30分程度しか寝てないらしいです?
今回は初めはミチルちゃん視点。後半にリンちゃん視点に戻ります。旧版よりも戦闘が長引いておりますこと、お詫び申し上げます。m(__)m
詫び石はないです
(ミチルside)
―リンちゃんが、私を庇って海に引きずり込まれた。―
私達、調査依頼に来た冒険者一行を襲ったのはグラコスフェニックスって言う魔物だった。その魔物は私達を見るなり海水を操って攻撃を仕掛けてきた。今回は魔物の調査がメインだったから戦う準備はあまり万全とは言えないらしい。
私のスキル【叡智の集積所】を駆使して地球のサイトにアクセスしても実際にグラコスフェニックスは存在しないから対処法何て載っていないし、ましてやこの世界の歴史なんかを調べてもグラコスフェニックスの倒し方は見つからない。かろうじて光魔法に弱いことは分かったけど、それはリンちゃんの【鑑定】でも分かった情報だ。
なんとか手を考えていた所、ちょっと前に私が生み出してしまった元料理の何かの存在を思い出した。料理とはとても呼べない代物だけど、刺激物ではあるから唐辛子とかのような効果はある。でも、それを敵は察知したかのように船を揺らし、そして海水で作った蛇で襲い掛かってきた。リンちゃんが咄嗟に私を庇い、そして……海に飲まれてしまった。
「おいッ!嬢ちゃんが海に引き込まれた!探せ!」
「なんだって⁉すぐに探す!」
私のせいだ。私のせいで、リンちゃんが……私が着いていくなんて言わなければ……
「―ルさん!ミチルさん!」
「はっ!」
「ご主人様に庇われ、ご自分を責めたい気持ちも分かりますが、反省は後です!一刻も早く、ご主人様を救出しますよ!」
リーデさんは諦めてない。他の人たちも。
「ん、あなたのせいだけじゃない。私も警戒が足りていなかった。けど、今は立ち止まっている場合じゃない。立って、あなたの仲間を助けに行く」
目の前の獣人の人もそうだ。自分も悪いと、私に気を遣ってくれているのだろうけども、その目に諦めの色は浮かんでいない。そうだよね。自分を責めても状況は変わらない。今、自分に出来ることを探すんだ!
そしてやっと立ち上がったその瞬間、グラコスフェニックスを中心に巨大な光り輝く魔法陣が突如出現した。まさか、グラコスフェニックスの魔法攻撃?
「な、なんだなんだ!?」
「馬鹿げた魔力量してやがる……クソっ!こんなの向かってきたら……」
「ん、あの魔法はヤバイ」
……違う気がする。アレは、グラコスフェニックスの攻撃じゃない気がする。その根拠はなんだと言われるとはっきりとは分からない。けど、敵意を、感じない。
「ミチルさん、これは恐らくですが……ご主人様の魔力です。つまり、この魔法陣はご主人様の物でしょう。しかし……これほどの魔力量は……」
そうだ。私、魔法使えるようになるためにリンちゃんに魔力を流してもらったんだ。その時に感じたリンちゃんの魔力と同じ気配を感じたんだ。
そしてグラコスフェニックスはその魔法陣から逃れようとその場を離れようとしたがその前に、空から巨大な光の柱が降って来た。
「リンちゃん!!」
「ご主人様!!」
お願い、どうか、無事でいて…!リンちゃん!
光の柱が収まる時、爆発した。そして――
***
はい。終わりよければすべてよし!私です。リンちゃんです。
ふぁ~~~。うっ。あたまいたぁ……なんですかねぇ。というかここどこぉ~……
ハッ!寝起きで頭がぼーっとしてましたが、意識がはっきりしてきた。ふむ。寝起きの状態ということは私はさっきまで寝ていたことになりますね?で、マジでここどこ。
「ご主人様!」「リンちゃん!」
「うわっ、ととぉ……何?どしたの、なんでそんな泣きそうなの二人とも……ていうかここどこ?」
「ここは船の医務室ですよご主人様」
「リンちゃん、直前までの出来事覚えてる?」
直前の出来事ぉ~?あー、覚えてますよ。ミチルちゃん庇って海に引きずり込まれたんでしたっけね。んで医務室に寝ているということは、つまりどうにかして私を救出してくれたんですね。誰かが。助かった~。あのままじゃ私死んでましたよ絶対に。
「覚えてる覚えてる。あれでしょ。私、海に引きずり込まれたんでしょ?」
「うっ……」
「で、誰が助けてくれたの?そしてグラコスフェニックスはどうなったの?」
「えーっと……なんていうか……ねぇ?リーデさん」
「そう……ですね。結論から申し上げますと、グラコスフェニックスは倒れ、今現在は卵になっているようです。ご主人様は、ですね……」
なに?なんで言い淀むの?え?私なにがあったの?
