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そうだ、ダンジョン行こう①

さっさとミチルちゃんを出せば良い物を横着こいて引き伸ばそうとしている

はい。人生初ダンジョンへ足を踏み入れた私です。


私は今……エクレシアにある低級ダンジョンへ足を踏み入れている!……と言ってもソロ冒険ではなく、ギルド内で偶然会ったルシェちゃん率いる〈夢追う奴ら(ドリームシーカー)〉と臨時のパーティを組んでの冒険であるのですけど。まぁ、誰と潜ったとかはどーでもいいのです。大事なのは、私が今!前世合わせて人生で初のダンジョンに立ち入ったことが何より重要なのですから。


事前に調べたところによると、このエクレシアのダンジョンは全10階層で構成されているようで、1~5階は初心者でも安心の難易度(ただし油断すれば死ぬかもではある)、6~10階層はちょっと難易度が上がり、Dランクでバランスの取れたパーティでないと攻略が厳しくなるようですね。


そしてダンジョンの内装自体は迷うことはない程度の広さの森が広がっていて、出てくる魔物も弱小ゴブリンの群れだとか、コボルト、あとは悪いスライムとかばかりらしいです。楽勝か?


「よし、まずは目標を確認しとこーぜ!あたしたちの今日の目的は5層までで行ける限り行くことだ!これは良いよな?道中は出来るだけ魔物を狩っていくぞ!」

「リーダー、道中のペースも考えてね」

「そうよ、これは長期の依頼に出た時の訓練でもあるんだから。リンちゃんも付き合ってくれてありがとね」

「いえいえ。私もダンジョン入りたかったので。大丈夫です、今回はルシェちゃんの指示に従いますよ」


今日の私はあくまでパーティメンバーですからね。リーダーの指示に従うのは当然ですよね。逆に言えば私が勝手な行動してはいけないという縛りでもあるんですけど。


隊列としては前衛にルシェちゃんが、斥候枠として先行しているのがマチェットちゃん、そして最も重要な回復要因の僧侶アルトさんを囲む形の陣形に加えて後衛として私が殿も務めてます。私、敵の気配探知も出来ますんで不意打ちの回避率も上げられますし。ルシェちゃんの獲物は片手直剣。アルトさんは槍、マチェットちゃんはナイフのようです。獲物持ってないの私だけだ。(←当たり前)


しばらく歩いて、私は敵の気配を探知したので報告する。


「右方向50m先に敵の反応があります。3体ほど」

「確かに右に敵がいるわ。……音からしてコボルトね」

「よし!あたしらとリンの初戦闘と行こうぜ!」

「それじゃあ支援するよ!まずは『筋力増加』!リンさんには……『俊敏強化』を!」


体が薄い光に包まれちょっと足が、というより動きそのものが少し速くなった気がしますね。人から支援魔法を掛けてもらったの初めてなんですが、こんな感じなんですね。そしておそらく、一人に対して現状掛けられるのが一つの支援魔法、って感じかな?


茂みに身を潜めて様子を伺うと本当にコボルトが3体歩いていた。

私は【探知】スキルで探知しているので敵の数は分かりますけど具体的な情報までは分からないのでちゃんと種類を当てられるマチェットちゃんは流石だ。本職は違うね。


「私が【投擲】スキルで気を惹くわ。その間にコボルトを叩き切って!」

「おっけー任せろぉ!」

「取りこぼしは私が魔法で処理しますね~(1.2倍速)」


マチェットちゃんが石を投げて木にぶつけた。外したのではなく気を惹くために意図的に木に当てたのだろう。実際、コボルト達は3体共音のした方に意識が向いている。そこをさっと茂みを飛び出したルシェちゃんが急襲し、コボルト1体を切り伏せた。ただ、コボルトも即座に異変に気付き意識を敵に向け、ルシェちゃんを倒そうとしますが、そうはいきませんよ。


「『ファイアーバレット』2連。はいバーン」


私の放った『ファイアーバレット』2発が残ったコボルトの頭を撃ち抜いた。うん、射出速度にもバフ掛かるんですね?知らなかった。いつも使う時の……1.2倍くらい?


