お土産行脚の時間です
はい。マリーちゃんと一緒にお土産行脚なうな私です。リンちゃんです。
まぁ、お土産行脚と言っても、ギルドとシスターイブの孤児院とマーシャさんの診療所……は食べ物の持ち込みはどうなんでしょう?まぁ、渡すだけ渡してみますか。あとは銀の猫亭くらいなものですけどね。あ、そうだ。お土産行脚終わったらオランド商会にも行かないといけないですわ。卵と牛乳を納品しなくては。
ギルドにはお土産渡したので次は……マーシャさんの診療所ですかね。
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「お~、ここがしんりょーじょって所なんだ!なんか薬草の匂いがするし居心地良いかも~♪」
「まぁ、マリーちゃんは植物だもんね。あんまり人間は薬草の匂いとか好きじゃない人もいるんだよ」
「え、信じられないよ~!だってこ~んなにいい匂いなんだよ⁉」
マリーちゃんは体全体を広げてアピールしてくれているけれど、あんまりその感覚は理解できそうにない。
少なくとも薬草の匂い嗅いで居心地よさそ~って感想出るのはだいぶ植物よりの感想だと思うな私は。普通、人間だったら薬草の匂い嗅いで居心地いいな~とはならないですからね。薬草の匂いってアレですよ?湿布とかそういう類の匂いであってハーブとかの匂いじゃないですからね?
「こんにちはー、マーシャさん」
「あら、リンちゃんじゃな~い。今日はどうしたのか~しら?怪我?病気?」
「今日は診察とかではなくてですね。今日グルノーミンから帰って来たのでお土産のお菓子を渡しに来たんですけど……診療所にそういうの持ち込みは大丈夫なんでしょうかね?衛生的に。一応【無限大収納】の中に入れてるので出来立てほやほやなんですけど……」
「まぁ確かに、診療所の表側で出すものではないわね~。着いてきてちょうだい。事務室に案内するわ。私にだけってわけじゃないんでしょ?」
「はい。一応診療所の皆さんで分けてもらうつもりで買ってますよ」
マーシャさんの案内に従って診療所の奥に入っていく。その間、マリーちゃんは興味津々に中を見渡していた。
案内された事務室はちょっと病院とは思えない程度には机の上が散らかっていた。……まだ足の踏み場はあるし良いんじゃないですかね?今日は患者も少なく暇なのか、職員の人も割と事務作業している人がいたりもしている。
「ちょ~~っと散らかってるけど……この辺りに置いてくれるかしら~?」
「分かりました」
私が【無限大収納】からシュークリーム(あくまでっぽいやつ)を出すと、マーシャさんは手をパンパンと叩いて注目を集めた。
「はいちゅうも~く。こちらの冒険者のリンちゃんがグルノーミンから帰ったついでにグルノーミンのお菓子をお土産に持ってきてくれたわよ~。皆感謝していただくよーに!そして最低でも一人一個はあるからあんまりがっつかないこと!以上!」
「おお!ありがたいですな!」「所長~全部は食べきれませんし、冷蔵の魔道具にしまっておきますね~?」「リンさん……ほぼ関りのない俺達にもお土産をくださるとかマジ神様だ~!」
想像以上に盛り上がっている。なぜでしょうね?ただお土産のお菓子を渡しただけなのに。散々職員の人たちから感謝の言葉を浴びながら私とマリーちゃんは診療所を去りました。次は教会ですね。孤児院も併設してるとのことで。食べ盛りの子供たち用にクッキーを特盛で買ってあります私。
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「次はどこ行くの~?」
「ん~?教会だよ。昔お世話になったシスターさんが居てね~、孤児院も併設してるから子供たちにクッキーを差し入れるの」
「お~、クッキーいいね!後であたしにも欲しいな~?」
「大丈夫だよ。めっちゃ買い込んであるから家に帰れば食べられるよ。多分マリーちゃんも【無限大収納】使えるようになってるだろうし」
「分かった!楽しみにしとくね!」
……ちょっと不思議なのがマリーちゃん、明らかに人間の食べ物の知識とか持ってるように見えるんですよね。どこで知ったのかしら。私はマリーちゃんにそういう話をした覚えはあんまりないですし……まぁ、考えても分からんことは考えるだけ無駄ですからね。そういうもんだと思っておきましょう。
教会にやってくると、教会の前を掃除していた子供たちが私達に気付いた。
「あっ!リンねーちゃんだ!」「ほんとだ~!知らないおねーさんもいるよー?」
「リンお姉さん、私、シスター呼んでくるね!」「なー、なー、なんかお土産あるー?」
教会にもちょくちょく訪ねているんですけど、その度になんか差し入れしてたら子供たちが毎回差し入れをねだるようになってしまったのです。ちなみに私、女子には割と小物とか持っていくんですけど、少年たちにはいい感じの棒とかよく持って行ってます。いい感じの棒はたとえ剣と魔法の世界であっても男の子の心をくすぐるものですからね!
