【第六感】スキル様々ですかね
リンちゃんのパーティは基本メンバーはリンちゃん、リーデ、ミチルちゃん、マリーちゃんの4人。ルミナさんは居候枠なので現状正式なパーティキャラになる予定はないです。
途中別視点が挟まります。
はい。安定収入も得て出不精が加速する私です。リンちゃんです。
グルノーミンから帰ってきてはや数日。2日くらいは死ぬほどのんびりと家に引きこもっていたわけですが、そろそろ冒険者業も再開しましょうかね。ということでこれ以上ヒッキーになる前に理由つけて冒険者ギルドへ出てきました。
「フェルンさん、何か良い依頼はないですかね」
「あら、【幻想の旅人】の皆じゃない。冒険者業再開かしら?って、そういえばリンちゃんには話があるんだったわ。」
話……?私フェルンさんから私に?もしかしてデートのお誘いとかですかね?……冗談です。フェルンさんは公私は切り分ける人でございますから、仕事中にそんな話はほぼしないでしょう。デートは冗談ですけど正直、フェルンさんの言う話に心当たりがありませんね。
「話っていうのはね、実はリンちゃん達【幻想の旅人】はね…このたびCランクに昇格になったわ!正式にパーティ名が付いたのは最近だけれど、実績としては依頼達成率も100%だし、護衛依頼もちょうどこなしたことで昇格規定を満たしたのよ。」
ほーん、今日からCランクか~。……あんま実感ないですね。
「ほへ~、そうなんですね」
「ご主人様、他人事のように仰いますね…?」
「そうは言うけどねリーデ。いきなりCランクですって言われても実感ないよ?あと正直ランクとかそこまで興味ないし……」
「それは私も分かるけど……もうちょっと喜んだ方がいいよリンちゃん!」
「それはミチルちゃんも一緒じゃない?」
「あたしもCランクってことだよね?あたしまだ何もしてないよーなもんだよー?」
「パーティだからね。皆Cランク扱いにはなるんだよマリーちゃん」
おっと、わちゃわちゃ話してると他の冒険者の邪魔になりますね。さっさと依頼をフェルンさんに見繕ってもらいましょうかね。
「Cランクになったのは分かりました。けどとりあえず、なんかいい依頼ないですかね?」
「そうねぇ……せっかくCランクになったんだし、相応の依頼を出すべきよね。少し待ってて。良い依頼があったはずだわ」
フェルンさんが依頼を探しに一旦席を離れたその時、急に私の視界の右端が赤く点滅した。これは、【第六感】スキルによる危機察知…!何かが起こるってわけですね。……街の外……ですかね?確かめる必要があるかもしれません。フェルンさんには悪いですけどね。
「ご主人様?どうかなさいました?」
「……なんか嫌な予感がね。ちょっと見てくる。フェルンさんには謝っておいて!」
「私も同行いたしますよご主人様。」
「ありがとリーデ!ミチルちゃん、マリーちゃん!任せていいかな?」
「分かった!けど気を付けてねリンちゃん!」「おっけー、なにかあったら飛んでいくからね!」
***
(???side)
「アニキ!目標のブツ、確保しやしたぜ!楽勝でしたねェ‼」
「よしお前ら、ずらかるぞ。親玉が戻ってきやがる前に撤収する。」
「「「うっす‼」」」
「……しっかしお貴族様の考えるこたぁ分かんねぇな。竜の卵を持ってこい、だなんてよ。」
「一体何に使うんでしょうね?」
「さぁな。余計なこたぁ考えるな。さっさと依頼主に卵を届けて、大金貰うだけだ」
――――――――――――――――――――
「アニキ、親玉が気付いて追ってきたりはしないっスかね?」
「ふん、大丈夫だろ。少し嗅ぐだけで大半の生き物は昏倒するような毒を大量に嗅がせたんだ。いかに状態異常耐性が高いドラゴンだとしても、そうそう動けやしねぇ。コーモノ、お前も確認したんだろ?きっちりドラゴンのやつは意識をぶっ飛ばしてんのをよ。ともかく街まであと少しだ。気ィ抜くんじゃねぇぞテメェら!」
「「「ヘイアニキ!」」」
俺達の10日に及ぶ依頼は順調に終わるはずだった。あとは裏のルートを使って依頼主ご所望の品を届けりゃしばらく遊んで暮らせるだけの金が手に入る予定だったのだ。ドラゴンの親が嗅ぎつけるまでに俺達はエクレシアとはおさらばできる……はずだった。なのに、街を目前にして急に馬車が止まりやがった。大きな衝撃と共に。
「おい、どうした!魔物でも出やがったか⁉」
「そ、それがアニキ……何かがすげぇ勢いで突っ込んできたんでさぁ!」
何か、だと…?順調な計画を潰しやがって。何者であろうが、容赦はしねぇ…!
