ファンクラブ……?誰に?私に⁉
グルノーミン編をさくっと開幕していく。ちゃっちゃと【安寧の地】を拡張したいのですわ。
はい。卵とか牛乳が恒常的に使いたい私です。
「あ~……ハンバーグ食べたい」
「「ハンバーグ?」ですか?」
「え、リンちゃん作れそうだけど……」
先日、ミチルちゃんが魔法を習得できたお祝いにほんのちょっと豪勢な晩御飯になりましたが、そこで私は改めて実感しましたよええ。この街……卵とか牛乳の流通量があまり多くない!手広く商売しているオランド商会であっても!割となんでも揃うと評判のあの!オランド商会であっても、なぜか卵とか牛乳はあまり在庫が多くないのです。そしてあったとしても中々にお高い。少なくとも普段使いするにはお高いお値段でごぜぇますよぉ……ええ。
「卵が!中々手に入らないのです。卵有れば本当に料理の幅が広がるんだけどなぁ……あんまりこの街だと流通してないんですよ~」
「確かに。この地域ではあまり畜産は盛んではございませんから。……それで、はんばーぐ、とは?」
肉は良いんですよ。魔物肉とかでお手軽に揃うので。オークとか……旨いっすよ。脂も上品な感じで胃もたれするほど重くもないとかね。でも!卵とか牛乳がない!マヨネーズとかも作れない!
「ん~?お肉をミンチにして卵とか玉ねぎとかと一緒にこねて混ぜ合わせて焼くの。大人から子供まで大絶賛の料理だよ」
「へぇ…!それは気になるわね。リン、私もそのはんばーぐってやつ、食べてみたいわ」
「材料がッ!ない!ミチルちゃん、スキルでどこの地域で畜産やってるとか調べられないかな~?」
「わ、分かった。ちょっと調べてみるね。待ってて」
ミチルちゃんには彼女のユニークスキル【叡智の集積所】で調べ物をしてもらう。ちなみに、ルミナさんにはミチルちゃんが異世界人であることは一応まだ伏せている。まぁ居候なんで。私が転生者だとも明かしてないですし、リーデも黙ってくれていますのでね。ミチルちゃんのスキル自体はざっと、説明してありますが……そういうもので納得してくれた。良かった!ルミナさんが箱入りさんで!
しかしミチルちゃんも同じ日本人なのに反応薄いですね~。……ああ。まだこっちに来て日が浅いからか。ホームシックとは無縁なんですね。ハハ!……羨まし~。11年もハンバーグとか食べてないと食べたくなってくるじゃないですか~。
「あ!リンちゃん見つけたよ!えっとねぇ……《グルノーミン》っていうここから南の街で鶏とか牛とか育てられてるみたいだよ!」
「グルノーミンでございますか。確か、港町としても有名で、海産物も美味しいと評判でしたはずですわ。」
グルノーミン……!畜産もしてて魚介類も美味しいと来た。これは、行かねばなりませんねぇ!ジャパニーズソウルがうずくぜ!なーんて。ヨシ行こう。すぐ行こう。……と思いましたが、一旦グルノーミン行きの護衛依頼とかないかギルドで探してみますか。
「リーデお姉ちゃーん!ティアのへやのおそーじおわった~!」
「はーい、それじゃ、チェックしますよ~?テティアちゃんはちゃんとお部屋キレイキレイできましたか~?」
ちょうど、自分の部屋の掃除をしていたテティアちゃんからリーデにお声が掛かった。リーデはテティアちゃんにしばらく付きっきりでしょうから、私だけでギルド行きましょうかね。
「とりあえず冒険者ギルドに行ってきますけど、着いてきます?」
「付いて行こうかな。私まだこの街の地理覚えられてないし……いつまでもリンちゃん達に連れ添ってもらう訳にもいかないしねぇ。」
「私もついて行こうかしら。そろそろこの家の外にもちゃんと目を向けないとね。一応、そういう社会勉強だし」
おや、ルミナさんが付いてくるとは珍しい。彼女、【安寧の地】の畑に結構な頻度で入り浸ってますからねぇ。美味しい野菜、果物の研究中なんですって。……私は別にどう過ごそうがとやかくは言いませんよ?その人の人生に口を出す気なんてないですし。真面目に家事修行もこなしてますしね。
ってなわけでやってきました冒険者ギルド。今は昼間ですんで人もまばら。フェルンさんはお休みの日のようで残念です。まぁ気を取り直して護衛依頼とか……ないかなー
「そういえばギルドに何しに来たのよ?」
「グルノーミン行こうかなって思ったので丁度いい護衛依頼とかないかなーって思いまして」
「つまりそれは……旅行、ってやつよね?」
「ま、そうとも言いますね?」
「やりたいことリストが一個消化できそうだわ♪」
すごい嬉しそうですねルミナさん。ガッツリついてくる気満々ですねぇ。もちろん付いてくるなら連れていきますけど。そうなるとテティアちゃんも連れていくべきですね。本人が希望すれば、ですけど。
「うーん……あっ!あったよリンちゃん!グルノーミンへの護衛依頼!」
ミチルちゃんがピンポイントで求めているものを探し当ててくれたようですね。ラッキー♪
……で、内容はー?何々……?