「今日は別の街で買ってきたお菓子がありますよ。みんなの分ちゃんとありますから、喧嘩しないで食べられるかなー?」
「おかし‼ほんとー?」「やったー!」「しかもべつのまちのおかしだって!」
「リンは人気者だね~。あたしも友達として鼻が高いよ♪」
「そっちのねーちゃんのなまえおしえてー!」「わぁ…!この服かわいー!」
「あたしはマリー!リンのお友達だよ!みんなよろしくねー☆」
マリーちゃんはもう子供たちになじんでいる。コミュ強だ。
「リン、今日も来てくれたのですね。毎回差し入れを持ってきてもらってすみませんね」
「いえいえ、気にしないでください先生。私が好きでやってることですから。今日は差し入れってよりかは純粋なお土産です。グルノーミンまで行ってきたので。」
この孤児院はちゃんと街の行政の方から補助金とか出てて経営難ってことはないですけど、それでも多少は倹約しないといけない部分はありますからね。
「なんと、グルノーミンに?グルノーミンでは畜産も行われていると聞きます。その分、お菓子にも力を入れているのだとか。良いのですか?」
「はい。お土産ですから!しっとりなめらかなクッキーを渡しときますねー」
この街でもクッキーは食べられていますけど、意外と口の中の水分を持ってかれるタイプ(オブラートな表現)なんですよね。なのでしっとりクッキーは子供たちにとっては中々新鮮じゃないでしょうか。
「ありがとうございますリン。そうです、子供たちと一緒に食べていきませんか?お茶くらいなら出しますよ」
「んー、お誘いはありがたいんですけど、このあとも何か所か行かないといけないので……今日は遠慮します。また今度来た時にクッキーの感想を聞かせてください」
「分かりました。用事があるなら無理に引き留めるわけにはいきませんね。今日はお土産をありがとうリン。あなたに神の御加護がありますように」
クッキーを渡して次の場所へ、と思ったんですけど、マリーちゃんと子供たちが楽しそうに遊んでいるので私もちょっと参加してから教会を去った。
「あたし、リン以外の子供とは初めて接したけど、元気いいね~!あたしまで元気貰った気がする!」
「ん、そりゃよかった。子供は元気だからね、こっちも頑張ろうって気にはなるよね~」
「……でもそう言ってるリンもまだ子供でしょ?大人みたいに振舞わないで偶には子供らしくしてみたら?あたしはそんなリンも見てみたいんだけどな~」
「……できなくはないけど、そりゃ勘弁かな。疲れちゃう。私、見た目は子供でも中身は一応大人だし」
「あー、転生者ってやつだっけ~?昔よくリンの前世の話とかもしてくれたよね☆」
「そういえば、そんなこともあったね~。懐かしい」
……この会話が既に老人というか……大人のやり取りになってますね?やっぱり子供らしく振舞うのは厳しいわ~。




