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1−2|探求者

「なんでないの!」

祖母の書斎を隅々まで探したが見つからない。

私の記憶が正しければ、絶対に“ここ”にあるはずなのに。

もしかしたら、誰かが本を……? 

祖母の家に来てから、数時間経ったが見つからない。

誰かに持って行かれたんだったら、

私以外にも祖母の家を訪ねた人がいるはず

そう思った私は近くに住んでいる人に聞いてみることに……

「最近、ここの家を訪ねた人はいますか?」

しかし、全員が口を揃えて知らないと答える。

おかしい。全員、口を揃えて知らないと言うなんて。

「……」

いや、私が自暴自棄になっているだけかもしれない。

明日、もう一度探しこよう。

もし、それでも見つからなかったら、祖母が言っていた力について

地道に調べてみるしかない。

私は宿に戻ろうとすると

「今日はお1人なんですね」

通りすがりの女が話しかけてきた。

☆    ☆    ☆

神矢くんへ

ラブレターだとでも思った? バカバカしい。

いい? 放課後、体育館裏に来なさい。

来ないと殺すわよ。わかった?

P.S.誰かに教えたり、見られないこと。

もし、私たち以外の人にバラしたら、殺すから。

今朝、そんな内容の手紙が透の下駄箱の中に入っていた。

透は可愛い紙、下駄箱という想像で人生初のラブレターと思い込み、

期待して開けてみたら、

脅迫めいた手紙だったのでがっかりしていた。

可愛い紙にこんな狂気に満ちた文章を書くのはどうなんだろうと透は思う。

放課後、誰にもばれないように。

特に歩と鋼には見つからないように

1人で体育館裏に来た透。

待つこと5分。

彼方がゆっくりと歩いて来た。

「なんであそこにいたの」

「あそこ?」

どこのことだ?

「草や木が放置された場所」

「ああ、あそこね……なんでって言われてもな〜」

「……」

透を睨む彼方。

「あそこにいると落ち着くんだよ。本当に」

「あ、そう」

「幼稚園の頃から俺の遊び場って感じだからね」

「じゃあ、昔からあの場所のことを知ってるの?」

「まあ」

「昔に石碑とかなかった?」

「……」

石碑? 俺の知る限りでは

「見たことないな。今度、親父にも聞いてみようか?」

「なんで、親に聞く必要があるの?」

「なんでって、親が管理してる土地だから」

「じゃあ、聞いてみて」

「はいはい」

☆    ☆    ☆

「なあ、親父」

「なんだ」

「あの公園に昔、石碑なんてあった?」

「……」

「親父?」

「そんなものはなかったぞ、なあ」

「そうですね」

「そう……」

「なんで、そんなこと聞くんだ?」

「まあ、深い意味はないよ」

「……」

☆    ☆    ☆

「……ってことで」

透は放課後、結果を報告するために鳳を体育館裏に呼んだ。

彼方からもらった手紙をそのまま、下駄箱の中に入れて。

その手紙を彼方はビリビリに破いている。

「そう……一応、私も聞いてみるわ。本当か嘘か」

「いやいや、ないって言ってたんだから、ないんじゃねーの? わざわざ嘘なんかつかないでしょ」

「あなたを信用してないわけじゃないけど、直接確かめる」

「じゃあ、最初からそうすればよかったじゃん」

「昨日は、用事があったから」

「……」

「じゃあ、あなたの家に行くから」

「……は?」

「早く行きましょ」

「え ……ああ」

透はため息をつく。

断っても付いてきそうだからこの際いいか。

大変になりそうだな。

だって、転校したばかりのしかも女の子を家にあげるのだから。

☆    ☆    ☆

「ヘーレンカルディアー」

男の頭を右手で掴んでいるブレッヒェン・コール。

『石碑は地下に』

「ほう」

血まみれの男を投げ捨てるコール。

「お前がさっさと吐かないからこんなことになるんだ」

家の中はめちゃくちゃに散乱している。

女と男が血まみれで倒れている。

「行くぞ、フォリ」

マニフィック・フォリとコールは地下へと降りていく。

「……行かせてなるものか……」

男は一つのペンダントを握っている。

「……ポルタ・エスクード」

地下にたどり着いたフォリとコール。

「なんですかこれ」

光っている壁に触ろうとするフォリ。

「触るな」

フォリの手を掴むコール。

「これは強力な魔法だ……選ばれたものではないと、

触れた瞬間、体を焼きつかれてしまうだろう」

「厄介な魔法ですわね」

「あの男、魔法使いだったのか」

階段を上っていくコール。

「どうしたんです?」

「出直すぞ、フォリ」

「はい」

☆    ☆    ☆

「ただ……」

ドアを開けたら、散らかっていて血だらけの玄関。

透は血の続いている方へ走っていく。

彼方も透に続く。

「これって……」

何もかもが全て吹き飛ばされたような荒らされ方をしているリビング。

「親父!」

透が父に駆け寄るが息をしてない。

「母さんは」

駆け寄ろうとするが、

彼方が母に駆け寄っていた。

「意識を失ってるみたい」

「っ!」

犯人を見つけてやる。

透が外に出ようとすると

「待ちなさい!」

「なんだよ」

「どうする気?」

「どうするって、やったやつらを見つけるに決まってるだろ」

「見つけて、どうする気?」

「償わせる」

「同じようにするってこと?」

「当たり前だろ」

周りを見渡す彼方。

「……あなたじゃ無理よ」

どういうことだ。

「魔法の仕業だから」

「は? こんな状況なのに冗談いうなよ」

「冗談なんかじゃない」

透が彼方に近づく。

「いい加減にしろよ」

「……ヴィーテ・エクレール」

彼方がそう唱えると螺旋状の雷が透と彼方の前に落ちてくる。

「……」

言葉が出ない透。

「魔法の仕業よ」

「……魔法……か」

「信じられない? それもしょうがないこと。この世界にはないものだから」

「……どういう意味だ?」

「それより、なぜあなたの家が襲われたのか」

話をそらす彼方。

「……俺の家が襲われた理由」

「石碑」

「鳳が言ってた石碑か?」

「……多分ね」

「その石碑に何があるっていうんだ」

「それは……」

口ごもる彼方。

周りを見渡す透。

血の足跡があることに気づく。

「足跡……」

足跡をたどっていく二人。

足跡はリビングを出て、廊下を抜け、親の寝室に続いている。

寝室に入る二人。

「こんなのなかったはず」

寝室には地下階段が……

「両親が隠してたんでしょうね」

降りていく二人。

「あった」

地下倉庫には2mぐらいの石碑が置いてある。


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