意刄木
女子生徒達が、トイレの手洗い場の前でメイクをしている。
女子生徒A「次の授業、だるくな〜い?」
女子生徒B「それな。」
女子生徒C「でも、テストに出るってさ今日のところ」
女子生徒A「じゃあ、サボれねえな〜」
その時、大きな「バンッ」と言う音が聞こえる。それは、耳元で叫ばれたぐらい大きな音だった。
女子生徒B「なになに!?」
女子生徒3人は慌てて廊下に出る。他の生徒も教室から出る。
すると、1人の男子生徒が上の三階を指差す。
男子生徒「なんか、上から聞こえなかったか?」
生徒達は一斉に三階へ上がる。そして、校長室側の廊下に数人の生徒が行く。しかし…
生徒達「こっちはなんもねえぞ?」
すると、反対側の廊下の生徒達もそうだった。
生徒達「なんだったんだ?」
生徒たちは、2階へ降りていく。
校長室
意刄木が、校長先生に銃口を向ける。意刄木の隣には、椅子で縛られた昴。昴の頭には血痕が残っていた。そして、意刄木を睨んでいる。
意刄木「動かないで下さい校長。何か変な事をした途端、撃ちますよ?」
校長先生は両手を挙げ、少し冷や汗をかく。
すると、昴が口を開いた。
昴「何で…何でお前が…意刄木ぃ!!」
すると、意刄木は銃口を昴に向け、瞬時に昴の右肩を撃った。
昴「っ!!」
意刄木「うっせえな。黙れ」
意刄木の視線は、完全に昴の方を向いていた。その時、校長先生は立ち上がり、意刄木に近づく。
意刄木「!?」
意刄木は視線と銃口を校長先生に向ける。そして銃口は少しズラし、威嚇射撃をした。
「バンッ」
その銃弾は、校長先生の顔を横切った。そして、後ろの窓ガラスが割れて、落ちてゆく。しかし、校長先生の足は止まらない。
意刄木「止まれ!!」
その時、校長先生は意刄木の右手の手首を素早く掴み、少し捻る。意刄木は銃を落とす。そして校長先生は意刄木の制服のえりを掴んで、投げ倒す。
意刄木は校長室の床に叩きつけられ、視界がボヤける。
意刄木「おま……」
すると、校長先生は椅子に縛られる昴の縄を解き、校長室の扉を開ける。
そして昴と校長先生は校長室から出て、校長室の鍵を閉める。
そして、意刄木はスマホを取り出し、誰かに電話をかける。
意刄木「昴 拉致作戦。開始」
校長室の外の廊下
校長「この校長室は、何かあった時の為に中からは特別な鍵がないと開きません。今の内に、警察を呼びましょう」
昴「校長…つよ……」
校長「これでも、昔は空手などを習っていたので。結構強い方でしたよ。」
校長はそう言って笑う。しかし、昴の表情は暗かった。
校長「昴君、大丈夫かい?」
昴「あ!すいません…意刄木は親友です…なのに、急に後ろから撃たれて…それで…」
その時、校長先生は窓の外をふと見た。車のドアが閉まる音が聞こえたからだ。
校長(郵便ですかね…!?)
外には、黒いワンボックスが5台止まっていて、そこから黒いフードを被った男女が降りてきて、学校の玄関に向かって走ってきた。
校長先生は青ざめる。そして、校長室の隣の職員室に駆け込む。
校長「玄関を閉めろ!!」
この学校の玄関は自動ドアだった。職員はすぐに自動ドアを停止させた。しかし…
黒いフードを被った男性の1人がハンマーを持ってきて、玄関のガラスを叩き割った。
「バリーンッ!」
そして、黒いフードを被った男女は、銃を構え学校に侵入してきた。
女子生徒「きゃあー!!」
一階の限界前に居た生徒が、悲鳴を上げる。1人のフードを被った女性が、その生徒の口を塞ぎ、銃を頭に近づける。
フードを被った女「喋らないで。喋った途端、貴方の命はない」
女子生徒は、震えながら頷いた。黒いフードを被った女は、同じ黒いフードを被った男女についていく様に、2階へ上がって行った。その手には、ロープ。
黒いフードを被った男女「手を挙げろ!!騒ぐなぁ!!」
2階に居た生徒は、何が起こっているか分かっていなかった。
すると、1人の男子生徒が笑い出した。
男子生徒「ハハッ…手の凝った訓練d…」
そう言いかけた時、男子生徒の足元に銃弾が飛んできた。1人の黒いフードを被った男性の銃口が、そこに向いていた。
フードを被った男「訓練ではない。従わない奴は、全員殺す」
その時、刺股を持った先生たちが降りてきて、銃を持ったフードを被った男女に立ち向かう。しかし…
「バンッ」
生徒たちの目の前が、赤く染まる。目の前で、先生たちが銃殺される。
「バンッ」
「バンッ」
「バンッ」
生徒たちは、声も出なくなっていた……
すると、フードを被った男女の半分は、三階へ上がってゆく。残りの半分は、2階の生徒を一か所に集める。そして、銃口を向け、椅子に座らせる。
その後は、後から来たフードを被った女が持ってきたロープで、その生徒達を椅子に縛った。生徒達は、身動きが取れない。
その時、1人の黒いフードを被った男がスマホを取り出す。そして、電話をかけた。
「プルルルルッ」
校長先生の携帯が音を立てる。知らない番号に、校長先生はスルーしようと思った。しかし、ハッとする。
校長先生(まさか…このタイミングは!!)
