契約……?え、遠慮します。(したかった)
章分けとか居るのか?作者は章分けしたことないのでなろうの章分けの仕様とか知りませんけど。
はい。出来る限りノンデリカシーな人間にならないよう気を付けたい私です。リンちゃんです。
自身のノンデリ発言により、盛大に男の急所を突かれた(非常にマイルドな表現)オルガムさんも、1分程うずくまっていただけですぐに痛みから回復した模様。冒険者って頑丈だなー。
「ふぃー……ひでぇ目に遭ったぜ……しっかし、俺、そんなに老けて見えるか?コルニカと並んで年の話すると大体同じような反応が返ってくるんだよな……」
どっちかというとコルニカさんが童顔なんじゃないですかね。身長も低いですし、余計に若く見えるんじゃないでしょうか。
「た、多分……コルニカさんが若く見えるんですよ!元気出してくださいオルガムさん!」
「ん……獣人としては複雑。でも若く見られるのは悪くない」
獣人としては複雑ってアレですかね?若い=まだまだ未熟者、的な?そういう扱いになるんですかね?あり得そう……気を付けましょう。
「そうか?まぁ、俺が老けてるってんじゃないならいいか。俺は年相応のつもりだからな!……そうか。だからコルニカに悪い虫が寄ってくるのか……ちっ、面倒だぜ……(ボソッ)」
「……(やれやれ)」フリフリ
悪い虫て。オルガムさんはコルニカさんの彼氏か何かなんですか?きっとそうなんでしょう。そうじゃなかったら付き合ってもない女性に対してクソ重いマジで面倒なストーカーじゃないですかね……
「オルガム。ここは船上。悪い虫どころか、虫一匹もいない。」
「いやいや。そうとも限らないぜ?案外虫は世界中のどこにでもいるもんだからな」
その虫、ってのはきっと……虫と書いて男共と書くのでしょうねぇ……そういうの、イケメンでも流石に許されないと思うんですが……まぁ、オルガムさんが犯罪者枠にならないことを切に願います。
私はそーっとバンダさんの方へ向かって小声で聞いてみた。二人は付き合っているのか、と。
答えは……ノー。絶賛オルガムさんの片思い中らしい。うわー……まさかのメンヘラ系男子っスか?いや、メンヘラってよりは独占欲むき出しの男。最悪じゃないですか。
「……付き合ってもないのに愛が重すぎる男ってマジでお相手に嫌われますよね(ボソッ)」
「ウグゥッ⁉」
あらま、自分の愛がクッソ重いし現状一方通行なことはご自覚あってらしたんですね?明らかにコルニカさんは異性として意識してなさそうですもの。
「……オルガム?どした?リンが何か悪いことでも言った?」
「いや!いーーや⁉何にもないぜ!断じて何もない!コルニカは気にすんな!」
「?分かった。でもリンの言う通り。下手に執着する男は嫌われる」
「グハァッ⁉」
最後の最後にぶっ刺されてて草。南無。
いやぁ、しかし……前途多難ですねぇ。オルガムさんの恋路は。私としてはコルニカさんが幸せになれるならアリだとは思いますけどね~。
「ご主人様、グラコスフェニックスのことはお聞きにならないのですか?」
……そうだ。グラコスフェニックスはどうなったんでしょう。それを聞きたいのでもあったんでした。
「そうだった。それも気になってたんだ。ちょっと忘れてたよ。教えてくれてありがとリーデ」
「いいえ、当然の事をしたまででございます」
チェンガさんに聞くのが一番でしょう。今この場で最も権力を有しているのは彼ですからね。
「チェンガさん、聞きたいことがあるんですけど」
「ああ~、リンさんが撃破してくださったグラコスフェニックスのことですね~。今現在、グラコスフェニックスの転生用の卵は船内で一時保管してありますよ~。当然、結界魔法による封印を施してますし、冒険者の方にも見張りをお願いしていますよ~」
なるほど。まぁ、脅威になったりしてないんなら良いですかね~。そう思っていたら、乗組員の一人が走ってきたではありませんか。転生したのでしょうかね……できれば生まれたてはまだ弱いと良いんですけどね……まだ魔力も回復しきってはないですし。
「た、大変ですチェンガさん!ハァ……ハァ……ほ、保管庫の方へすぐに来てください!冒険者の皆さんも!」
