この素材そんな珍しいんですか?
最後は別視点挟まります
はい。ついに冒険者となることができた私です。
アルドさん達にご飯奢ってもらい、早速宿を取ろうと思ったわけですけども。その前に私の【無限大収納】内で死蔵している魔物素材を売っぱらってしまおうかと思ったわけです。なのでさっきの受付にカムバック!です。
はろはろ~、さっきぶりですお姉さん。
「あら?リンさん。先ほどはお見事でしたよ?」
「ありがとうございます?そういえばお姉さんのお名前、聞いてませんでした。私、お姉さんとも仲良くなりたいのです。リンちゃんって呼んでください。」
「あら嬉しい。私はフェルンって言うの。これからよろしくね?……こほん!それでリンちゃん、どうなさいました?何かお困りごとでも?」
「いえ、収納スキル内に仕舞い込んだ魔物素材を売りたいと思いまして。ここに出していいですか?」
言いながら私は【無限大収納】を開いてそこから無作為に魔物素材を取り出していく。周囲の様子などお構いなしで。もちろんカウンターに出したりせずに床に出していますけど。
「ええ、良いわよ。それにしてもリンちゃん収納系スキルを持ってるのね?羨まs……待って待って⁉ストップ!リンちゃん、ストーーッップ!!」
えぇ…?まだフォレストウルフを10体とゴブリンを7体出しただけなんですけど。打ち止めです?あ、確かに解体してないのでここじゃ出し切れないですね。って何かものすごく注目を受けてますね私?そんなに変なことしたかな…?
「り、リンちゃん…?こんなにたくさんどうやって集めたの……?」
「どうって、普通に数年間狩っては溜め込んでただけですけど……え!もしかして何かマズかったですか⁉」
「いいえ?何も問題はないのよ?ただ数がね……。ちなみにコレで全部?」
「え?いえ。まだまだ魔物素材の在庫ありますけど。出来ればもうちょっと売りたいなーと思ってますが……」
ああ、どうしよう。私のせいかな?フェルンさんが頭を抱えて眉間にしわを寄せてしまった…!……てへっ♡
「ひとまず解体所に持ち込んで、ね?今解体の人を呼ぶから。」
「ッスゥ―……ガングさーーん!!ちょっと素材の解体をお願いしまーっす!!」
おお、声でか。他の受付嬢の人とかちょっとビクッとしてましたよ。……あ、はい。私のせいですねゴメンナサイ。
少し待つとギルドの奥から筋骨隆々で顔の左側に傷のあるクマのような男性が出てきた。この人がガングさん?いかにも歴戦の解体職人といった雰囲気さえ感じますね。
「珍しいな、フェルン嬢ちゃんがこんな大声で俺を呼ぶなんて。よっぽどの事か?……っと。あー、なるほどな。こりゃ確かに解体所行きだわな。」
ガングさんは初めに私の出した素材の山を見て、次に私の方を見てからこう言った。
「これを持ち込んだのはお前さんか?まるで今狩ったかのような鮮度だが……」
「はい。私収納スキルあるので」
「なるほどな。それならこの鮮度の良さに納得だ。しかし、ホントにお前さんが狩ったのか?言っちゃあ悪いがとても腕が立つようには見えん。」
「魔法でさくっと倒しましたので。」
「そういうことかい。ともかく、一旦素材仕舞って俺に着いてきてくれ」
「はーい」
ガングさんに着いていき、解体所に案内される。そして売りたい素材を出すように指示されたのでとりあえず売りたい分だけの素材を出すことにした。フォレストウルフやゴブリンなんかは解体すべきかもわからなかったので解体設定していませんけども。【無限大収納】はオプションいじると解体もできるんですよねぇ。
なので解体済み素材も出した。これでもまだまだ在庫放出抑えた方なんですけどね……途中からガングさんが明らかあきれ顔になっていたのでこれ以上出すの憚れたやめましたが。
最終的にフォレストウルフ10体、ゴブリン15体、解体済みの肉と毛皮と羽をいっぱい出しました。
「……随分多いな。肉は……イビルボアにワイルドボア、あとは……ターキーコケッコだな。うん。解体も随分丁寧だし何より無駄がねぇ。こっちは色付けて買い取ってやる。ってかこんだけ解体できるんならゴブリンもフォレストウルフもフォレストシャドウウルフも解体すりゃあよかったじゃねぇか」
「ゴブリンとか狼ってどう解体すべきか分からなくて……」
「なるほどな。ま、そういうことにしといてやるよ。んじゃ、さっさと解体を済ませちまうか。」
ん?フォレストシャドウウルフって何のことですかね。全然心当たり無いんですけど。もしかしてフォレストウルフの上位種的な?……まさかぁ~。上位種ならもっと苦戦するでしょうし気のせいですね!