俺は馬車から降り、突っ込んできたものの正体を確認した。すると、そこにいたのは――上玉のガキとメイドだった。
「うん。あなたたちですね。この嫌な予感の正体は。人のスローライフを邪魔しようとした罪は重いですよ?」
目の前にいるのはただのガキ、のはずだ。だというのになんだ?この威圧感は?俺たちの目の前に現れたのは……本当に人間、なのか?
***
(リンside)
リーデと一緒に冒険者ギルドを飛び出してきた私は急いでいることもあって、建物の屋根を伝って駆け抜けてきた。街を出てからは【大魔法図書館】で空を飛ぶ魔法を使って嫌な予感の正体を探す。
空を飛んで2分もしないうちに怪しい馬車をリーデが発見した。
「ご主人様、あちらを。あの馬車、怪しいものを感じます。魔物に追われているわけでもないにも関わらず異様に速度を出しています。」
確かに、周囲に魔物の気配はないにも関わらず、やけに速度が速い。私の【第六感】スキルもあの馬車に反応しているようです。
「じゃあ、リーデ。突っ込むよ」
「かしこまりましたご主人様。では僭越ながら私が先陣を切ります、ねっ!」
リーデが勢いよく突撃していった。私も負けてられないですねと、ライダーキックの態勢で馬車に向かって突っ込んだ。もちろん、馬車本体に当てはしませんけどね。
ドゴォォン…!
おっといけない。おもっくそ道が抉れてしまいました。ちょっとカッコイイ登場を優先しすぎましたね……反省反省。あとで治すのも忘れずに、っと。
「おい、どうした!魔物でも出やがったか⁉」
「そ、それがアニキ……何かがすげぇ勢いで突っ込んできたんでさぁ!」
あ、ビンゴ。【第六感】が特に赤く点滅してる。こいつらが今回のイヤな予感の正体というわけですね
「うん。あなたたちですね。この嫌な予感の正体は。人のスローライフを邪魔しようとした罪は重いですよ?」
「ご主人様、周りの者たちはお任せください。すぐに片づけてまいります」
「おっけー。でも、怪我しちゃだめだよ?」
「心得ております」
こいつらよりリーデの身柄の方が100億倍大事ですからね
私は首領と思わしき男を観察する。盗賊にしては良い装備を持ってますね。傭兵ってやつでしょうか?ま、どちらにせよ関係ないですね。
「ナニモンだテメェら……」
本来は名乗る義務も義理もないんですが……答えてあげるが世の情け。
「私達は通りすがりの冒険者ですよ?まぁ貴方たちには悪いですけど……私のスローライフを脅かす輩は排除したいだけです☆」
***
(ドラゴンside)
(む……くあぁ……眠っていたか。我が子の様子は……)
一匹の竜が目を覚ました。それと同時に周囲を見渡す。自身の子供(卵)を探すためである。直に竜はある一点を見た。するとどうだ。そこには本来あるはずの我が子が忽然と姿を消していた。
刹那。森はざわめき、竜の領域たる山に暮らす魔物達は恐怖した。……竜が、山の主が怒っている、と。
(人間の仕業だな?クク……クハハ……!!我が子を攫うなぞ、余程愚かと見える。矮小な人間風情がッ!!目にものを見せてやろう!!)
竜は飛び立った。我が子の魔力を辿り、愚かなる人間に裁きを与えるために。
―親竜がリンたちの元へたどり着くまで……あと、数分―




