そうだ、ダンジョン行こう②
リンちゃんのアルト少年の呼び方をさんからくんにした。まぁダンジョン潜ってる間に打ち解けてきたってことでね。2話前のは修正しない
はい。異世界生活初ダンジョンを楽しんでいる私です。リンちゃんです。
休憩も終えて再びダンジョン内を進撃している私含めた〈夢追う奴ら〉の面々は3階層、4階層も何度か戦闘はあったものの無事に突破し、ついに本日の目標としていた第5階層へたどり着きました。ダンジョンは大体5の倍数というキリのいい数字の階層ではボスモンスターが冒険者たちの行く末を阻むために立ち塞がるのです。まぁ、定番 of 定番でござーますね。
中ボス戦も階段を下りたらいきなり始まる感じではなく、他のフロアと同様に階段を探すフェーズがあります。もしかしたら他のダンジョンは違うこともあるやもしれませんけど、少なくともこのエクレシアダンジョンにおいては5階層は探索込みでの中ボス戦になります。
そして通常、中ボスフロアは、大きな扉の奥か、あるいは今回のような森林など、洞窟以外のフロア形式だと魔法陣の先にいるのです。そしてボス部屋は同時に挑戦できるのは1つのパーティのみ。他のパーティがボスと戦闘中だと後続の冒険者はボス戦が終わるまで待たなくてはいけません。一応勝てないと思ったらボス戦から撤退することは可能なようです。親切設計だぁ…
「あちゃ~、あたしらの前にどっかのパーティがボスに挑んでるな!」
「まぁまぁ。ボスの情報をおさらいするのにちょうどいいよ」
「そうね。ボスの特徴を知っていれば、対処もしやすいもの」
「逆にイレギュラーな行動があった時も分かりやすくなります」
残念ながら先駆者が既にいたようで。ここでしばし足止めとなりました。のでボスの情報を改めて確認しておく時間に。
「じゃあまずボスの基本的な情報だね。ボスの名前は《オークウォリアー》。普通のオークよりも肉体の強度が高いよ。魔法攻撃の方が有効だね」
「物理攻撃も効かないわけじゃないでしょ?」
「うん。でもオークと戦う時と同じ感覚だと倒す前にこっちが疲れちゃうと思う。それから相手の正面に立つことは極力避けてね。【風槍撃】ってスキルがあって槍を繰り出す速度は結構速いみたいだから」
「なるべく後ろを取ればいいんだな!」
物理耐性高めのオークですか。初心者脱却には丁度いい……のですかね?ちょっと難易度高い気もしますが。もちろん、魔法使いがいれば楽にはなるのでしょうけどね。
「そういや今回って、あたしらとしてはてーさつの予定だったよな?」
「ええ、そうよ。でも運が良いことに今回はリンちゃんと一緒に潜れている。それなら突破できないことはないはずよ」
「じゃあ今回は私がメインアタッカーになる感じですね」
「うん、リンさんに火力を担ってもらうことになるね。」
「任せてください」
妥当な判断ですね。……私一人で良くね?ってならないように使う魔法は考えないとですよね?さすがに臨時助っ人枠の私がでしゃばりすぎるのは良くないと思いますし。
「ちょい待って!……なぁ、リン。初めの何回かだけはあたし達3人で動いて良いか?元々はあたしら3人の予定だったからさ。毎回リンに頼れるわけでもないしな!」
「分かりました。それじゃあ初めのうちは私、かる~いフォローに回りますね?合図くれたら私も攻撃に参加します」
「へへっ、ありがとな!」
私としても丁度いいかもしれません。どの程度の魔法までなら使っても大丈夫そうか見極められそうですね。
しばらく話し合いを重ねて待っていると、光を失っていた魔法陣が水色の光を放ちだしたのでどうやら前のグループの戦闘が終了したようです。私たちは戦いの前の最終確認を済ませてボス部屋に突入しました。
魔法陣を潜り抜けると、部屋の中央にどどーんと浅黒いオークが鎮座していました。そして私達を認識すると、手にしていた槍を頭上で振り回し、私達の方へ構えた。このボス……結構な力の持ち主ですね。槍を回していた間、結構な風が発生していましたからね。
「よし、まずは3人でやるぞ!アルト、支援!」
「もちろん!ルシェちゃんに『筋力上昇』、マチェットちゃんに『俊敏上昇』付与!」
「よし来た!マチェット!」
「任せて。しっかり気を引くわ!【投擲】!」
「ブモ」
ルシェちゃんとマチェットちゃんは散開し、マチェットちゃんはそこらの石を投擲。ボスなだけあってその石程度は簡単に槍で弾いた。しかしそれを読んでいただろうマチェットちゃんは既にさっきと同じ位置には居らず、投擲をした瞬間には移動を開始していた。そして位置をずらして再び石を投擲している。やはりボスは意思を弾くが……ダメージはないけど鬱陶しそうにしている。
その隙を伺ってルシェちゃんはボスの視界外から近づいていっている。既にボスの視界にはマチェットちゃんとアルトくんしか入っていないのだろう。今の内に【鑑定】スキルを使ってしまおう。
《名称:オークウォリアー》
《状態:通常》
《レベル》13《HP》250/250
《スキル》
〈アクティブスキル〉【風槍撃Lv.2】【地ならしLv.1】【槍術Lv.2】
〈パッシブスキル〉【物理耐性Lv.3】
