともいえない。

なんだこれは。

体の境界は…

確かに、ある…

だけど、無意識のうちに境界が変わってる。

今、はっきりとわかった。


転生してます。


ちゃんと、アメーバに転生してました!


[転生]という響きに少し心が弾んだ!

だが一瞬だった

だって、アメーバだもん。


……ていうか、待てよ?

さっきからおかしいぞ?

僕は転生してるんだよな?

なんで記憶があるんだ?


確かシー子さんが

「転生したら前世の記憶がなくなる」

なんて言ってたけど…あの場で、まさかのブラックジョークを入れてきたのか?

…笑えない。

本当に、ばあさんのこと忘れちゃうかと思って、焦ったじゃないか!


まあ、何はともあれだ。

ばあさんの事も、子供達や孫たちの事も、みんなしっかり覚えてる!

本当に、良かった。

不安で仕方なかったが、この事実にひとまず肩を下ろした。

…肩なんてないけど。


あとは、人間に戻る方法を考えなきゃだな。


とりあえず今までの話だと

0ポイントなら「石ころ」か「アメーバ」しかなれない。

たしか、次の段階が昆虫とか説明を受けた気がするな。

それなら、することは1つだ。

しっかり良い行いをして徳を積み、まずは1ポイント稼ぐ事!

これを始めの目標として頑張ってみるか!


そう気を取り直して僕は考えた。


そうだなー。

まず、何をするにしても動かなきゃ、何もできないよね。

さーてどうやって動くかなー?

とりあえず、人間時代の脚を動かすイメージをしてみた。

すると体の境界に変化が起きた気がした。

体の境界はみるみる形を変えた。

サワサワ、フニャフニャといった感じで、動いていることがわかったのだ。

興奮のあまり、僕はあのセリフを心で呟いてしまった…


「こいつ…動くぞ!」


長年憧れたこのセリフを本当に使う日が来るとは。

感動もひとしおである。


しかし、これは本当に移動できているのだろうか?

前後といった感覚が希薄なのでよくわからない。

視界も正直なところ明暗が、かろうじてわかる程度。

といった感じで、周りの様子が全くわからない。


でもでも、この体。

少し、いいかも!

生前、感じていた肩周りの痛みがない。

とても身体が軽いのだ!


なんて考えてると何かにぶつかった。

そんな感覚があった。

モゾっとした。

そして体が何かに吸い込まれる感覚。

その瞬間、一気に意識が遠のいていった。


そして、あの声が聞こえた


『死亡しました。17回目の転生を行います。』


真っ暗で無重力のような空間。

さっきまでの体の境界を認識できない。


ここでようやく気づいた。

あれ?

もしかしてアメーバになってから、もう17回も死んだってこと??

いやいや、死ぬの早くないか?

Bさんは『半永久的な存在』とか言ってなかったか?

そもそも、ついさっきまで転生省にいたじゃないか。


この状況を整理しようとしたが、頭が混乱した。

整理できない。

……

じゃあ、止めとこう。

「転生します」とかいってたから、また転生するんだろうし。

とりあえず切り替えよう。

まずは、仕事でも一緒の順序付けだ

1.重要で緊急のこと

2.重要だが緊急でないこと

3.重要ではなく、緊急のこと

4.重要でも、緊急でもないこと

今死んだ理由なんかは1番だな。

それと比べて、転生省からさっきまでのことは2番だろう。


ということで1番。さっきの死因を考えてみようか。

体が何かにぶつかった。そのあとモゾっとした感覚。

そして、吸い込まれたような感覚の後に死んだ。

…おっ??

食べられたか??

それなら納得できそうだ。

ぶつかったのは、他の微生物、ゾウリムシか何か。

あのモゾモゾっとした感覚は繊毛だろう。

最後は細胞口でパクッとやられたのだ。

そうに違いない!

知らんけど!!

だって見えないし、感覚がほとんどないんだもん!!


そんな事を考えているうちに

だんだんと体の境界を感じた。

体が構築されているのだろうか?

その時、こんな声がした…


『種別抽選の結果、転生先がレア種別[赤痢アメーバ]へ確定しました。メインスキル【折れない心】の効果により、サブスキル【変身】の定着を確認しました。これにより、サブスキルスロットの開放を確認。スロットの開放の結果、種別スキル【状態異常攻撃】を獲得しました。』


なんだって!?

やっぱりスキルって言ってる!

できちゃうのか?

こんなとこから俺TUEEE!できちゃうのか?


体の構築が進むよりも、何よりも速く、

僕の妄想は加速していったのであった。


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