第24話「永遠の彼女」と「青空の噴水」
この先に何があるのかは分かりません。でもこの先にあるのがもう夢や幻と呼べるようなものでないだろうことだけは愛鈴も分かっていました。永遠の出会いと呼ばれている小さな街。愛鈴もこの街を訪れることは初めてでした。でもこの街に訪れないといけなかったことは間違いなく、教会堂の噴水では子供たちが遊んでいて、バルコニーのブランコのような遊具に少女は腰掛け、風に飛ばされた麦わら帽子が紫色の葉の樹木に飾られてそれを長い棒で取ろうとしている少女に愛鈴は微笑みながらも、今まで薄手のロングコートのポケットの中に入れていた”雪の結晶と白き十字架のネックレス”を右手に取ってーー首飾りにしていました。まだ彼女と再会をしてもいないのに、命を捧げてあげるなんていうそんな大げさなものではありません。たぶん彼女ならそんなことを悲しむのも分かっていましたから。だからただいまは大切にしたかったのでしょう。”自らに流れる血を迷いなく信じて、純粋なる心に宿った力をもとに、自らがこの世界に生まれた意味を大切にしながら、人々と愛し合いながら生きてもらいたい”。そんなことを。旅人のように街に馴染んだ青年はもう迷子ではなくても、だからと言ってもうあの時には舞い戻れないことも知っていたのはーーたぶん世界がありのままに美し過ぎたからでしょうか。連想されていくものも特にないままに、どこか嘘っぽいほどに澄んだ写像にも忘我してしまうようなことはなく、不似合いなまでの青空にも愛鈴の瞳は落ち着いていると、夏風がそよいだように白き髪を揺らされ、南の空を振り返って仰いで見てしまうとーー。