「分かりました。すぐに向かいましょう~。オルガム君たちは戦闘の準備は出来ていますよね~?リンさんたちも、備えておいてください~」
「俺たちは準備出来てるぜ」
「私達も、大丈夫だと思います」
報せを受けた私達は乗組員の案内に従ってすぐさま保管庫へと向かった。部屋の中央に台座のようなものがあり、その上に卵が保管されている。……のですが、卵にひび、入りだしてますね……しかも段々発光し始めてませんか⁉
「こりゃあ~、本格的にマズいかもしれませんね~。……船長にお伝え願えますか。グラコスフェニックスが転生しそうなため、船の運航停止を」
「は、はいっ!」
「皆さんは警戒を続けてください!」
流石にこの状況だと、チェンガさんもガッツリ開眼するし間延びした口調も消えるんですね。っと、そんなこと言ってる場合じゃないですね。
「リーデ、ミチルちゃん、万が一に備えて【鍵】を用意しておいてくれる?」
「分かりました」「分かった!」
最悪の場合は私の拠点【安寧の地】へ全員避難させますか。出来る限りバレたくないとか言ってられませんからね。
そして、卵から漏れ出る光が次第に強くなり、視界を白一色が覆うほどの光に包まれて数秒後……
そこには、小さなひよこが佇んでいた。
「ぴっぴよー!……我、再☆誕☆だぞ!」
喋った。めっちゃ流暢に、生まれたての雛が、喋った……
「転生前の我を見事討ち果たした少女のお前!そう、お前だぞ☆」
ぐっ……まさか、倒された恨みを晴らそうと…⁉
「恨み?そんなものないんだぞ☆我はお前が気に入ったんだぞ☆だから我は決めたぞ!お前の従魔になることを、だぞ!我を育ててほしいんだぞ!ママ!」
「……はい?」
何だコイツは?いきなり人のことをママだとぅ⁉しかも決定事項のように言いよってからに……!なーんかちょっとムカッと来ますねこの雛鳥ィ……フシャー!!
「ぴえん☆だぞ!我を育ててくれないなら泣いちゃうんだぞ!美味な海鮮を二度と食べられなくしてもいいんだぞ☆」
「ちょ待って。それはマジでふざけないでほしいんですけど?まぁ良いですよ、やってみなさいな!食の恨みは恐ろしいことを思い知らせてやりますよゴラァ⁉」
「ご主人様、落ち着いてください。相手のペースに乗ってはいけません」
ハッ!そうだった。相手のペースに飲まれた瞬間オシマイですよね。というかなんでナチュラルに人の心読んでるんだ、この生物は(困惑)
「なぜって……我、こう見えて昔は神様だったからだぞ☆人っ子の心くらいサクサクッと読めちゃうんだぞ☆というわけで我と契約して、我を飼ってほしいんだぞ☆」
なんだろう……ものすごい厄ネタを抱えようとしている気がするのは気のせいですかね……?ものすごい遠慮したいなぁ。というか転生しての記憶を保持しているならそれっぽい喋り方をしてほしいですね……
「我、厄ネタどころか幸福ネタだぞ☆そして我は生まれたてほやほやのピッチピチの赤ちゃんなんだぞ☆だからこの喋り方がピッタリなんだぞ☆」
「ちなみに断ったら?」
「さっきも言ったんだぞ☆美味しい海鮮を味わえなくするだけなんだぞ☆」
……神様だった存在に喧嘩を売るのは……面倒くさいですし……あと美味しい物は食べたいですし……しょうがない。飼いますよ。それでいいんでしょう?
「うむ!よく決断してくれたんだぞ☆じゃあ契約の証に我に名づけをしてほしいんだぞ☆」
「じゃあ……ピーネで」
「ピーネ……気に入ったんだぞ!我はてっきり変なDQNネームでも付けられるのかと思ったりでドキがムネムネしてたんだぞ☆よろしくなんだぞ☆」
【グラコスフェニックス『個体名:ピーネ』と契約が成立しました。】
「えーっと……そういうことなので、この子、私が連れて帰りますけど……大丈夫そうですかね…?」
「そうですね~、まぁ問題ないでしょう~。既に従魔契約も結ばれているようですし~、ただ、戻ったらギルドで従魔登録の手続きだけしていってくださいね~」
「分かりました」
えー、なんか。なし崩し的に元神様の不死なる海の王者様を連れ帰ることになりました。一体どうして……
ミチルちゃんとリンちゃんのセリフの区別に関しては……「!」とかの多さで判断してほしいっす。!とか多かったらそれはミチルちゃんっス。逆に落ち着いた話し方だったらリンちゃんの場合が多いっす。




