表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地獄で生きたければ。  作者: どら焼き戦線バルハザーク
大人編・南

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

123/126

曖昧な決着

 僕は叫ぶ。


 「グラン!!!!」


 「おう!」


 急いでグランが扉を蹴破って外を確認しに行く。


 なに?何がどうなって!?


 「まー⋯⋯⋯⋯く?」


 床には、この南でよく見る光景。

 水溜りのように散る⋯⋯血溜まり。


 しかし彼女にとっては違う。


 「マーク!!!」


 「落ち着いて」


 「マークが!」


 何?なんの攻撃だ?

 何が起こってる?


 あんな⋯⋯瞬きしてもいない間に!


 「エオ!!」


 大勢で入って来たのは待機していた他の仲間。

 その先頭には。


 「ニバ!」


 「そ、その子は?」


 「ここの頭だった人が残したどうやら僕達にとっては大事な子供らしい」


 ⋯⋯それよりも。


 「グランは?」


 「キレたまま走り回ってる」


 「アレはなんだ?」


 そんな時、僕は先生の言葉が浮かぶ。



 ーー銃という夜がある。



 「──銃、これが?」


 だとしたらこんなの⋯⋯分かっててもどうしようもないじゃないか。


 当たったら終わりじゃないか。


 「みんな、とりあえずこの辺りに人がいないか確認をお願い!」


 「「「「「わかった!」」」」」



 ──そして数分後。



 「いない!」


 「やっぱり⋯⋯」


 遠くから狙える夜。

 でも、今まで一人もそんな人は見たこともなかった。


 「ありがとう、みんな」


 そして、今の現状をどうにかする手段がある。


 「裏庭に水問題を解決する草が置いてあるみたい」


 「本当?」


 頷く。


 「ハハッ!行ってくる」


 ニバが裏庭に行ってる間。


 「⋯⋯⋯⋯」


 静かに泣きながらマークさんの肉塊から離れようとしないレイネシアを、僕は見下ろしている。



 ーーお前たちからすれば、お嬢様は切り札になり得る。



 アレはどういう意味だったんだろう?

 ⋯⋯どういう意図で伝えようとしていたんだろう?


 契約があるから言えない。

 つまり僕達に何かを伝える為にあえて言い方を濁して遠回しに言ってくれたはずだ。


 ──何かある、必ず。


 「マーク⋯⋯」


 それよりもこの子⋯⋯"小さい"なぁ。

 なんでこんなに小さいんだろう?


 でも、今そういう事を聞ける雰囲気でもないもんなぁ。


 とにかく、今は西に関する手掛かりを何とか見つけられたから良しとするしかない。


 被害は決して消えないけど。


 それに、今回マークさんが殺された事で、マークさんの話が"本当"だということにもなる。


 ⋯⋯余計に。


 「エオ!あったよ!」


 頭の中で思い描いていると、ニバが帰ってくる。


 「他に草はなかったの?」


 「うん!

 これしかなかったよ!」


 「なら、早速やってみようか」






 

 「とりあえず普通の使い方で混ぜてみよう」


 湧き水の場所で、ひたすらすり潰して本で習ったように進めていく。


 「よし、入れてみよう」


 20人ほどで囲み、慎重に入れて行く。


 「これで⋯⋯いいのか?」


 「らしいよ」


 これで悪化することはないと思うんだけど。


 「どれくらいで元になるんだ?」


 「分かんない。

 でもしばらく時間は必要なんじゃないかな?」

 

 「てかよ」


 グランがキョロキョロ見回して言う。


 「これ今後なんか作るやつに頼んで囲った方がいいんじゃね? 


 それにここに人を置く必要も出てくる」


 そうだ。

 今後そういうことも必要になってくるなぁ。


 「結局、人からの攻撃に備えないといけない⋯⋯なんてさ」


 「残念ながらな」


 僕の肩を叩いて何処かへ向かうグラン。


 「ちょっと息抜きしてくらぁ」


 「え?うん」


 消えていくと、ニバがそわそわしている。


 「グラン、何かあったの?」


 「いやぁ?

 僕も特には⋯⋯」


 確かにイライラはしてたような?


 「そ、そうだエオ」


 「ん?」


 ガサゴソ取り出したのは、草冠。

 

 「子供たちから!」


 見ると、黒い花達が複雑に絡み合っている。

 

 「子供たちから?」


 「頭には冠がいるんだって」


 手渡された冠を見下ろす。

 そっか。


 「⋯⋯ありがとう」


 「うんうん!

 子供たちがまた作る!って張り切ってたし」


 「そっか。

 僕も頑張らないとなぁ」


 今回の件で、僕の意識は変わった。

 ⋯⋯というより、情報量が増えて、考えないといけないことが多くなったが正解かな。


 西で影響力を持ち、100年前に移住してきたとされる男⋯⋯マークさん。


 つまり、この事から単純に考えれば、南には何かがあるということだ。


 加えて西からすれば、南は何かが必要であるということ。


 そして、レイネシアは切り札になり得る。


 「どうしたの?」


 「なんでもないよ」


 つまり何かをこの子は持っている。


 「てか頭ー!この子ちっせぇな!」


 「バカ!勝手に持つな!」


 真面目なウルが止めるんだけど、バズウはすぐに持ち上げて回りだす。


 「ウル見ろよ!

 俺よりもちっせぇガキいんぞ!」


 「お仲間が増えて嬉しそうだな。

 でも、お前が小せえ事は変わらん。

 まだそのガキはガキなんだから、ガキ」


 「てめぇ!バズウ!

 ⋯⋯後で決闘だ!」


 二人の微笑ましい問答を見ながら、考えは続く。


 そして。

 あそこまで"白状"したところで──殺された。


 つまり、この情報の"信頼度"は高いということ。


 「みんな」


 「「「「「エオ?」」」」」


 とりあえず⋯⋯考える事が多すぎて今は。


 「帰ろうか」


 解毒剤と言ってた。

 多分時間を置いた方が良いだろうと思う。


 水は運んでくればいいから、一旦今は休みたい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