校長先生は、慌てて電話に出る。
すると、知らない男の人の声が聞こえた。
知らない男「ビデオ通話にしろ」
ビデオ通話が開始される。そして、映し出されたのは…
校長先生「!?」
椅子に縛られて動けない生徒達と、拳銃を持った黒いフードを被った男女だった。
フードを被った男「こいつら全員人質だ。藤宮 昴を出せ。さもないと、こいつら全員殺す」
校長先生「なっ…」
ビデオ通話は切られた。その時、昴が職員室に飛び入ってきた。その顔は、青ざめている。
昴「黒いフードを被った男と女が…居る……」
昴は、昨日の出来事を思い出す。また、あんな目に…
校長先生「…昴君。こっちです。」
そして校長先生は、職員室の端の方に昴を連れてきた。そしてしゃがみ、壁を撫でる様に触る。そして、何かに気がついた様な表情に変わる。
校長先生「ここだ。」
その時、壁が扉の様に開いた。
昴「え!?」
その奥には、下へと続く階段があった。
校長先生「ここに逃げるんだ。君は」
校長は、その階段を指差す。
校長先生「降りたら、学校の外に繋がる出口がある。ここは、元々不審者が侵入した時用の避難通路だ。」
昴「外に逃げたら…」
校長先生「とにかく遠くへ。君を守る手段は、これしかない」
昴はそう言われ、その階段を降りて行った…
校長先生は、壁の扉を閉める。そして、電話をかけた。
校長先生「生徒は殺さないでくれ。…昴君を、引き渡す」
電話の相手は、黒いフードを被った男だった…
フードを被った男「よし。昴は何処だ」
校長「体育館裏に、非常出口があるんです。そこから、昴君は出てきます」
フードを被った男「嘘だったら、分かるよな?その場合、お前を殺す」
そして、電話は切れた…
その頃、昴は駆け足で階段を降りていた。
昴(逃げなきゃ…逃げなきゃ!!俺は不死身だ…死なない…でも、もう苦しいのは嫌だ…)
その時、昴は階段を踏み外し、数十段階段を転がり落ちた。頭を強く打ち、血が流れる。しかし、すぐに止まる。
昴(クソ…なんで俺は…不死身なんだよ…)
昴は起き上がらずに、涙を少し溢した。
昴「もう…死なせてくれよ……」
しばらく経ち、昴は立ち上がる。袖で涙を拭き、また階段を降り始めた。
昴(まず、意刄木と話そう。あいつは、偽物かも知れない…そうだ、あいつは偽物だ)
昴は、自分にそう言い聞かせる。
昴「俺は不死身…不死身…不死身…怖がるな……父さんと、姉ちゃんを見つけなきゃ。」
すると、黒い扉が見えた。昴は、その扉をゆっくり開いた。
「バンッ」
その瞬間に、昴の頭を銃弾が撃ち抜く。昴はそのまま倒れた。撃ったのは、意刄木だった。
数分前 校長室
校長室には、意刄木だけ。意刄木は必死に扉を開けようとするが、開かない。
意刄木「クソ!!」
意刄木はドアを蹴り、舌打ちをする。その時、さっき銃弾で割れたガラス窓が、目に入る。
意刄木「そうか…」
意刄木は、ガラス窓を開ける。そして、下を見る。そこには、木々が生い茂っていた。
意刄木「いい環境だ。」
意刄木はそのまま、ガラス窓から飛び降りた。そして、下の木に何度かわざとぶつかり、勢いを殺し、地面に着地した。それと同時に、電話がかかってくる。
意刄木「なんだ。…昴が体育館裏から?非常口か…了解」
そして、現在に至る。
意刄木「研究のためらしいよ。残念。」
意刄木の背後から、黒いフードを被った男が3人現れ、引きずりながら外に出した。
そして意刄木は、ポケットから注射器を取り出す。注射器には、透明な液体が入っていた。それを、昴の右手に刺す。そして、液体を注入した。
意刄木「よし、連れてけ」
校長室前
校長「…」
