第4話 妹
私が去った4日後のキャロット家はというと……
「ま、待てコレア……話をさせろ……」
「待たないわよ!この醜いオス豚が!」
屋敷は半壊し、庭は火の海になっていました。
「コレア、な、何をそんなに怒る事があるの!?貴方がこの家の当主になるのですよ。何が不満なのですか!?」
母も頭から血を流しながらもコレアに説明を求めていました。
「分からないの?わからないわよね?あなた達みたいな無能には!」
そう言って火の魔法をムチの様に振り回します。
「私が怒ってる理由?そんなの決まってるじゃない!姉のフレアを追い出したからよ!!」
「なっ!」
その直後真っ赤な炎が屋敷中に広がって爆発を起こしました。そして瓦礫から這い出た父がコレアに言い返します。
「な、何故アイツが今出てくる?フレアはもう何も出来ん我が家のお荷物だ!キャロット家に必な……!!!!!」
しかし言葉の途中で口の中に小型のファイヤーボールをピンポイントで放り込まれ声にならない叫びをあげます。
「お姉様が無能?……バカな事言ってんじゃないわよ!私はお姉様に昔の天才に戻って貰うために留学していたというのに!お姉様には内緒にしておいたというのに!まさかあなた達が追い出すとは思いも知りませんでした!そしてお姉様は火の魔法は使えずともまだ他の魔法を使えたはず!なのに追い出すとは……本当に無能過ぎて情けない!」
そこへ何も言えない父に代わり母が言い返します。
「し、しかし、キャロット家は代々火の魔法を生業とする家系それが出来ないのなら追い出すのが……ヒッ!」
母はコレアの顔をみて言葉を失いました。
「アンタ達はいつもそう!家のため家のため……私たちの努力なんて見てない!お姉様が能力があるときはお姉様ばかり見て、お姉様の能力が無くなれば手のひら返しに私に擦り寄ってきた。言っとくけど私が才能を開花させられたのは家のおかげでも血筋でもましてやアンタたちのおかげでもない!お姉様が私につきっきりで教えてくれたからよ!それなのに……それなのに……」
コレアの目には涙を溜めて溢れ出していました。
「私が唯一アンタ達に感謝するとしたらあんな出来た姉を私にくれた事だけよ!」
「なっ!なんて親不孝な!」
「子供を不幸にしておいてどの口が言うのよ!?」
そう言うとこれまでとは比べ物にならない炎を手に灯したコレア……
「これは海外で聞いてお姉様の魔法が消えたヒントかもと思って習得した魔法よ。」
その手には青白い炎が灯っていました。
「まっ!待ちなさい!あなただってフレアを無視したりしてたじゃないの!それを棚に上げて……」
「はぁ?何言ってるの?」
「えっ?」
「お姉様をいじめて良いのは……私だけなのよー!」
青い炎は屋敷を全て飲み込み灰燼と化しました。実はコレアの才能が開花する前から私をめちゃくちゃにいじめていたのです。でも、それは私が許可していたのです。小さい身体で親からも教師からも見捨てられ、誰からも期待されてなかったあの子はストレスで他の子に暴力を振るっていました。それを止める為に私が代わりに貴女のサンドバッグになるから他の子に手を出さないでという約束をしたのです。そこからは徐々に私が魔法を教えました。そして上手く行かない時は私が代わりにいじめられていました。学校には行かずにただひたすらに私がゆっくり教えて飲み込みこそ遅かったもののしっかりと才能を開花させたのです。そして何もなくなったキャロット邸跡地に1人立っていたコレアはというと……にっこにこの満面の笑みでした。
「さてと……お姉様はどこにいるのかな?早く会いたいなぁー……会ってしっかりと私に黙って屋敷を出たお仕置きをしなくちゃね♡」
私はそんなこと露知らず、グレイスさんの話を聞いて勉強していました。
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