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地獄で生きたければ。  作者: どら焼き戦線バルハザーク
大人編・南

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追いつかない入力

 「えー⋯⋯」


 朝。

 僕は昨日の夜話したことを思い出している。


 「これ凄いよなぁ」


 商人さんから貰ったこの、"手帳"と"ペェン"というらしい。


 貴重な紙をふんだんにまとめていて、用途としては忘れない為に使うらしい。


 ──僕達ではそんなこと思いついても出来ない。


 「確か⋯⋯」


 西では子供たちを貰うという施設がある。


 施設というのは特定の目的を持った場所のことだ。


 「後は結婚か」


 結婚。

 男と女がするもので、生涯をこの人といるということを決める?というもの。


 男と女で差はないが、この西ではお金⋯⋯つまり僕達の中で言う、食べ物を多く持ってこれるような状態でなければならない。


 お互いにあれば尚いいが、商人さんの話だとそれはそれで何か問題があるらしい事を言っていた。


 「この問題と後は核となる部分かな」


 結婚もそうだが、かなり僕達に寄せると、男と女に差はないと言ったはいいものの、実際はかなりある。


 男の方が夜を抜いたところで言うと筋力がある故、力の均衡が崩れている。


 しかしながら西では男と女の天秤はかなり南と比べると易。


 縛ることはないものの、近い事はあるようだ。


 「と、後は」


 お金について。

 硬貨とお札と呼ばれる貨幣を使う。

 

 数字⋯⋯(忘れた)を使って、数え方も色々あった。


 1ヒンから10000ヒンまであって、これを何個あるかでお金の数を数えるようだ。


 「えーあとはあとは⋯⋯」


 その後も書き続けていると。

 コンコン、と扉から音が鳴る。


 「あらベリオさん」


 扉が入ってきたのは、商人さんの妻と呼ばれるレオナさん。


 「あ、おはようございます」


 「おはようございます」


 「ご飯の方出来ましたから、どうぞこちらへ」


 丁寧で優しい。

 素晴らしい人だ。


 「ありがとうございます」






 「ほう?

 早速手帳を使っているのですな」


 「そうなんです!」


 「南からやってきてまだ一日目なのにもかかわらず、凄まじい適応能力だ」


 「これはなんですか?」


 目についた新しいものを指差して聞いてみる。


 「フォークだ。

 ⋯⋯あ、こっちはスプーンで、こう使う」


 お皿にある飲み物をスプーンというものを使って飲んでいる。

 

 「本当に初めて見るのですね」


 妻のレオナさんが珍しそうに僕を見ている。


 「は、はい!」


 「それにしても⋯⋯」


 横に来ては、レオナさんが僕を見下ろしている。


 どうやら身体を見ているようで。


 「大きいですわね」


 「レオナ」


 「ふふっ、あらごめんなさい⋯⋯アナタ」


 どうやら商人さんには何かあったみたい。

 

 「南の人をこの眼で見るのは初めてですけれど」


 「あ、そうなんですね!」


 あ、あれ?

 レオナさんの目が。


 「コレは女がお金を払う理由が分かりますわね」


 払う理由?


 「何がですか?」


 「南の人たちはみんな綺麗なんですよ、西や北、東人よりも」


 「綺麗⋯⋯?」



 ーーハッハハハッ!! 

 てめぇの鼻の穴に剣ぶっ刺してやろうかァ!?


 ーーほら食べろ、食べろぉ!


 

 「⋯⋯何か違う事を思い浮かべているようですが」


 「へっ?

 あ、違うんですね!?」


 「お顔ですわ」


 「顔?」


 そうだ。

 近くにある鏡という教えて貰った道具の前に立つ。


 「その⋯⋯僕ってレオナさんから見て綺麗なんですか?」


 「夫がいる前では言い辛いのですが」


 頷いている。

 ⋯⋯そうなんだ。


 「じゃあデンデラとか見たら泣いちゃうのかな」


 「はい?」


 デンデラって僕達の中での人気が凄まじかったからなぁ。


 「あっ、こっちの話です!」


 「それに身体も⋯⋯」


 「あ、確かにこっちの人は凄く小さいですね」


 「ベリオさん、一応ですが、西で小さいは"死ね"などの言葉よりもかなり攻撃的な言葉になりますから気をつけてください」


 あ、そうなのか。


 「すみません」


 「私達の前では構わないんですが、やはりどうしても外では気をつけてもらわないと」


 んー僕って大きいのかぁ。


 「ねぇベリオさん」


 「はい?」


 「美容院行きましょ!」


 「美容院?」


 「あとは学校も!」


 「⋯⋯学校?」


 「服も買いにいきましょう!」


 「買いに?」


 え?なになに?

 頭が追いつかないんだけど!?


 「レオナ」


 強い口調で言う商人さん。

 けれどレオナさんは僕の手を握って逆に攻撃。


 「そんなだらしない体をしてっ!」


 「うっ⋯⋯!」


 「娘もベリオさんを見たら一目惚れしちゃうと思いますの!」


 「娘?」


 「あっ、そうでした。

 昨日の晩でまだ⋯⋯。


 というのも娘というのは⋯⋯」


 「ママー、おは──」


 あっちの小さな部屋から出てきた一人の少女。

 僕を見て何か固まっている。


 「っ、ぁっ、あっ、」


 何か口がモゴモゴしてる。

 どうしたんだろう?




































 「ママ!! 

 何このイケメン!!!!」

 

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