私は妹だー!!(妹を名乗る不審者)
世界には姉を名乗る不審者もいますから妹を名乗る不審者もいますよね
はい。今日は珍しくうっきうきな私です。
なぜうきうきしているのかって?簡単な話ですとも!フェルンさんと!デートだから。これ以上の理由があるだろうか?いや、ない!(反語)
ってなわけで今日はフェルンさんの休日と言うことで1日お時間を頂戴する日なのです。なので朝からリーデとうちで現状見習いメイドさん枠に収まったテティアちゃんとで多少整えてもらって出てきたわけです。さてさて……待ち合わせ場所である街の広場まで来ましたがフェルンさんはっと……お、居た。ってあら?なにやら困った顔というか迷惑そうな顔をしているフェルンさんと、それに気づかず話しかけてそうな男が二人。ちょーっと風魔法で会話を拾ってみますか?
「お姉さん、俺たちとお茶しようぜ?」
「代金は俺らが出すからさ!な?」
「結構ですー。私待ち人がいますのでー」
「良いじゃん!ちょっとだけ!」
……案の定ナンパですか。しょーもな。
しかし助けに入る必要はあるわけで。けれどもナンパ回避のために私が入って状況は好転しないでしょう。フェルンさんの待ち人が彼氏ならアレらも引くでしょうが……現れたのが赤の他人の一般幼女(11歳)では説得力が足りませんよね。……とするとどうするか。簡単だ。私がフェルンさんの妹を名乗れば良い。そうと決まれば話は早い。早速実践と行きましょう。フェルンさんがうま~いこと合わせてくれる可能性にも賭けて。少しばかり助走をつけて……(この間僅か0,01秒)
「お・ね・え・ちゃ~ん!おっまたせ~!!」
「わっ⁉」
私は勢いを付けてフェルンさんに抱き着いた。ナンパ中であろう男二人は突然の私の登場に驚き固まっている。うむ、第一段階成功だ。ともかくボロが出る前にどうにかこやつらを撒かないと。
「えっへへ~♪私ね、今日はお姉ちゃんと二人で一緒にお出かけできるのすっごい楽しみにしてたんだよっ♪だから早く行こっ?」
とにかく全力で幼女を演じて見せる。見た目が全く似てないのは……まぁ勝手に納得するでしょ。異世界だし(適当)
「……もう!リンったら。そんなにお姉ちゃんとのお出かけ楽しみにしてたの?全く……私の妹は本当に素直で可愛いわね~うりうり~♪」
「きゃ~♪」
フェルンさんにほっぺをむにむにされています助けて。やっぱ助けないで。
……それにしても、この状況を作り出した私が言うのもなんですけど、この人すげーな。状況への適応力がパネェっすわ。
「あー……こほん!お姉さん?妹さんも一緒に俺らとお茶でも……」
「あら?まだ居たのですね。ご覧の通り、今日は妹と二人での楽しいお出かけの日なんですー。申し訳ありませんけどお引き取り、願えますよね?」
「いやいやー、ホントにちょっとで良いんだって!」
「お引き取り、願 え ま す か ?」
「ヒッ⁉……い、妹ちゃんも、お姉さんと一緒に俺らとお茶飲みたくない?す、好きなものなんでも頼んでいいよ?」
なんだこの諦めの悪さは。フェルンさんの凄みのある笑顔にビビってる癖に。逆に感心してきましたよ私は。なんか裏がありやがりますね?
「私の妹に……」
「ねぇ、おにーさんたち。私、言ったよねぇ?聞こえなかったのかなぁ?今日は、お姉ちゃんと、二人で、出かけるのを、楽しみにしてた、って。脳みそ空っぽなの?それとも人に迷惑かけないと生きていけないようなゴミなの?下半身に従って生きてんじゃねぇーぞカスが」
「「⁉す、すいませんでしたー!!」」
諦めの悪いバカにも分かりやすいように私は言葉をしっかり区切ってゆっくりと告げたら男たちはあっさり逃げ出した。なんだったのマジで。おっとしまった。純粋幼女っぽく振舞うつもりだったのに思わず真顔になってしまった気がします。なんなら思った以上に汚い言葉が出てしまいました。幼女失格ですねこれは。
「…さて、と。フェルンさん。大丈夫です?」
「ええ、リンちゃんのおかげでね。断っても食い下がってきてほんっとーーーに鬱陶しかったから清々したわ」
「それにしても、よくあの一瞬で私が妹だって言うの受け入れて姉として振舞えましたね?すごい演技派じゃないですか」
「伊達に冒険者ギルドの受付嬢やってないわ。……もうお姉ちゃんとは呼んでくれないのかしら?さっきのリンちゃん、可愛かったんだけどねぇ?」
「か、からかわないでください……」
なんだろう。私の質問に答えているようではぐらかされた気もしますね……
「……やっぱり今日のデートの間だけ私の妹として振舞ってくれない?私一人っ子だから、妹とか弟っていう存在に憧れがあるのよ。さっきみたいにかわい子ぶらなくていいから。ね?お願い!」
さっきの純粋幼女ムーブしなくていいならまだ……ねぇ?中の人の年齢考えると3X歳だもんで……流石に幼女ムーブ続けるのはメンタルに来るんですわぁ……
「まぁ……さっきの言動じゃなくて良いなら……良いですよ。呼び方の指定はあります?お姉ちゃん?姉さん?姉さま?それとも「お姉ちゃんでお願いするわ!」わぁ、食い気味ぃ…!」
呼び方の選択肢提示してたら途中で食い気味にお姉ちゃん呼びで決定された。くそっ、私の普段のシスコンムーブが出来る姉さま呼びだったら楽だったのにィ……!
「おっけーおっけー。任せてくださいよ。今日は私、フェルンさんのいえ……お姉ちゃんの妹だからね。それじゃあお姉ちゃん。お店行こっか」
「ナンパに少し時間を取られてしまったけれど……それじゃ行きましょうか♪うふふ~♪夢が一つ叶ったわ♪」
フェルンさんがめっちゃご機嫌みたいで私は嬉しいです。(←何様やねん)




