パーティ名……?必要ですかそうですか
えー、突如としてね、2週間か3週間ほど失踪しましてね。申し訳ないです。まぁ言い訳をすると就活で面接とかも増えてきましてねェ、あんまパソコン開く気力が起きなかったんですよォ。……全部が全部嘘ではないけど嘘です。普通にゲームにかまけて腰が重くなってました。ぼちぼち再開しますわよ~
はい。ここ最近は旅行だったり意外な再会だったりで楽しいことばかりで嬉しい私です。
グルノーミンから帰ってきた矢先、昔こーっそり育てていたアルラウネのマリーちゃんがなんかめちゃめちゃ進化してカムバックするイベントがあったわけでございますが。グルノーミンでお土産も買ったりしたのでね、顔見知りの人たちに配って行こうというお話ですよ。
ギルドの受付嬢の皆さんには依頼完了の手続きをするときについでで渡してあるのでよしとして……え?何を買ったのかって?カスタードのシュークリームっぽいやつですよ。名前は忘れましたけど。まぁ、食感からしてシュークリームなんで、シュークリームってことで良いと思います。スイーツだと知った女性陣は目を輝かせていたので……その、なんだ。血みどろの取り合いにならないと良いなと思います。
私が再び出かける準備をしていると、家の探索が終わったらしいマリーちゃんがやってきた。
「ねぇねぇリン~。どこに行くの~?私もついていっていーよね~?」
「ん?ああ。グルノーミンで買ってきたお土産配りに行くだけ。着いてきたいなら好きにして良いよ?あんまりおもしろいこととかないと思うけどね」
「いいのいいの!あたしはただリンと一緒に街を歩いてみたいの!」
「そっか。じゃあ一緒に行こうマリーちゃん」
「やった!」
というわけで今回の同行者はマリーちゃんに決定と。……ついでにマリーちゃんの冒険者登録しちゃうか?現状彼女は身分証明書がない状態なわけですし。
「そしたらマリーちゃんさ、冒険者登録する?精霊といえども人型だし、結構自由に動けるみたいだし、私達と一緒に街から出ることもあるかもしれないし」
「冒険者!面白そう!行こ行こ~♪」
***
さて、割とすぐに冒険者ギルドに戻ってくることになりましたねぇ。朝のピークの時間は過ぎてますので結構空いているので受付はどこでもいいでしょうけど、っと。とうちゃ~く。……ん?なんか異様な雰囲気ですね…?一体何が……
「あんたはさっき一個食べたでしょうが!一人一個だってリンちゃんは言ってたでしょう⁉」
「いやいや。確かに一人一個とは言われていたけど、それは最低限の個数の話で、余った分に関しては言及ないでしょ?つまり早い者勝ちよ!」
「早い者勝ちと言うのなら、私の方が1秒早く触っていたわよ⁉それを横から掠め取ったでしょ!」
「なんですって~?私の方があんたより0,5秒早かったわ!」
「なにを~??あんたの目はとんだ節穴ね⁉」
け、喧嘩だぁ。完全に私のお土産が原因の喧嘩が起こってしまっている…!