「うおお!すげーなリン!っと、あんがと!助かった!」

「気にしないでくださいな。パーティメンバーを助けるのは当然でしょ?」

「私がもう少し速く動けばリンちゃんに2体任せずに済んだわよね…?」

「いえ、それは多分アルトさんの支援魔法の効果ですね。普段だったらもうちょい遅いですよ」


実際今回は私は【大魔法図書館(グリモワール)】を使っていないのでスキル使用時と比べると魔法の展開速度は落ちるのだ。


「あはは……そう言われると照れるね。正直余計なことをしてしまったかも、って魔法掛けた後で思ったんだ」

「ナイスアシストでした」


初戦はなんの苦戦もなく済んだ。ダンジョンの魔物は倒すと死体が消えてドロップ品が落ちるシステムのようですね。安心安全のダンジョン仕様で私は少し安心しましたよ。それからも何回か戦闘をし、私達は3層までやってきました。3層に入ってくると少しずつ難易度が上昇しているのか、次第に魔物達が固くなってきている。


結構丁寧に探索をしたこともあってか、私以外の皆は少し疲労の色が見えている。


「皆大丈夫ですか?ちょっと休憩しません?」

「そうだな。あたしもちょっと疲れてきたな」

「休憩を取ることは悪いことではないわ。交代で周囲の警戒をしましょう。水分補給も忘れずにね」

「回復魔法で多少なら疲れも取れるから、いつでも僕に言ってね」


3人がそこらの石に座ろうとしたのでせっかくだからと、私は【無限大収納(ストレージ)】からレジャーシート(のようなもの)を取り出して敷いた。ついでに【結界】魔法でここら一帯を覆って敵の侵入も防ぐ。


「これでよし。今、結界も張ったからこれで敵の襲撃を恐れずに休憩できますよ」

「「「…………」」」

「アレ?どうかしました?」

「いや……なんつーか……なぁ?」

「ものすごいありがたいし快適なんだけど……その……ね?」

「これに慣れちゃったら今後の僕らがヤバいなぁって思ったんだ。それに、リンさんも戦闘の度に魔法使ってるのに、こんな所でまで魔法を使って平気?魔力とかさ」


うんまぁ……実にごもっとも。しかしですね?私は私のやりたいようにやる方針が根幹にあるので……これに関しては諦めてほしいですね!


「平気ですよ。私、魔力量はめちゃ多いので。まぁ、慣れたらやばそうなのは否定しません」

「なぁリン!あたしらと一緒に冒険しよーよ!絶対楽しいよ!」

「確かに。冒険が格段に楽になるわね」

「うんうん、甘えてしまいそうだよね」


お褒めにあずかり光栄です。……が、残念。臨時でパーティ組むのは良いですけど常に、は嫌なんですよね。私、確かに異世界を見て回りたい気持ちもありますけど、一番大事なのは適度に刺激のあるスローライフですからねぇ。本気で冒険者やってるこの子らとは相性悪いでしょう。どちらかと言えば私の冒険者は副業に近いですから。


「あー、ありがたい話ではありますけど、ごめんなさい」

「あー、やっぱりかー。ま!そんな気してた!気にすんな!」

「まぁ無理やりパーティに入ってもらっても後々問題になるかもしれないものね」

「本音を言えばリンさんに加入してほしかったけどね~,僕たちの足りない穴を埋めてくれるし」


すんごい褒められるますね私。しかし悪い気分ではないですぞ~。なんちて。


「でも、偶にはあたしらとも一緒に冒険してくれるよな?」

「はい。機会があったらその時はまた一緒に冒険しましょう?」

「それならヨシ!お互い冒険者として頑張んないとな!」

「ええ、そうですね」


「……そろそろ休憩を切り上げて探索を再開しましょ。このままだとリンちゃんの結界に居着いちゃうわ」

「よし!続けていくぞ!」

「「「おー!」」」

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