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どうしようかと考えていると、不意に背後の扉が開いて、誰か入って来た。
驚いて振り返ったとき、手で持っていた防音扉を離してしまった。
しまった!
バタンと音を立てて扉が閉じる。音はそれほど大きくないが、静かなこの場所。中の二人にも気づかれてしまっただろう。
入って来たのは、太った男だった。顔に細い、吊り上った形状のサングラスをかけている。スーパーの買い物袋を提げていた。
ここに人がいるのは、向こうからしても意外だったらしく、サングラスをずらしてアキラの顔を確認する。もう一度サングラスを戻して首を傾げ、ようやく納得した様子で、
「誰だ、てめぇ?!」
「遅せぇよ!」
既に間合いは詰まっている。買い物袋を持っている右側から、掌底を使って斜めに顎を跳ね上げた。サングラスが宙を舞う。
脳震盪を起こした男は、膝がカクンと折れて地面に崩れた。
しばらく目を覚まさないように頭を踏んでおこうと足を上げたとき、
「動くな」。背後から声がした。
アキラは舌打ちして、向こうを向いたまま、両手を広げて顎の高さに上げた。
「ゆっくりと、こっちを向くんだ」
言われた通りにする。傷の男が持つ拳銃が、こちらを向いていた。ニューナンブだ。馬鹿の一つ覚えみたいに、よく見る銃だ。逆に、こちらの世界の者だとしたら、警察官以外では、まず持っていない銃だ。
「ん?」と、傷の男が眉を寄せた。「こいつ、見たことあるぞ。そうだ。リュウザキのシンヤの腕を叩き折った奴じゃないか?」
「そりゃあ、向こう側での話だろ?こっち側の奴は関係ないだろ」。坊主頭が言った。
「ああ。だが、こんな偶然ってあるか?それに、着ている物まで一緒だ。オレンジ色のダウンジャケット。こちらの方が、だいぶ上等だけどな」
「そういえば、アジトに乗り込んで来て、ボスの目を吹っ飛ばした奴も、オレンジ色のダウンだったてな。まさか、同一人物か?」
『向こう側』、『こっち側』、『リュウザキの奴の腕を折った』…。間違いない。こいつら、向こうの世界のワスプだ。しかも、二つの世界の存在を知っている。おそらくは、それらを行き来する方法も!
「そういうお前の傷は、スーコのバールでやられたんだろ?前より男前になったじゃないか」
「誰が喋れと言った!」。傷の男が吠えた。
「おいおい、嘘だろ。マジに向こう側の奴かよ。どうやって、こっちに来たんだ?」。坊主頭が、驚いて言った。