ガングさんが恐らく愛用であろう肉切り包丁を手に持ったらさくさくと解体が進んでいった。おお、凄い見ごたえ。そして全25体分の解体を本当にすぐに済ませてしまいました。なんたる手際の良さ……まさしく神の手でした。
「お待ったさん。つっても解体が終わっただけだがな。今から勘定するが数が多いから追加で少し時間貰うが構わねぇか?」
「はい、大丈夫です。ロビーで待ってればいいですかね?」
「ああ。終わったら受付の方に金額知らせっからそっから金額を受け取ってくれ」
「了解です」
私は一度ロビーの方へ戻り、そしてまだギルド内に残っていたアルドさんたち緋色の牙に冒険者の心得的な話を聞いて精算を待つことにしました。もちろんラッチさんが少しでも近づこうものなら威嚇しましたけど。シャーッ!って。
***
フェルンさんに呼ばれたので行ってみると金額と内訳を伝えられた。
「リンちゃん、精算終わったわ。まず納品された肉、毛皮、羽は品質が良いということで通常で8万5千ゴルの所を色付けて合計10万5千ゴル(大銀貨1枚、大銅貨5枚)。
次にゴブリンが12体、ホブゴブリンが2体のメイジゴブリンが1体で解体費を差し引いて合計7万4千ゴル(銀貨7枚、大銅貨4枚)、フォレストウルフが9体、フォレストシャドウウルフが1体で34万5千ゴル(大銀貨3枚、銀貨4枚、大銅貨5枚)、延べ52万4千ゴル(大銀貨5枚、銀貨2枚、大銅貨4枚)よ。」
わぁ……いきなり資産が50万円超えてて草~。しかし本当に上位種混じってた……ってかホブゴブリンとかマジで心当たりないんですけど(困惑)
というかフォレストシャドウウルフ?高くね?
「あの、高くないです?」
「いいえ、妥当な値段だわ。リンちゃんはフォレストシャドウウルフって知ってる?」
「いえ。今初めて知りました」
「フォレストシャドウウルフはね……フォレストウルフの変異個体なんだけど滅多に現れることはないの。その分希少価値が高い魔物になるわ。しかもフォレストシャドウウルフの毛皮は最高級と言っても過言ではないくらいのものなの。貴族たちがこぞって求めるような、ね。」
なるほど?まぁ知らんうちにレアモン狩ってただけの話ですね。想定以上の収入嬉しー♪さて、今度こそ、『銀の猫亭』を目指すとしましょうか!
――――――
(ガングside)
「しっかしまぁ……あれが新人たぁ恐ろしいもんだな」
金額の精算を終えた俺は独り言ちる。
明確に新人であるかを確認したわけじゃないがそれでも俺はうちのギルドを利用する冒険者の顔はある程度覚えているが、あのような少女は一度も見た覚えがない。そして上位個体が混じっていてもそれに気づいている素振りがなかったんだから俺の推測も間違っちゃいねぇだろう。
加えて言うなら一応の警戒心はあるようだがそれでも自身のスキルに対する認識が甘い。解体済みの素材。ありゃあスキルで解体したのだろうが……【解体】スキルなしで解体できるのは俺は【無限大収納】くらいしか知らねぇ。誰でも持ちうるスキルだが所持者は非常に貴重なスキル。それだけで人生楽勝だろう。わざわざ冒険者になんざならずとも、な。
「クックッ…これだから冒険者ギルドで働くのはやめられねぇ。ああいう才能の原石を間近で見ることができるからな」
ふと、俺はあの少女の名前を聞いていないことを思い出した。しかしそれはさしたる問題ではないだろう。あの少女が今後も解体しにくるかはともかく、あれだけ目立つ容姿をした少女だ。いずれは勝手に名前が知れ渡ることになるだろう。
ドデカい新人の登場に年甲斐もなく興奮を覚える。あの少女の今後が一層楽しみになった。
ゴブリン全身が1匹あたり2000ゴル、2000×12で24,000。
ホブゴブリン1体あたり1万ゴル、メイジは3万、10,000+10,000+30,000で50,000
合計7万4千
フォレストウルフは全身で1匹あたり5000ゴル×9匹で45,000




