第39話:王様のお話
「皆の者、起立したまえ」
「「はっ!」」
パンケーキを食べた瞬間、王様と衛兵の皆さんが立ち上がった。
な、なに!?
突然の事態に緊迫する食堂。
混乱する私たちを置き去りにして、王様たちは厳かに口を開いた。
「「……わ~れらがフリーデンは~世界一~。ど~の国より栄えてる~。今日~も一日頑張るぞ~……」」
みなさんは祈るように歌われる。
この国に住んでいる人なら知らない人はいない歌。
こ、これは……国歌!
フリーデン王国の国歌だ!
「「……あああ~フリーデ~ン……!」」
国歌斉唱が終わり、私たち(ロールちゃん&ネッちゃん)はパチパチパチ! と拍手した。
キャンデさんはそっぽを向きながら、足で拍手していた。
みんなを代表してお礼を言う。
「王様、衛兵の皆さん。素晴らしい歌をありがとうございます」
「いやいや、お礼を言うのはこちらの方じゃよ。思わず神聖な国家を歌ってしまうくらい、お主の料理はうまかったのじゃ」
王様は嬉しそうな笑顔で語る。
「こんなにふんわりとしたパンケーキは初めてじゃ。まさしく、このようなパンケーキを食べたかった。どうやって作ったのじゃ?」
「ありがとうございます、王様。そちらは、<デビルエッグ>から作ったメレンゲで焼いております」
「なんと! あの猛毒の<デビルエッグ>かの!」
「毒消ししてあるので安心してください」
“カフェ・アンチドート”がどんなお店かは知っているはずだけど、改めて言われると王様たちは驚愕していた。
「お主は“毒の申し子”じゃな」
「あ、ありがとうございます」
やはり“毒の申し子”……。
王様にまで言われるなんて、正当な評価なのだろうか。
受け入れないといけないと思いつつ、解せぬ自分がいた。
「このベリーたちもおいしいのぉ。ほどよく甘くて酸っぱいのが絶妙じゃ。こんな食べ物があるんじゃの」
「近くの森に、新鮮なベリーがたくさんあるんです。私はただ採取しただけですけど」
「何を言っておる。食材の選択も料理人の大事な素質じゃよ」
全然大したことじゃないのに、王様は褒めてくださった。
うん、感謝の言葉は素直に受け取ろう。
「さて、忘れる前にお礼を支払っておこう」
「いや、しかし……」
王様にお金をもらうのは何だか悪いな。
この国で一番偉いわけだしね。
「なにケジメじゃよ、ケジメ。あれを持ってきてくれ」
「「はっ! ……陛下、こちらでございます」」
衛兵さんが一枚の紙を王様に渡す。
こ、今度はなんだ?
いつもいつも貴重品をいただいてしまうので、身構えるようになってしまった。
でも、今回は大丈夫か。
だってただの紙だし。
ダイヤや魔石の類じゃなくて良かった。
……ん? ……紙?
「これは小切手じゃ。どれ、これくらいで足りるかの?」
「いやっ! さすがに多すぎます!」
大慌てでお断りする。
チラッと見えたけど、やたらとたくさん0が書いてあったのだ。
「じゃがのぉ……」
「正規の値段でいいので……」
「ありがとうございます! いただきます!」
わかってはいたけど、ロールちゃんにすごい勢いで回収された。
「はわわ……」
ロールちゃんのはわはわが始まる。
何はともあれよかった。
王様も兵士の皆さんも、興奮した様子で料理のおいしさを語る。
それを見て、私はようやく安堵できた気がする。
無事、王様にも喜んでいただくことができた。
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