↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化決定!】外れスキル《毒消し》で世界一の料理を作ります!~追放令嬢の辺境カフェは今日も大人気~  作者: 青空あかな


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/40

第36話:お義姉様……(Side:ワガマリア⑥)

「これからお前たちの処遇を決める」

「「ぐっ……」」


 あたくしたちは、縄で後ろ手に縛られていた。

 そのせいで身動きがまったくとれない。

 ここは裁きの間。

 罪を犯した人間を裁く場所だ。

 目の前には大きな椅子が半円を描くように並び、国の大臣たちが座っていた。

 左右の壁には何人もの衛兵。

 王様はいない。

 完治したけど大事をとって休養しているとのことだ。

 真ん中の大臣が口を開く。


「ワガマリア・サンデイズ、サンデイズ男爵及び男爵夫人。お前たちは国王陛下の殺人未遂罪に問われている。無論、猛毒の<ポイズンフグ>を必要な下準備もなく食べさせたからだ」


 怒りで取り乱すこともなく、淡々と告げる。

 不気味な落ち着きが逆に恐ろしく、あたくしたちは反論することさえできなかった。

 そんなあたくしたちを置き去りに、大臣は少しも表情を変えずに言葉を続ける。


「レベッカ嬢のおかげで王様は一命を取り留められた。健康状態にも問題はなく、回復傾向にある。あと数日も経てば公務に復帰できるだろう」


 王様が健康だと正式に言われ、ホッと胸を撫でおろす。

 あと一歩で人殺しの汚名を被るところだった。

 今回ばかりはお義姉様も役に立ったわね。


「未だかつて、我が国で死刑はない。本来なら、お前たちは処刑されてもおかしくない。だが、王様はレベッカ嬢に免じて命だけは見逃してくださるとのこと。陛下の器の広さに感謝しろ」


 さらに大臣からありがたい言葉が。

 どうやら、命だけは救われたらしい。

 死の恐怖から逃れられて、あたくしたちは一段と安心した。

 てっきり死刑になるのかと思っていたのだ。

 ここ最近は生きた心地がしていなかったけど、ようやく夜眠れるようになりそうだ。

 そう、安心していたけど、次に告げられた言葉はかつてないほどの衝撃をあたくしたちに与えた。


「お前たちは……終身刑に処す!」


 言い終わったとたん、静寂が訪れた。

 終身刑……。

 頭と心に刻み込まれるような単語だ。

 お母様やお義父様は、口を動かすだけで何も言えなかった。

 このままでは決定してしまう。

 少しでも反抗の意思を見せないと。

 反論しようとするも、声が震えてろくに話せない。


「ま、待って……それはあんまりで……」

「会議の結果、お前たちの処遇は終身刑と決まった。死ぬまで地下牢で過ごすがいい」


 大臣たちはさっさと席を立った。

 同時に、周囲に控えていた衛兵があたくしたちを引っぱりあげる。

 連れて行かれる先は、ぽっかりと開いた階段。

 地下へ向かう階段だ。

 黒い影が差し込み、まるで得体の知れない怪物みたいな恐ろしい雰囲気だった。

 ぞわぞわっと背筋が恐怖に襲われ、震えながら叫び声を上げた。


「お、お待ちください! 今一度考え直しを! 終身刑はおやめください!」


 お母様とお義父様も、あたくしと同じように声を張り上げる。


「ま、待って! お金をあげるから牢屋には連れて行かないで!」

「そ、そうだ、そうだ! サンデイズ家の資産を全てやるから見逃してくれ!」


 衛兵たちはピタリと立ち止まる。

 よかった……考え直してくれたのね。


「金なんか要らねえよ! お前らみたいな大罪人を見逃すわけないだろが!」

「王様を殺そうとした人間だぞ! 一生牢獄で暮らすんだよ!」

「せいぜい死ぬまで自分の行いを反省することだな! 命があっただけ感謝しろ!」


 見逃してくれるはずもなく、あたくしたちは引きずられる。

 彼らに連行されてきたのは、暗い地下牢獄。

 ここだけ湿度が高いのか、気持ち悪い空気がじっとりと肌にまとわりつく。

 いくつかの牢からは、年老いた老人があたくしたちを檻の中からぼーっと眺めていた。

 自分たちの未来が想像され、思わずゾッとする。


「「さあ、ささっと入れ! ここがお前たちの家だ!」」

「「うぁっ!」」


 ドカッと押され、あたくしたちは牢獄に転がりこんだ。

 命は助かった。

 でも、一生涯牢屋から出られないなんて、そんなの死んだも同然だ。

 この先何年も何十年もここで暮らす……。

 考えただけで意識を失いそうになる。


「ワ、ワガマリア、なんとかしなさい……。一番若いんだから……」

「そ、そうだ、そうだ。お前がどうにかするんだ……。私たちよりずっと若いんだから……」


 二人の声など耳に入らない。

 あたくしの頭も心も胸も、ある思いでいっぱいだったからだ。

 一人の黒髪の女性に対する気持ち。

 いつもおいしい食事を安く作って、サンデイズ家の家計を助けてくれた。

 あたくしの義姉、レベッカ・サンデイズ。

 彼女を家から追い出してから、全てがおかしくなった。

 そう自覚した瞬間、後悔の念が怒涛の如く押し寄せてくる。


 ――お義姉様を追放したりしなければ、こんなことにはならなかったのに……。あたくしはなんて愚かなことを……。


 後悔に後悔を重ねる。

 お義姉様の追放に反対すればよかった……もっと食堂を手伝えばよかった……。

 しかし、いくら悔やんでも過去は変えられなかった。

お忙しい中読んでいただき本当にありがとうございます


【読者の皆様へ、青空あかなからのお願いでございます】


少しでも面白いと思っていただけたら、ぜひ評価とブックマークをお願いします!

評価は下にある【☆☆☆☆☆】をタップするだけでできます。

★は最大で5つまで、10ポイントまで応援いただけます!

ブックマークもポチッと押せば超簡単にできます。


どうぞ応援よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
i000000
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。