第11話 魔王
私とグレイスさんは紅茶を飲んでいました。
「久しぶりの休日ですね。」
「朝からご機嫌だな。フレアは……」
「久しぶりですから……2人で居るのは……」
わたしは少し頬を赤らめました。しかしそんな平和な時間はすぐに終わりを告げました。
ドーーン!
「な、何事ですか!?」
「へぇーここを見つけるなんてなかなかの魔法使いね……」
慌てる私とは裏腹にグレイスさんは優雅に紅茶を呑みつつ不適な笑みまで浮かべてました。
「な、何を言って……」
「ここへ来るには私が作った魔法陣を解かないといけないの。でも、解けないなら壊そうとしてるわけね。」
そういうとグレイスさんは着替え始めました。
「あ、あの……何を?」
「ん?あぁ、久しぶりに来訪者が来たから遊ぼうと思ってね。」
「ん?どう言う事ですか?」
「えっ?冒険者と遊ぶのよ?ここまで来てくれたんだから手合わせくらいの1つはしてあげないとね。それなら悪役にならないと盛り上がらないでしょ!」
そう言って何やら禍々しい衣装に着替えていくグレイスさん。
「あの……敵役とはいえ……それは流石に……」
「どうよ!魔王でしょ!」
頭からの角は恐らく魔力の塊によるものです。そして背中きらは紫の羽が生えていました。物凄く悪魔のそれです。
「さてと、じゃあ今回の役者はどんな人間かな……」
手の中から浮き上がった水晶を見ていたので私も見て見ます……するとそこにはなんと……
「えっ!コレア!?」
「フレアの妹だな……ならばもっと趣向を変えねばな!」
そう言って指を鳴らしたグレイスさん。その瞬間私は何やら綺麗なドレスに洋服が変わったのです。
「囚われの姉を助けに来た妹!果たして魔王グレイスに勝てるのか⁉︎なんてね!じゃあフィールドも変えないとね。」
再びグレイスさんが指を鳴らしました。すると今度は何やらお家がお城の様になっていき……外を見ると禍々しい空になっており、更に堀にはマグマが流れていました。
「あ、あのやり過ぎでは?」
「雰囲気は大事だからな!」
もう完全に遊んでます。コレアが勝てる確率は限りなく0です。ですが姉としてはこの方にどれほど食い下がれるかが気になりました。
「あ、あの……命までは取らないですよね?」
「するか!何のメリットもない!むしろ負けて学びこの世界の発展させなければ勿体無いではないか!」
やはりこの方は侮れませんね。
「さて、そろそろ来るぞ!」
そう言った瞬間空にヒビが入りました。そしてそこから懐かしい顔が見えました。
「コレア……」
「お姉様!ようやく見つけ出しましたわ!」
「ふはは!よくぞ来たな!お前の大切な人は私が貰ったぞ!」
演技が下手すぎる!もう少し何かなかったのかと思うほどに……
「あなたね!私のお姉様を盗んだのは!」
「大切だと?この娘は我が貰ったのだ!お前に返す義理はないわ!」
「じゃあ力ずくで返してもらうわ!」
なんだか話が大きくなってきましたが……命の取り合いにまではならないと思うので静観することにします。
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