校長先生は、冷や汗をかきながら外を見ていた。
校長(まだかまだか……早く来てくれ…)
その時、校長先生の頭に銃が突きつけられる。校長先生は、ゆっくりと両手を挙げる。
銃を突きつけたのは、黒いフードを被った男
フードの男「昴は確保した」
その時、校長先生の顔色と、表情は変わる。とても、焦っていた。
校長(遅かったか…)
フードの男「お前、警察呼んだだろ」
そして、銃声が学校に響き渡った…
2階
警察官「大丈夫ですか!?」
警察官が、黒いフードを被った男女を拘束する。黒いフードを被った男女は抵抗するが、警察官は手錠をつける。そして、生徒たちの縄を解いた。
女子生徒「怖かったよぉ〜」
縄が解かれ、泣き叫ぶ生徒も多かった。生徒の被害は…昴だけだった。
体育館裏 パトカーが数台、止まっていた。
その中の一台に、昴は乗せられる。昴は目を覚さない。後部座席に横になった状態で乗せられる。
そして、黒いフードを被った男達は、フードを脱ぐ。そして、警察の被る帽子(警帽)を被った。
意刄木「今から連れてくぞ。あの方の居る所へ」
男達と意刄木はパトカーに乗る。そして、サイレンを鳴らしながら、学校の敷地を出ていった…
警察官も、買収されていた。
昴「…」
昴は、鉄の壁に覆われた部屋に倒れていた。まだ眠っている。その部屋には、1つの扉だけがあるだけで、窓も電気もない。
昴「っ…冷た……」
昴は、ゆっくりと目を開ける。しかし、暗い。扉がある事にも気が付かない。
現在 7月14日
その時、暗い部屋に光が差し込む。扉が開いたのだ。昴は、開いた扉の方に、視線を向ける。そこには、3人の男が立っている。真ん中の男は、意刄木だった。その手には、拳銃。
意刄木は銃口を昴に向けながら、ゆっくり近づく。昴は上手く立たず、地面を這いつくばりながら意刄木から距離を取ろうとする。
意刄木「逃げようとしても無駄だぞ〜?丸2日眠ってて、急に体が正常に動くわけないだろ」
意刄木は発砲し、昴の右横を弾丸が通り、地面にめり込む。
昴「てめぇ…俺が不死身って事…」
意刄木「知ってたよ。《《昔からね》》…だから仲良くしてたんじゃん」
意刄木はしゃがみ、一つの紙飛行機を昴に向けて投げる。昴は、それを握りつぶし、開く。
そこには、2人の男女の写真が貼ってあった。白衣を着ている、科学者のような…
意刄木「それ、俺の父ちゃんと母ちゃん。そろそろ分かる?」
昴は思い出す。津島が言っていた。
津島「ある研究チームが、貴方を欲しがってるのよ」
昴は、意刄木の方を見る。
昴「まさか…研究チームって…」
意刄木「俺の両親、お前が欲しいんだって。正確には、不死身の人間の細胞かな」
意刄木は立ち上がり、2人の男に何かを指示する。すると、2人の男は部屋から出ていった。
意刄木「昴、気にならないか?なんで自分が不死身か」
昴「それが一番気になってんだよ…」
昴は、ゆっくり立ち上がろうとする。しかし、途中で体勢を崩し、倒れる。
意刄木「致死量の麻酔を注入してある。君が撃った後に、暴れないようにね」
意刄木は、ポケットから何かを取り出した。それは、お汁粉缶だった。
昴「…まさか……」
意刄木は、不気味な笑みを浮かべた。
意刄木「そう、これだよ。七夕の日、お前に渡したお汁粉缶。これには、人を不死身にする薬が入ってた」
昴「……なんで………どういう事だよ!!おい!!!」
昴は立ち上がり、意刄木の胸ぐらを掴む。
昴「最初から全部説明しろ!!なんで俺なんだ!!なんでそんな薬がある!!!」
意刄木「君の母が、君を売ったから。実験用の人間として」