「その、ですね……ご主人様が放った大規模の魔法により、海中から甲板まで打ち上げられまして……なんとか私が結界魔法でご主人様を保護したのですが……」
「ふむ?つまり……私は自分の魔法で自滅しかけた、ってこと?」
「そう、なりますね」
う~ん。しかしそんな魔法を放った覚えはないんですよねぇ……まぁ、頭打ちそうだったのは仕方ない。結果論ですが犠牲者0なら言うことないです。
「ちなみに、その発動した魔法、どんな魔法だった?」
「え、リンちゃん、自分で発動したのに覚えてないの?えーっと、大きな魔法陣が広がって、それからすぐにものすごく太い光の柱が空から降ってきて、最後に爆発して……リンちゃんが甲板に」
「なるほどねぇ」
ふーん。巨大魔法陣に?光の柱?そして最後に爆発と。……これはアレ、でしょうなぁ……私がロマンとか最大火力の夢想とかした結果生まれた実践では試しようがない魔法。いわゆる禁術指定の魔法、ですねぇ。
「ねぇ、アレ、どんな魔法だったの?」
「私もその点、気になりますね。あれほどの魔力を使う魔法は見たことがありません」
「えーっとねぇ……まぁ、各属性で最大級の威力を誇るだろう、いわゆる禁術指定レベルの魔法だね☆名を『7つ星』シリーズ、あるいは『ワールズエンド』シリーズって私は呼んでるよ」
……いやね?私は本当はこのシリーズは封印しておくつもりでしたよ?なぜなら威力もそうですけど、名前がね?厨二病全開じゃないですか。はっずかしんですよぉ!過去の自分が付けたネーミング!今でもカッコいいとは思いますけど!でも人に喧伝はしたくないんですぅ~。
しかしなるほど。だから頭痛かったのか。魔力の使い過ぎですね。
「『ステータス開示』」
《名称》リン・エステル
《種族》人間 《性別》女 《年齢》11
《称号》安寧の契約者 (異世界転生者)
《レベル》81 《MP》1582/7112
《スキル》
〈パッシブ〉【異世界言語】【全属性適性】【成長倍化】【第六感】【約束されし大地】
〈アクティブ〉【鑑定】【生活魔法】【無限大収納ストレージ】【魔力精密操作】【探知Lv.4】
【属性魔法】【隠密LV.3】【弓術Lv.2】【剣術Lv.2】【身体強化】【調合Lv.3】
【魔法付与Lv.3】【家事技能】【MP自動回復Lv.2】【サイコメトリーLv.1】【契約Lv.1】
〈ユニーク〉【魔法創造】【大魔法図書館】【安寧の地】
あら、レベルがかなり上がってる。さらに【MP自動回復】もレベル上がってますね。
「それで、私、どれくらい寝てたのかな?」
「ほんの30分程度です」
ほえ~、30分か。そんな寝てないですね。
「ひとまず、白湯を持ってきますね。少々お待ちください」
リーデは部屋を出た。そしてミチルちゃんは私に頭を下げて謝った。Why?なんか謝られることあったっけ。
「ごめんリンちゃん!私を庇ったせいでリンちゃんが危ない目に遭っちゃって……」
「ああ、なんだそのことか。気にしないでいーよ。私も体が勝手に動いただけだしねー」
「でも……」
「……ごめん、じゃない別の言うべき言葉があったりしな~い?例えば感謝の言葉、とかさ?そっちのが嬉しいな~、なんて?」
「あ……そうだよね。私を助けてくれてありがとうリンちゃん。」
「そっちのが断然嬉しい言葉ですねぇ」
私に感謝を述べた後、ミチルちゃんは自分の頬を両手で叩いて、宣言した。
「私、もっと強くなるね。まだ、異世界に来たってコト、ちゃんと実感できてなかったと思う。命のやり取りってものが分かって無かったと思うの。だから、リンちゃんを危険な目に遭わせちゃった。だから、強くなるよ。……だから、その……私が頑張るところ、リンちゃんに見ててほしいんだ。友達に」
「へぇ……?じゃあ、期待、しちゃっていいのかな~?ま、気楽にね~。継続こそが近道だからさ」
「うん。頑張るよ!」
この日、ミチルちゃんとの心の距離がこれまでよりちょっとは近づいた気がします。
リンちゃんの【魔法創造】は魔法の現象を想像できて名づけが出来れば実際に試すとかは関係なく魔法として成立しますのん。故に、『7つ星シリーズ』あるいは『ワールズエンド』シリーズもロマンで昔のリンちゃんが想像してできた魔法ですん。どこで試したんだよって話はナシで