「なんか言い合いしてるね~?あれ、どしたのリン。顔青いよ?」
「この言い合いの原因はきっと……さっき渡したお土産だよ…!つまりある意味私が原因…!」
「あら、リンちゃんじゃない。なにかあった?」
「あ、サリアさん。お疲れ様です。実は隣のこの子。私の友達、兼契約精霊なんですけど、冒険者登録しようかなと。……アレ、私のせいですかね?」
「まさか。誰が食べるかで争ってる食い意地の張った当人たちが原因よ。というか、私まだアレ食べてないんだけど?もしかしてアレは受付の人間だけの土産物かしら?違うわよねぇ?ね?リンちゃん?」
あら良い笑顔。やっぱ甘味は女性を狂わせるんですね……(しみじみ)中々に迫力がありますよサリアさん。……ま、冗談は置いといて。思い返してみますか。
***
「依頼完了の報告ついでに、グルノーミンでお土産のスイーツ買ったので、ギルドの皆さんで食べてください。一人一個分はあるはずですので。」
「「「スイーツ⁉」」」
「これはご丁寧にありがとうございます。……受付一同感謝していただきますね」
***
うん。私はちゃんとギルドの皆さんでって言いましたね。ガッツリ間が空いた後に受付一同って言い直してましたけど。
「私はちゃんとギルドの皆さんで食べてくださいって言いましたよ?」
「でも私の元に分配されてないわよ?」
「そういえば、お土産渡した受付の人はなんか受付一同感謝していただくって言ってましたね。私の言い方が悪かったんですかね…?」
「へぇ……?受付一同……ねぇ?」「「」」ギクッ
「まぁ、自分たちでも楽しもうと思って余分に買ってあるのでこれどうぞ?」
そう言って私はサリアさんに3個入りのシュークリームを渡した。まぁ、受付の女性陣による独占があったみたいですし、これくらいのおまけは許されるでしょうきっと。
「あら、3個も!貰ってしまっていいのかしら」
「はい。サリアさんいつも忙しく働いているみたいですしね」
「ずるいですよギルマス!」「そうですよあたし達1個だけですよ⁉一人だけ多く食べて申し訳ないと思わないんですかー?」「「そーだそーだー!」」
「うるさいわよ!先に独占しようと欲を搔いたのはそっちでしょうに。まぁ?残念だったわね?これは私の日頃の行いが良いからよ!人徳って、やつかしら。」
「くっ、ギルマスの日頃の行いが良いのは否定できないわッ!」「私らより数倍忙しそうだしッ!」
「「ここは涙を呑んで諦めるしか…!」」
なんか、思っていたよりホワイトっぽい職場環境ですね、ギルドって。普通上司にやいのやいの言えないと思いますけども。まぁ、上司と部下の距離感が近いのは良い職場だって言えますよね~。ま、変にギスギスしたりしないのは良かったですはい。
シュークリーム騒動も収まり、改めてマリーちゃんを冒険者登録を済ませました。じゃあ《銀の猫亭》にでも行きますかね。
「あ、そういえばリンさん。行動を共にしている人もそれなりの人数になってきましたし、そろそろ正式にパーティ名、決めませんか!」
「パーティ名ですか。……考えないといけません?」
「絶対に必要ですって!リンさんたちなら有名冒険者になるのは必至ですし!パーティ名あった方が箔が付きますよ!」
「パーティ名!良いじゃんリン~考えようよ!」
確かに……いつまでも呼び名がないと不便ではありますよねぇ……どうしましょうかね。ここは他のパーティを参考にしよう!
えーと、アルドさん達のパーティは【緋色の牙】でしょ?グルノーミンで出会ったオルガムさん達は……なんだっけ。というかそもそも彼らのパーティ名を聞いた覚えないですね。
つまり……サンプルがほぼ一組しかない!
「……マリーちゃんはどんなパーティ名が良いと思う?」
「リンと愉快な仲間たち!」
「うん、ごめんね?それは却下。かなり恥ずかしいから、却下で」
「え~、良いと思ったのにな~!」
マリーちゃん、流石に愉快な仲間たちは……下手に厨二満載な名前つけるより恥ずかしいんだ。ごめんよ。それに見て?受付の人の顔。『え、そんな名前にすんの…?』って顔してるから。こうなったらどうにか良い感じの厨二病ネーミングを考えるしかないね!うん!(やけくそ)
冒険者っぽいネーミング…ねぇ……まぁ、剣と魔法の異世界はいかにもファンタジーだし……冒険者なら、やっぱり旅人?あんまり旅をしないとしても旅人という響きには惹かれるものがありますし……ヨシ!【幻想の旅人】
……まぁまぁしっくりきますかね。コレにしようそうしよう!
「うん。決めました。……けど、あんまり自信ないですよ?」
「大丈夫です。どのようなパーティ名であったとしても我々は笑うことはありません」
「あたしも、リンが決めたならなんでも良いと思ってるよっ♪」
笑わないとは言っても期待はしてますよね?あんまり期待しないでほしいって意味だったんですけど。
「私達のパーティ名は……【幻想の旅人】でお願いします」
「分かりました。【幻想の旅人】ですね!とてもカッコいいじゃないですか!自信ないなんて謙遜してたんですねリンさん!早速登録してきますね!」
「さっすがリン!すごい良い名前だよね~!」
「お待たせいたしました。登録が完了しましたので本日よりリンさん御一行は正式に、【幻想の旅人】として活動していくことになります」
「ありがとうございます」
ふぅ……パーティ名が正式なものとなりましたか。……まぁ、まだ【幻想の旅人】って呼ばれるなら恥ずかしくはないですね。