昴は、意刄木を殴ろうとする。しかし、意刄木は銃で昴の腹を撃ち、そのあった所を足で蹴り飛ばす。昴はそこを抑え、倒れる。
昴「あ”あ”あ”!!」
昴は倒れて、苦し涙を流す。
昴
意刄木「全部は俺も知らねえよ。事実は、お前が不死身という事。《《意刄木》》の両親が、お前を欲しがってるのよ事。」
その時、昴は違和感を覚える。
昴「意刄木の…両親??」
意刄木「あ…日本語って、むずいな…」
その時、さっきの男2人が、テレビとそのリモコンを持ってきた。それを、昴の目の前に置く。リモコンは、意刄木に手渡しする。
意刄木「君は、これを見てどう思う?」
テレビに、ある映像が流される。それは、葬式の映像。そして、前に飾ってある遺影は…
昴「…は???」
昴は、言葉を失った。
何故なら、意刄木の遺影だったからだ。
意刄木「これはライブ中継だ。」
昴は、ゆっくりと意刄木の方を見る。
昴「は??……はぁ????どういう事だよ…」
すると、意刄木は笑い出した。
意刄木「ぷっ…あーはっはっは!!!まじで気づかなかったのかぁ〜!?」
意刄木は腹を抱える。そして、昴の方を見た。
意刄木「意刄木は…お前が殺した」
その言葉を聞いた途端、昴は口元を抑える。
昴「っ……は??は???は????」
意刄木「俺は意刄木じゃない。本当の意刄木は、死んでる」
意刄木の葬儀場には、隠しカメラを服につけた1人の女。焼香をして、カメラには、棺に入った意刄木の顔を写す。
意刄木「お前の家に侵入したフードの男の1人…お前が歌舞伎町に逃げる途中で殺した男の1人が!!意刄木だぁーー!!!」
すると、昴はヘタッと床に座り込む。顔は、もう無に近い。その時、急に自分の頭を殴り出した。
昴「嘘だ…嘘だ…」
その時、人を殺したあの時の事を思い出す。
フードの男「まて!す…」
そう言っていた男が1人いた。その声は、意刄木と似ていた…
昴「嘘…だろ……俺が…」
意刄木と名乗っていた人物は、昴に近寄る。
デア「俺はデア。昴〜、これから、よろしくだ」
その時、昴は手の甲でデアの顔面を殴る。デアは殴られたところを抑え、昴を睨む。
デア「反抗するか。まあ、これから実験人生だからなぁ〜。今くらいいっか。」
デアは立ち上がり、2人の男はテレビを持って部屋から出ていく。デアはリモコンを部屋の外に投げ捨てる。
デア「さて、意刄木の両親から、色々実験して欲しいと頼まれてるだよね」
デアは、ポケットから黄色の液体が入った注射器を取り出す。
デア「これは、不死身の人間を殺せる薬の試作品だ。これを、お前に使えとの事だ」
デアは、昴に近づく。昴は、必死に遠ざかる。
昴「俺の細胞が、欲しいんじゃないのかよ!」
デア「実は、代わりが居るんだよね。まあ、試作品だから。」
デアは、指を鳴らす。その時、さっきの2人の男がダッシュで部屋に入ってきて、昴を取り押さえる。昴は抵抗するも、力が強くて逃げ出せない。
デアは、注射器をゆっくりと昴の腕に近づけていった…
「プスッ」
警察署
津島「そう。計画通りね」
檻に入っている津島は、ベットに横になりながら、看守とそう話していた。
看守「口座にお金はもう振り込まれてるそうです。津島様は、明日釈放する予定です」
津島「そう。嘘じゃないわよね。」
看守「もちろん。では、これで」
扉の閉まる音が、牢屋に響いた…
次回予告
看守「釈放です」
津島の釈放。その頃、昴の元では、事件が起こっていた。
?「オッケー。じゃ、プランB実行」
昴の居る研究施設に、3人の謎の男女が侵入してきた。その中の1人の手には、ライフル。
昴「おい…やめろ……」
そして、昴の目の前で……
「Exist」第3話へ続く…




