第10話 修行開始
魔力を使う……でも、修行となれば少し変わります。私は楽な姿勢をとり座ります。
「ふぅ……」
息を大きく吐いて、大きく吸いました。これは魔力をゆっくり外に出してます。ただただ魔力を減らしていきます。すると……
「はぁはぁ……すぅー……はぁ……」
これは走ってるのと同じです。走る時は体力を削るのに対してこれは魔力に変えて削っていく修行です。そうすることで魔力量を増やせるのです。
「そろそろ行くけど……って修行中ね。行ってきます!」
グレイスさんの声は私に届いていませんでした。早く外に一緒に出られる様に私はただただ修行をします。
「まだ……足りません!」
私は光球を作っては消して、作っては消してを繰り返します。まだ連続で3回しか出来ません。これでは戦力にはなり得ません。足を引っ張るだけです。ですが、気絶してしまい私は外で寝てしまいます。起きる時はいつもグレイスさんがいます。つまり修行して気絶した後はただただ倒れてることになります。
「まだまだ……」
「はい、ストップ!」
立ち上がり修行を続けようとする私をグレイスさんは止めました。
「食事くらい一緒にしよ?」
「ですが……ヒッ!」
「しましょう?」
これは……叩かれるより怖かったです。表情からこれを断ればとんでもないことが起こると肌で感じてしまうほどに……
「は、はい……」
「ほれ!食べな!」
「いただきます……」
今夜はビーフシチューと食パンでした。そして私は一口食べて普段と味が少し違う事に気がつきました。
「気づいた?」
「はい、何か……ふわふわした様な……ですが、落ち着く様な……そんな感じです。」
「今フレアは魔力が極端に少ない状態だから私の魔力を少し混ぜたの。」
「そんな事可能なんですか?」
「相性があるんだけどね、上手くいって良かったわ。」
そう言ってグレイスさんは食事を摂り始めました。
「1人は……寂しいです。」
私がポツリと出た言葉にグレイスさんは少し目を細めます。
「明日は一緒に来る?」
私は首を横に振ります。
「いいえ、今はまだ足手纏いになります。それで早く強くならないとと焦ってます。」
「なんで急ぐ必要があるの?」
「一緒に居たいからです。」
不意に口から出た言葉は私からしても驚きでした。
「ふーん……寂しいからなら誰かとでも良いと思うんだけどなぁー……帰って来なけれは連れ戻すだけだし。」
「……そうですね……でも、なぜでしょう?鍵もあるのになぜかここでグレイスさんを待って居たいのです。」
その言葉にグレイスさんは少し照れていました。
「この天然たらしめ!まぁいいわ。私は今からまた行ってくるから夜は寝なさいよ!」
「えっ?行っちゃうんですか?」
「いい子に寝てなさい。夜は特にね……」
この言い方だと、夜は何やら危ないのかもしれません。私は素直に頷く事にしました。そして夜遅くにグレイスさんは帰ってきました。
「はい……何故か眠れなくて……」
「全く……まぁ家の外に出てないのなら良かったわ。ほら帰ってきたから早く寝なさい。」
私は頷き返事をしました。そして何故かその後はすんなりと眠ってしまい。朝まで起きませんでした。
その頃……コレアはというと……
「ここで魔力が消えてるわね……攫われた?」
私がグレイスさんと出会った場所に来ていました。
「……有り得ませんね。確かに火魔法は使えませんが防御魔法は一級品。そんじょそこらの荒くれに破られる前に警備や警官隊が来るはず……」
そこでしばらくコレアが考えます。そしてバッグからアイテムを取り出します。
「確か……ここに……よし!あった!でここを調節して……うん!見えるわね。」
コレアが取り出したのはルーペでした。しかしそれは魔力の微かな流れを見る物です。
「市販のなら使い物にならないけど……これは1年前の残留までも見れる様に改造したんだけど……あったあった!フレアお姉様の魔力残留!なるほどー空へ逃げたのかー……全く世話の掛かるお姉様ね!やっぱり私がしっかり監視しておかないと!」
そう言ってコレアも空へと飛び私の後を追っていました。
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