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私のッ!期待をッ!!返せェ!!!(食べられない魔物でした)

冒頭の船長のセリフ。旧版だと表すになってましたねぃ。コピペしてきて気付いたわ。そしてグラコスフェニックスのユニークスキルのルビに関しては……ChatGPTに案出してもらいました(小並感)

はい。馬車には弱いが船には強い私です。


「冒険者の皆さん!ここが例のポイントです!そして恐らくそろそろ姿を現すはずです!」


沖の調査依頼のために船に乗って数十分。船の船長さんからのアナウンスがきた。意外とすぐに着いたものですねぇ。ま、私漁船とか乗ったことないんで内海とかから沖までどれくらいの時間かかる物なのか知りませんけど。さて、【探知】スキルを使ってみますか。


……居ますねぇ?なにやら大きな魔力反応が確かにこの船の付近にありますわ。しかも、私の視界の右端には赤い点滅が存在を主張している。つまり【第六感】スキルも発動している、と。結構な強敵の可能性も出てきましたね。


「おい!海面に影が見えるぞォ!」

「浮上してくる!衝撃に備えろ!!どこかに掴まれ!」


上で見張りをしていた斥候職の人たちからも報告が。これは……調査で済み……ませんね。

敵は大量の水しぶきを起こしながらその姿を現した。姿を現したのは……青い青い巨鳥でした。


なんで鳥⁉ここは海ですよ⁉普通、沖で魔物が暴れてるとなったら、ダイオウイカとか、クラーケンとかそういう触手持った軟体動物が一般的でしょうが!こんなんじゃ食べられないじゃないですか~‼私のッ!期待をッ!!返せよォ~⁉


閑話休題。そんな私的欲望はこの場においては大事じゃないです。


「リンちゃん!【鑑定】結果、『グラコスフェニックス』だって!水に浸かると回復されちゃうみたいだよ!」

「ご主人様、私はこの船に被害が出ないように結界を貼ることに専念致します。相手が海上に居ては私はあまり戦力にはなれませんので」

「ん。お願い。ミチルちゃん、【叡智の集積所(インターネット)】スキルでアレの弱点調べて」

「りょうかい!」


私は私で【鑑定】しておく。ミチルちゃんの【鑑定】を疑っているわけではなく、純粋にまだミチルちゃんの【鑑定】スキルはレベルが低いからですね。対して私は一応【鑑定】スキルはカンストしていますから、追加の情報が取れるかもしれません。


《名称:グラコスフェニックス》《状態:怒り(微)》

《レベル:???》《MP》8597/9477

《スキル》

〈パッシブ〉【状態異常耐性Lv.3】

〈アクティブ〉【水魔法】【風魔法】【超速再生(水)】

〈ユニーク〉【絶海天嵐(レヴィア・テンペスト)】【天水輪廻(エターナル・タイド)


普段は深海にて暮らしているフェニックス。数十年~数百年に一度地上に餌を取りに出てくる。ありとあらゆる水を司る存在であり、海の神の化身ではないかと語られたこともある。自身の肉体が傷つくと、海水に身を浸し傷を癒す。HPを全損しても【天水輪廻】の効果で即座に卵へと生まれ変わり、生まれ変わる度にステータスが増加する(体力を除く)。光属性魔法は他の魔法と比べて効き目がある。真の意味で殺すことは叶わないまさしく海の神。


なるほど、光属性弱点。……うーん、ほとんど情報増えてないようなもんじゃないですか。というかちょっと鑑定君最後だけ茶目っ気みたいなもの出してきてませんか?


「クエェェェェェェェェッ!!!」


グラコスフェニックスが一鳴きして近くの海水を鳥の形にしてきた。まっずい、攻撃が来る!


「【大魔法図書館(グリモワール)】演算開始!」

「ッ!いきなりだな!攻撃が来るぞ!結界魔法を使えるやつは使ってくれ!」

「再現二重奏『撥水結界』『氷結城壁』!」


この状況ですぐさま指示を出せるオルガムさんは流石にCランクパーティなだけはあります。状況判断が速い。そしてその指示に即座に従える他の人たちも凄いと思います。普通はこういう状況では混乱するのが当たり前でしょうから。


「『守護結界』」

「堅牢なる守りとなりて我らを守れ『結界』!」


グラコスフェニックスの攻撃は私とリーデ、そしてもう一人の結界によって船に届くことはなく防げましたが……迂闊に攻撃できませんね。一応グリモワールなら最大で4つまでなら魔法を同時展開も可能ですから攻撃と防御もこなせはしますけど……意識を二つに向けないといけないのはかなりキツイですね……


「ん、私が攪乱する。弱点はない?」


船の見張り台から一人の猫獣人が降りてきた。私と同じくらいの背丈……この人がオルガムさんの仲間のコルニカさんでしょうか?


「光属性の攻撃が効きやすいみたいですが……」

「火属性はダメ?」

「海水でかき消されるのがオチかと」

「……ん、困った。そうなると取れる選択肢はあまり多くない。光属性の魔法具は高い」


コルニカさんもお手上げに近い、と。そんな時、ミチルちゃんが声をあげたのです。なんか弱点でもあったのかな?


「あの、気を逸らせればいいんですよね?」

「ん、そう。注意を船から逸らしたい」

「だったら、これを使ってください!コレ、私が失敗した元料理の何か(物体X)なんですけど、とうがらしとかを使った物ではあるので、多少は効果あるはずです!」


ミチルちゃんが私と共有している【無限大収納(ストレージ)】から物体Xを取り出した。これは、ミチルちゃんを初めて迎えたときに、試しに料理をしてもらった際、彼女が生み出したモノ、ですねぇ。料理じゃないけど、材料の効果は持った物体、一生封印だと思っていましたが、意外な出番があるものですね?


「ん、感謝」


コルニカさんがミチルちゃんから物体Xを受け取ろうとした瞬間、グラコスフェニックスが再び攻撃態勢に入った。


「クエェェェェェェェェ!!」

「「「⁉」」」


船が揺らされている!あらゆる水を司るってのは本当なんですね⁉船が傾いてバランスを取るのが難しくなってしまった。


「くッ…!お前ら、掴まれ!絶対に海に落ちるんじゃねぇぞ!」

「「おう!」」

「バンダ!けが人出たら頼む!」

「…」コクリ!


グラコスフェニックスの攻撃はどうやら船を揺らすだけではなかったようで、私達のすぐ傍に海水の蛇が現れた。しかも明確にミチルちゃんを狙っているようですね……つまり、この物体Xはアレに効く!って、

ミチルちゃんを海に引きずり込む気かコイツ!


「危ない!」

「えっ?」

「――ご主人様ッ⁉」


えー、はい。しくりました。水蛇に捕まった!でも、捕まったのはひとまず私だけ。ミチルちゃんにもリーデにもコルニカさんにも他の人にも被害はなさそうです。さぁ、早くこの蛇の拘束を脱しないと!

しかし、


「――再現 らい……」


そんな私の思いも空しく、魔法を使う前に蛇は海に私を引きずり込んだ。かなりの勢いで海中を通り、本体の元へ戻っていく。マズい。息が……できない。体に力も入らな……い。


このままじゃ……死ぬ……けど、意識……が…………ど……にか………


「グリモ……ワー………ル…………」


そして私の意識は、暗闇に沈んだ。

【天水輪廻】《エターナル・タイド》は普通に作者一人では絶対出てこない案でしたねぇ。タイド=潮で永遠に循環する潮の流れらしいっすよ。非常にカッコよきネーミングお出ししてくれたと思いますん

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