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【閑話】吸血少女の華麗なるお料理体験

前回の話とほぼ同時に思いついてしまったので書いてます。ルミナさんはメシマズ属性なのか?

―リンちゃんが街で厄介事に巻き込まれている頃、リンちゃんの家にて―

(ルミナside)


私はルミナ・ブラッドリア。誇り高き吸血鬼(ヴァンパイア)よ。ついこの前まで私は愛情の出力の仕方がおかしな父によって事実上の軟禁状態だった。しかし!嫌気がさした私は家出を決行!なんだかんだあって今は助けてもらったリンという人間の少女の家に居候しているの。そして現在、実家ではできなかった家事をリンのメイドであり契約精霊のリーデに教えてもらっている。


「まずは食材を切ることからですね。良いですか?包丁を持っていない方の手は猫の手ですよ。にゃーん、です。そうしないと怪我をしてしまいます」

「にゃ、にゃーん?」


私はリーデがやっていたように左手を顔の横に持ってきて猫の真似?をした。……なんの意味があるのかしたコレ?


「はい、かわいいですよ。それじゃあその手のまま、食材を抑えて切ってみましょう。」

「えっと、こう……かしら」

「そうです。落ち着いて、丁寧に切っていきましょう」


私は手を震わせながらもリーデの教えの通りに食材を切っていく。今はキャベツを千切り、って切り方で切っている。ちなみに、私が半玉切り終わるまでにリーデは他の食材の下ごしらえを終えていた。手際が良すぎてもはや魔法?かと思ってしまったわ……


***

次、キャベツの千切りは初めてにしては均一に切れたと思う。うん、まだ料理の基礎の基礎しかやってないでしょうけど、楽しいわ…!


キャベツの次はじゃがいもの皮むきを頼まれたわ。ふふん!任せて頂戴!完璧に皮むきしてみせるわよ!


…………結果は惨敗だった。なんとか綺麗に皮を剥けるようになったけれどそれまでに私の前には山盛りの犠牲芋たちが小さな城を築き上げていたわ。


「皮むきって……見た目以上に難しいのね……」

「誰だって初めはそうです。しかしルミナ様も上達されました。今では皮を一息に、身を削ることなく剥けるではございませんか」


10個ほど犠牲を出した上でね……


私が料理を教えてもらっていたらそれを見ていたテティアもやってみたいと言い出してリーデが試しにジャガイモの皮むきをやらせていたところだった。そんなテティアも最初の皮むきが終わったらしい。


「みてみてーリーデおねーちゃん!ティーもおいもさんむけたー!」

「あらあら。お芋さんを綺麗にできましたね。偉いですよ。……怪我はしていませんか?」

「だいじょーぶだよ!えへへー」


一発成功……だと……⁉しかもめっちゃ薄皮!!

ま、負けた……!テティアも料理なんてしたことないはずなのに……!私18なのに……!7歳の少女に負けたわ!?思わず膝から崩れ落ちわよ。


「そういえば……この失敗したじゃがいもたちはどうするの?捨てるなんてもったいないわよね?」

「余ったものも用途はございますから心配いりません。」


余ったジャガイモはリーデが帰ってきたリンに渡すと、リンがすぐさまジャガイモを薄く刻んで油でカラッと揚げたものを作っていた。適度に塩が振られててすごい美味しかったわ。中々手が止まらなくて……


閑話休題。


ひとまず苦戦しながら1品作れたわ。簡単な炒め物ね。……リーデがいなかったら確実に私失敗してたわね。塩と砂糖を間違えそうになったし。


「ルミナ様、いかがでしたか?人生初の料理のご感想のほどは?」

「そうね……料理って思ってた以上に難しいのね。屋敷の料理人達への尊敬が跳ね上がったわ。それと、すっごい楽しかったわ!私、物作りが好きなのかもしれないわね!」

「楽しめたのなら幸いです。今後も挑戦、していきましょう」

「ええ!よろしくお願いするわ先生!」


今度は裁縫なんかもやってみたいわ。


「……そういえば、聞いて良いかしら?あのお米……だったかしら?リンが好んで食べている穀物。アレ、少なくとも私は見たことなかったんだけど、この辺では普通に食べられてるの?あと、味噌、醤油も。美味しいけど初めての味だったから」

「いいえ。ご主人様曰く、お米はここより遥か東の島国でのみ栽培されているようです。これを手に入れたのは偶然、オランド商会に並んでいたからですよ」


ということは……屋敷でも食べるのは難しいかしら……?初めて食べたときは驚いたけれど、お米、噛んでるうちにほのかな甘みが出て美味しいんだもの。それに味噌と醤油はなんにでもあう万能調味料だわ!……というか、リンはよくそんな東の島国の食べ物なんて知っていたわね。


疑問に思った私はそのことをリーデに聞くと、


「ご主人様曰く、お米と大豆製品は私にとってソウルフード!切っても切れない縁があるんだよ!とのことですよ?」


……うん。まったく意味が分からないわ。でもそんなことはどうでもよくて。リンにお願いしたらお米、融通してもらえないかしらね?それか永住できないかしら。

お米と味噌と醤油はルミナさんの舌にビビッと来たらしい。案外ジャパニーズソウルがルミナさんにも宿っているのかもしれない。

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