オークの中でも強靭な肉体を持つものが至った姿。物理攻撃に対して少し高めな耐性を持つものの魔法に対する耐性を犠牲にしているため魔法攻撃の通りがかなり良い。
なるほど。まぁ確かに初心者パーティでも立ち回りをミスらなければ勝てそうな塩梅です。
「【スラッシュ】!」
「ブモ⁉」
ここでオークウォリアーの背後へ回っていたルシェちゃんの攻撃がヒットした。アルトくんのバフ込みで敵のHPが10削れている。それでも残りは240。ルシェちゃん一人だと24回ほどのヒットが必要ですね。これは確かに物理のみだと突破できなくはないけど厳しいですわ。手数がかなり必要ですもん。
「まだまだよ。【ショートスラッシュ】!」
ルシェちゃんの方に意識を向けた瞬間を突いて接近していたマチェットちゃんが短剣での一撃を加えた。しかし攻撃バフの掛かっていない彼女の攻撃は残念な事に2しか削れていない。牽制としては十分な気もしますが。
「ブモォッ!!」
「ふっ!」
「危なっ!」
「バフを掛けなおすよ!『筋力上昇』『俊敏上昇』!」
オークウォリアーは槍を薙ぎ払うことでマチェットちゃんとルシェちゃんの両名を引き剥がした。さらに足を大地に踏み抜き、二人の足元を少し隆起させた。ほんのわずか、足の指先が少し浮く程度。しかしそれで充分だった。二人は体勢を崩した。そして奴は腕を引き絞り、槍を放った。すると槍の先から風の塊が飛んできた。……アルトくんの方に。なるほど、バカではないわけですね。離れた所に居るバフ要因を先に始末すると。
「ッ!『アースウォール』……間に合わないか!」
「「アルト!!」」
アルトくんも『アースウォール』を展開しようとしていますが間に合いませんね。前衛二人もすぐには割り込めないでしょう。というわけで私の出番でござーいまーすね。
「『アースウォール』」
敵の放った風弾は私の生成した土壁によってアルトくんの元に辿り着くことなく霧散した。
「リンさん、助かりました!」
「いえいえ」
体勢を立て直しオークウォリアーに攻撃を当ててルシェちゃん、マチェットちゃんが戻ってきた。
「ごめんアルト!油断した」
「私も警戒が足りなかったわ」
「僕は大丈夫だよ。リンさんが守ってくれたからね」
「リン、マジでたすかった!ありがとう!」
「リンちゃんがいなかったら、アルトに攻撃されるところだったわ。本当にありがとう」
過剰な感謝だぁ。本人に感謝されればそれでおしまいでいいです。
「じゃあそろそろ……私が攻撃しても?」
「おう!今のあたしらじゃあいつを倒すのはかなり厳しいことは良く分かったし!」
よしキタ。攻撃の許可が降りましたんで、まずは小手調べの魔法で行きましょう。……できれば【大魔法図書館】使うくらいには耐えてほしいですね。
「ではまず牽制の一撃ですよ。『ファイアボール』」
「ブモッ⁉」
私の魔法の速度、オークウォリアーには想定外のものだったのか、弾くことを諦めて眼前で腕をクロスさせ、防御姿勢で受けた。
敵のHPを見ると、146にまで減っていた。さっき確認した時点で238。そこにマチェットちゃんとルシェちゃんの攻撃がそれぞれ1回。バフ込みでのダメージを考えても大体、今の魔法で80ダメージくらい出したことになりますね。本当に魔法の効きが良すぎて逆に笑っちゃいますよ。
「ブモ……!ブモォ……!」
「めっちゃ効いてるぞ!」
「魔法の効き目はしっかり抜群ね!」
『ファイアボール』なんかの簡単な魔法は一回につき10のMPほどを使う。それに対してオークウォリアーは魔法耐性がかなり低いと。ダメージのコスパが良すぎですね。
じゃあ次。【大魔法図書館】使いますかね~?そうしましょうか。
「【大魔法図書館】演算開始」
「ブモォッ!!」
オークウォリアーはさっきと同様に腕を引き絞り【風槍撃】を繰り出そうとしている。というかさっきとは違い、穂先に風を纏わせてこっちに突撃してくる気のようで。しかし……
「遅い。再現『ファイアスネーク』」
私の持つ『《魔導書』から蛇を模った炎が放たれ、そしてオークウォリアーを絡めとるかのように纏まり付き相手を燃やす。
「ブモオオオオオォ⁉⁉」
そして背を向け指パッチンで爆発フィニッシュ☆
フッ……決まった。めちゃくちゃクールにフィニッシュだぜ。
オークウォリアーは塵となり、ドロップ品を残すのみとなった。オークウォリアー 討 伐 完 了 です。
「おおー⁉すごいのは分かってたけど、マジで強いなリン!しかもカッケェ!」
「本当にリンちゃんの魔法は凄いわね……魔法の発動速度も速いし」
「だね。僕もリンさんの『アースウォール』がなかったら怪我は免れなかったよ」
「3人だって凄いですよ。怪我一つしてないじゃないですか」
無事に5階層を突破したことで目的を果たした私達はその後ギルドへ引き返し、またいつか一緒に冒険しようと約束して解散した。
報酬に関しては連れてきてもらったからいらないと言おうとしたら先んじて貰ってくれなきゃむしろ申し訳ないと言われたのでボスのドロップ品換金したお金をきっちり4等分で分けて解散しましたとも。
耐性系スキルはスキルレベル1につき、5%ダメージ軽減する。Maxで25%軽減。他のスキルの効果と重複する。今回のボスはLv.3なので15%軽減している。




