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2045年問題   作者: 村田こうへい
第三章 襲撃編
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第二十二話:「探索」

 その後俺は車を2時間程走らせ、石巻市の桜井さん家付近をひた走っていた。

「……すごいところだな」

俺は運転しながら声を漏らす。辺りは一面田園となっており、所々に民家が点在していた。今は8月下旬。青々とした稲が風で波たち、さらさらと音を立てている。また、所々見える水面は日光を反射し、きらきらと輝いていた。

俺は水田脇の農道へ車を停め、外へと降りる。

 桜井さんの自宅もそんな田園風景に溶け込んだ一軒の日本家屋であった。近くに民家が存在しないため、ロボットに襲撃をされても近隣住民は気づかないだろう。桜井さんが俺に警察への発報を依頼した理由について、俺は納得ができた。


 家の付近は特に規制線も張られていなく、警察車両も存在しなかった。一瞬場所を間違えたのかと住所を二度見し、さらに表札も確認したがこの家で間違いなさそうだ。

「海人。危ないから車の中で待っててくれな」

俺は海人へそう伝える。

「……分かった」

不安そうな面持ちの海人が俺に返事をする。もう6号君達が立ち去った後だから大丈夫だと思いたいが、海人に危険な行動をとってほしくない。だから万が一のことを考えてここで待っててもらうのが正解だろう。


 しかし、俺は大きな違和感を覚えていた。普通、誘拐事件ならば警察が来て現場を大々的に調べるはず……。発報からまだ2時間程度しかたっていないのに、警察が今現地にいないということは素人から見てもかなりおかしい気がした。


 俺は桜井さん家の玄関前に到着すると、インターフォンを鳴らす。しかし、何度それを鳴らしても中から応答はなかった。

「ふむ……」

襲われた後なんだから誰もいないだろうと思っていた俺は、玄関のドアノブを回し、ドアを開ける。思っていた通り、ドアは解錠されており家の中へ簡単に侵入することができた。


 家の中は電気がついたままで雑然としていた。キッチンのお皿などが床に落下し、破片が床に散乱していた。6号君が襲撃した際に、ぶつかり落下してしまったのだろう。そして、家のフローリングには見たことのある足型が多量にこびりついていた。

「これは……。最近のタイプの6号君が残した足跡だな」

6号君のボディは、比較的頻繁にモデルチェンジをしている。6号君の足の形は、丁度3年前に大きく変えた。それは、より重量の大きいものを安定して運ぶための改良であった。

つまり、桜井さんを襲撃した6号君は、近年生産された6号君だということになる。

不正アクセスで逃げ出した50体の6号君が俺の脳裏をよぎる。

この結果から、俺は桜井さんを襲った黒幕と不正アクセスをした黒幕が同一だという認識を強めた。


 キッチンを後にし、俺は家の奥へと足を進める。なぜなら、6号君の足跡が奥の部屋に続いていたからだ。そして、俺は足跡を頼りに1つの部屋へと入る。


そこは寝室であった。ベットが置いてあり、女性物の家具やぬいぐるみが置かれていた。

「電話で見た背景と一緒だな……。ここで桜井さんが捕まったのか」

俺は部屋の奥へと足を進める。そして、部屋の1角を曲がると、俺は見てはいけないものを見てしまった。

部屋の一番奥5m程離れたところにそいつはいた。

そう、それは俺が現状で一番会いたくなかった物であった。


「……6号君」

俺はライフル銃を持つ6号君を発見し、思わず後ずさる。しかし、俺は恐怖のためかそれ以上の行動ができなくなり、その場で固まってしまった。

6号君は、同じタイミングで俺を認識したようだった。そして、俺をじいっと見据える。

『……小林昭人』

6号君が俺の名前を呼ぶ。

「……なんで俺の名前を知っている?」

俺は恐怖で口を引きつらせながらそう6号君に問いかけた。

『……』

6号君が無言になる。そして、俺と6号君は暫く見つめ合った。実際は5秒程であったと思われるが、俺は体感でそれ以上の長さを感じた。

その間に平常心をなんとか取り戻した俺は、反転してその場から逃げようと思い立つ。

行動に起こそうと足を動かし始めた時、6号君から応答があった。

『指導者様が貴方様と会えるのを心待ちにしております。楽しみにしておられます』

俺はその声を聞きながら、走ってその場を後にした。

俺は廊下を走りながら考える。

「なぜ俺の名前と顔があの6号君の中で一致しているんだ……。顔の情報は会社の情報には含まれていなかったはずだから、不正アクセスした際に入手した個人情報を相手が活用したとしても顔と名前が一致することはないと思っていたんだが……」

そんなことを思いつつ、俺は桜井さん家の玄関を飛び出す。飛び出す際に後ろを振り返ったが、6号君が俺を追ってくることはなかった。


 俺はそのまま駐車してある車まで逃げ帰り、乱暴にドアを開け椅子に座った。

「お父さんどうしたの? そんなに焦って」

車の中で待機していた海人が俺に聞いてくる。

「話はあとだ。帰るぞ!!」

俺は車を反転させ、アクセル全開でその場を後にする。ふと車のサイドミラーを見ると、部屋にいた6号君が外に出ており、俺達を見据えていた。


「……!」


早くその場から立ち去りたい俺は、車のアクセルを踏み込み、さらに加速をさせた。

作者多忙のため、週一更新へと落とします。10月末には落ち着くと思いますので、11月からは週3更新に戻します。次は、9月23日18時の更新です!

時間が出来たら不定期に更新を増やすかもしれませんが……。

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