15 ファンタジー創作
エンコースターを10分ほど堪能したところで創作エリアとやらに着いた。
まだ薄暗いが、この島は植物や土までが淡く発光しているようで明かりが無くても困らない。
「うおおお」
創作エリアは遠目からも見えていたが近くで見るとより迫力が増す。
「すご……きれい……!」
そこは光を内包しているような、レインボーな岩がいたる所にあるエリアだった。
じっくり見ると色の違う石が集まり虹色の大きな岩になっているようで、それぞれが宝石の原石に見える。
ナナの甲羅とそっくり。虹色鉱石と名付けよう。勝手に。
「これって採掘とかしていいの? そんなスキルないけど」
近くにあった虹色鉱石をぺたぺた触りながらナナに確認する。
とにかく神秘的できらびやかな石なので高く売れそうなのだ。
序盤のお金稼ぎになりそう。
「コフッ」
「私が良ければいいの?」
「ぴちゅ」
「えっキイロがどかんとやるの?」
「フォーン」
「う、うん」
マッチャから離れるように言われたので、虹色鉱石から距離を置く。
「ぴー!」
「え!?」
キイロが羽をバササッを動かしたと思った次の瞬間、岩が細切れになっていた。
岩が細切れ……!?
「キュッ」
「あ、ありがと……」
唖然としていると、ロイヤルが欠片をくわえて持って来てくれた。
他のみんなも欠片をせっせと集めてくれている。
何なのみんな何でそんな平然としてるの……?
かたそうな岩が細切れなのに……。
昨日みんなの能力を少し見せてもらったが底が知れない。
こんな威力も出せるんだ……。
みんなほんとに何者?
それにこんなエリアがある“始まりの島”って――
「フォーン」
あれこれ頭の中で考えていると、マッチャが両手いっぱいに虹色鉱石の欠片を持ってきてくれた。
お礼を言ってアイテムボックスにどんどん収納していく。
アイテム名はやっぱり『???』のままだ。
「みんなありがとね、これで美味しいものでも買って一緒に食べよ。いつになるかわかんないけど。あっ高く売れたら家具とか買って家のインテリアに力を入れたりしてさあ――」
この島がどうだろうがみんなが何者だろうがそんなのはもういいや。
それによって私が大変な目に遭ってる訳でもないし。これからチュートリアル地獄ダンジョンで遭うかもしれないけど。
あれこれ考えるのが面倒になったとも言う。
「よし、じゃあナナに創作能力見せてもらおうかな?」
「コフッ」
そうナナにお願いすると、ナナからレインボーな光があふれ出てきた。
でた、とりあえず光っちゃう感じのやつ。
もはやラブピ名物。
光はナナを中心とした円状に広がりそのまま地面にすっと消え、その後ナナの前方の地面が盛り上がってきた。
「んん~?」
盛り上がった土の中から出てきたのは、虹色鉱石でできた三角形の矢じりに似た何か。
「コフッ」
「え? 槍の先のやつ?」
「クー」
「え、え、こう?」
よく理解していないまま、エンに言われた通りに槍代わりの木の枝の先端にナナが作ってくれた三角形の虹色鉱石をはめ込み渡す。
すごい、ぴったりはまった。
そして虹色鉱石部分にエンが口から白い光のようなものを吐き出し、ロイヤルが水をばしゃりとかける。
何やってんだろ?
「フォーン」
ダクスを抱っこしながらその光景を見ていると、マッチャが「できた」と木の枝槍を手渡してくれた。
どうやら虹色鉱石と木の枝を組み合わせてちゃんとした槍を作ってくれたらしい。
もうすごいとしか。語彙力が欲しい。
「ありがと~! かっこいい! レインボー!」
みんながかっこいいと褒めてくれるので調子に乗って槍でポーズをいろいろ決める。
スクショの嵐。
プリントアウトして部屋に貼りたい。
チカチカさんがチュートリアル後に何かしら装備品を用意してくれるとは思うが、武器はしばらくこれでいこう。
なんたってかっこいい。持ち手の木の枝の武骨さが逆に強い武器感を出している。
ステータスが確認できないので攻撃力がどのくらいアップしているかはわからないけどかっこいい。
「キャン!」
槍を扇風機の様に回して飛んでくる矢を払い落とすプレイを楽しんでいると――全然回せずロイヤルの優しい水の塊が体にばんばん当たった――、ダクスが自分もとおねだりしてきた。
「ダクスの武器かあ~」
この愛くるしい4本足の生き物に相応しい武器ねえ。
「ん~とりあえず体当たりしたいならヘルメットみたいなの?」
犬の武装化なんて考えた事ないしよくわからん。
しかも素材は鉱石だし。
「キャン!」
「はいはい。じゃあナナ、ダクスにヘルメットみたいなのお願いできる?」
「コフッ」
「キャキャキャン!」
興奮してみんなに体当たりしまくっているダクスを横目にナナの作業を見守る。
マッチャとエンはわかるが、キイロとロイヤルがダクスに体当たりされてびくともしていないのはダクスのスペックによるものなのか木の精霊のスペックによるものなのか……。
きっと両方だろう。
そして盛り上がった土の中から出てきたのは、とげとげしい謎の物体だった。




