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子供の時は天才魔法使いと呼ばれ可愛いがられ、成長につれ無能になり蔑まれ、今は最凶魔法使いの弟子になり(歪ですが)溺愛されてます。  作者: ねこ


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第6話 文化

 食事を作るのは交代制にしてます。私もそれなりに作れます。てすが……


「はい、出来たよー」

「あ、はい!いただきます!」


 グレイス師匠の作る料理を毎回楽しみにしています。理由は簡単です。美味しいから!


「美味しいです!」

「ほんと美味しそうに食べるけどフレアの料理だって美味しいわよ?」


「そう言いますが、私は全く知らない味を味わってますからね!」


 このグレイスさんが作った空間内であれば想像した物が出てきます。野菜、お肉、お魚、調味料、卵に牛乳なども簡単に出てきてしまう為材料は困りません。そしてその出来た魔力をまだ摂取し、魔力を補うという形です。そんな状態なのでグレイスさんが作る料理は異世界の料理です。


「私は今まで口にした事がないものばかりです。特にお魚を生で食べるなんてした事ありませんでした。」


「そう言えばこの世界では魚を生では食べなかったわね?その前にこの国は内陸国だから魚自体希少だし……でも、これは冷凍して品質を管理しないとすぐ腐るから流行らないのも頷けるわ。」


 言ってる内容の一部はわかりましたが、あんまり理解は出来てません。ですが、美味しい物は美味しいので頂かせていただきます。あとですね……


「ご馳走様でした!」

「はい、どうも!」


 このいただきますとご馳走様という言葉も私は好きになってます。今までは何も言わずに食べてましたが命をいただいているのです。感謝をして手を合わせ、また最後に感謝をして手を合わせる。この感謝をするという文化は私は大好きです。


「本当にいろんな世界を巡って来たのですね。」

「そうね、ここへの転生で7度目かな?早ければ幼少期に死んじゃった事もあったし……」

「な、なぜそんな早くに……?」

「1つは戦争ね。争いの渦中に巻き込まれて子供だから何も分からずに逃げた先を砲撃されたり……ね。」

「魔法は使えなかったのですか?」


「そうね、今まで生きた世界で魔法がない世界は3つ、妖力っていう人ではない怪異が使う全く違う力を使う世界が1つ、ここ含めた残り3つが魔法のある世界。でも、魔法のある世界にも念じれば発動する物も有れば魔法陣っていうものを描いて発動させる物もあったわ。」


「そんな世界が……」


 様々な世界の異なる環境、異なる時間……世界観が広がります。


「行けるなら……行ってみたいですね。」

「流石に神様じゃないと無理ねー。」


 グレイスさんは軽く笑って遠い目をしました。今の気持ちなら少しわかります。きっとグレイスさんが救われなかった世界を助けにいきたいのだと……次の瞬間グレイスさんの手のひらがぽふっとわたしの頭の上に置かれました。


「当たってるけど、そーいう事でフレアが心を痛める必要はないわよ。」

「……はい……」


 嬉しい様な気恥ずかしい様な……でも嬉しい感情が波の様に私の心の中を揺らします。


「な〜にトロンってなった目してるのよ。可愛いから良いけど……」

「……すいません。」


「謝ってるのに全然直さないあたりよっぽど気持ちいいのね。しばらくしてあげるわ。」

「ありがとうございます。」


 この人は甘やかすのも上手なようです。


「魔法がない世界ではどんな暮らしだったのですか?」

「魔法のない世界か?あの世界では科学という物が発達してたよ。」


 今度は聞き慣れない言葉が出てきて私は興味を惹かれます。


「その科学とは?」

「口で説明するより実際にやってみようか!」


 グレイスさんは指を鳴らすと新たにテーブルとその他見たことのない物がズラリと並べられました。


「まずこのビーカーという物に水を入れる。」

「はい。」

「では、次にこの中に塩を入れてかき混ぜる。」

「料理をするのですか?」


 ゲンコツを1つ頭の上に落とされて説明が続きます。


「この水をこっちの薄い皿の様な容器に移す。」

「はい。」


「そしてここに火を点けるが……今回はこれを使う。」

「なんですか?これ?」

「ガスバーナーというやつだ。これを使うと魔法を使わずとも火を起こし続けてられる。」


 グレイスさんはささっと火を点けました。


「あの、これは下から魔力が出てるのですか?」

「あはは!やっぱりそう考えるわね。でも、これは魔法のない世界の物よ。つまり別な物ね。これはガスっていう目には見えない物と酸素が反応して熱を出してるのよ。」

「ガス?サンソ?」


 全く聞いたことのない言葉に理解が追いつきません。


「おっと、沸騰石を入れるの忘れてたわ!」


 そう言ってグレイスさんは白い小さな小石を3つ入れました。


「今の小石はなんですか!?」

「ん?あー沸騰石よ、急に沸騰しない様にする為の小石ね。」


 どうしてでしょう……すごくワクワクしてしまいます。


「めちゃくちゃ楽しそうね。子供の様な笑顔よ。」

「はい!楽しいです。」


 そうして見ていると次第に水がポコポコと泡が出てきました。


「今、ポコポコって!」

「沸騰してきたみたいね。魔法学校ではこんな事やらないから初めて見るんじゃない?」


 魔法学校では4属性火、水、風、土の性質しか習いません。そこから魔法にする為の適正検査をして各々が持った性質を深く学んでいきます。


「はい!初めて見ました!」

「ここの魔法学校は狭く深くしか教えないものね。ほらそろそろ出てくるわよ。」


 そう言われてお皿を見ると水が無くなってきてました。そしてお皿には白い結晶が残ってました。


「これは……まさか?」

「そう、さっき溶かした塩よ。」


 そう言いながらガスバーナーと言われる火を消した。


「まだ熱いから触らないでよ。」

「あの、どういう原理なのですか?」

「ん?あー、そっか初めて見るものね。説明してあげる。でも、その前にオヤツにしましょう!」


 どうやら甘いのが食べたかった様です。私も食べたかったので嬉しい限りです。もしかしたら私の心を読まれたのかも?

 ここまで読んで頂きありがとうございました!

次回更新もお楽しみ!

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