依頼先はオランド商会と。報酬は銀貨5枚。期限は3日後から開始、往復での護衛と。で、食事代等は相手持ち。なんでここまで好条件の依頼が普通に残っていたのでしょうかね?
「怪しい所とかも特になさそうですし……受けちゃいましょうか」
「私、あんまり戦力ならないかもだけど……」
「大丈夫よミチル。私も戦えるし。戦力的にはリンもリーデもいるでしょ?問題ないわ!」
確かにそうですね~。よっぽど危険度高い魔物とかが来ない限りはどうにかなるでしょうしね。……おっとぉ。フラグじゃあないですよ?そんな主人公補正(笑)に巻き込まれてたまるかってもんですよ。
窓口に行って依頼を受注。その際受付のお姉さんに思い切ってこの依頼が残ってる理由を聞いてみました。
「あの、一つ聞いてもいいですか?どうしてこの依頼、この時間でも残っていたのでしょう?条件として見るとかなーり好条件だと思いますけど……」
「ごもっともな疑問ですね。実はですね……この依頼、張り出されたのついさっきなんです。なのでリンさん達は非常に運が良いですよ!こんな好条件の依頼を奪い合いにならずに受けられるんですから!」
「すっごい偶然ですねぇ」
「それはきっとリンさんの日頃の行いが良いからですよ!何てったって現状依頼達成率は100%!しかも仕事は迅速かつ丁寧ですから!依頼者の方々からも結構評判良いんですよ?」
お~ん。私としては普通に仕事して、なるべく早くお家に帰りたいからさくさく済む依頼だけ選んでるってだけの話なんですけどね。ま、褒められて悪い気はしませんが。
「実はギルド内では密かにリンさんやリーデさん、ミチルさんにもファンクラブのようなものが存在してるんですよ…?」
「……はぁ。いやそれ聞かされてもどーしろと?」
「特に意味はありません!でも、反対とかはしないんですね?」
「まぁ、私達に害がないなら良いですよ?」
そうかぁ……私にもファンなんてものが付くもんなんですねぇ……感慨深……くはないですね。これっぽちも。というかコレ聞かせて本当にどうしたいのこの受付のお姉さん…?(困惑)
「皆さーん!ファンクラブ、公式認定受けましたよー!!」
「うおおー!マジか!ヨッシャァ!」「こりゃめでてぇ!祝わねぇとなぁ!」
「さ、サインとか……もらえねぇかな⁉」「ああ……リンちゃんにゴミを見る目で見られたい……!」
そこらで飲んだくれていた冒険者連中だったり、受付の人たちから歓声が上がった。
……公式認定したつもりは微塵もありませんけども……反対しなかったの、ミスったかな~~。もう撤回したいわ。
「良かったねリンちゃん!人気者じゃん!」
「人心掌握に長けているわね……恐ろしいわ、リン」
「無関係な顔してますけど、ルミナさんはともかくミチルちゃんは当事者ですよ?良かったですね人気者ですよ^^」
「えー⁉私まで!?何でぇ!?」
「くっ……私ももっとギルドに顔だしておくべきだったわ…!」
収拾つかなくなってきましたね。依頼受注したし退散!




