12 精霊を求めて~完~
6人目のお仲間が登場。
みんな自然に会話に加わってくるこの感じ……木の精霊たちはコミュニケーション能力が高いのかもしれない。
6人目のお仲間は、4本の足がネコ科の肉食動物のような、大きなリクガメさん。
しかも甲羅がレインボーな鉱石みたい。心の友の魂の素材によく似ている。
ファンタジーって素晴らしい。
「はじめまして。すごいね~。甲羅綺麗だね!」
「コフッ」
「うん。レインボー関係の名前をつけたいから……虹色で……7色だから【ナナ】!」
紋様は私の左腕、ロイヤルの紋様の下部分に刻まれた。
左右対称じゃなくなって少しすっきりしないが、ナナ自身の紋様はみんなと違って甲羅に刻まれたのでそういうものなんだろう。
「ぴちゅ」
「帰るの?」
「キュッ」
「終わったの?」
木の精霊に会いに行くツアーがあっさり終わってしまった。
ここまで家を出てから1時間も経ってないし、ドラマみたいに来週へ続く引きも盛り上がりもなく終わってしまった。
打ち切りが決まった作品のような流れ。やめて、私まだ何も成せてない。
なので食べられるものを探して寄り道して帰る事にした。
キイロに餌付けしてもらったけど自分でも食べられるものをアイテムボックスにストックしておきたい。
このゲームは空腹の概念があるので、食べないと動けなくなる。
飢えてゲームオーバーは嫌だ。
「クー」
「乗っていいの? ありがと!」
確かにエンは馬の要素もあるからね。
すごい。早々に移動手段を手に入れてしまった。
「うわー! わはは!」
マッチャにエンの背中に乗せてもらい――オランウータンに似ているだけあって器用――出発したが、びゅんびゅん森の中を駆けるエン。
ジェットコースターみたいで楽しい。
マッチャに木の蔓でエンの体にダクスと一緒にぐるぐる縛ってもらったので落ちる心配もない。
エンの角を持って方向の指示を出すだけでいい。
精霊にこんな事して失礼かなと思ったが、その精霊が全員ノリノリだったので気にしない事にした。
ハイヨー!
適当に走り回ってもらい、食べられる実が生っている場所に到着。
それにしてもマッチャもだけどナナめちゃくちゃ足速い。見た目カメなのに。
甲羅の上に乗った状態のロイヤルも落ちなかったのすごい。というか精霊すごい。
「いーよー!」
するすると木に登ったマッチャに果実を落としてもらい、それをなんとかキャッチする。
ちょ、ダクスは離れたとこでぐるぐるしてて。
キイロにもらったメロン味のやつは多めに落としてもらう。
アイテムボックスに入れて説明を確認するもこちらも『???』のまま。
でもサムネイルのおかげでアイテムの区別がつくのはありがたい。
が、移動の際アイテムボックスにしまっていた折れた木の枝の表示も『???』になっていた。
その辺はゆるく『木の枝』でいいのに。
「あ、ねえこれって槍になりそうじゃない?」
木の枝を取り出しながら思いついた。
長さも太さも扱いやすそうだ。これまでの人生で槍を持った事なんて無いけど。
「ロイヤル、水の塊いくつか負担にならない程度に出してもらっていい? こっちにゆっくり向かってくるように。ゆっくりね」
味方の魔法でやられそうなHP具合だし。
とそこで、木の精霊ポジションのみんなのステータスはどうなってるのか疑問に思ったが、自分とダクスのステータスしか確認できなかった。
実際のところみんなの立ち位置ってどうなってるんだろ……?
紋様まで刻まれてるのに私のステータス画面にはみんなの名前の表記なんかは一切ないし。
「キュッ」
「あ、ごめんごめん。よしこい!」
つい考え込んでしまったので、気を取り直して槍を適当に構える。
よみがえれ、映画の戦闘シーンの記憶!
すると5個の水の塊がロイヤルの頭上に出現し、ゆっくりこちらに向かってきた。
「やあ!」
掛け声だけはいっちょまえに超スローな動きの水の塊を槍で全部突く。
「キャン!」
「ふふん」
ダクスに褒められた。嬉しい。
というか木の精霊みんなに褒めてもらった。
褒めて伸ばす教育方針なのかもしれない。どんどん褒められるぞ。
「ロイヤル、次はもう少し速めで緩急をつけてお願いします。でも私のHPが0にならない程度に!」
謎ポーションがあるから0にならなければ大丈夫だ。
「そうだ! ついでだから防御に使えそうな創造魔法も生みだしちゃおう」
ようやくそれらしくなってきた。
私の冒険はこれからだ!




