属性モリモリエルフお姉さん⁉
オレサマオマエマルカジリ
はい。お客様は神様論を振りかざす客は大嫌いな私です。リンちゃんです。
「さて、改めて久しぶりだなリン。」
「ええ、お久しぶりですアルドさん。」
アルドさん達〈緋色の牙〉は最近は長期の依頼に出ていたようで、ついさっき戻ってきたのだそうで。それなら1週間以上会わないのも不思議ではありませんね。
「んじゃあ紹介するぜ。まずはこの如何にも魔法使いっぽい帽子とローブに身を包んだ赤毛の女がニーナだ。俺らの知る中で随一の魔法の使い手だ」
「ニーナよ。あなたはリンちゃんよね?噂は聞いているわ。よろしくね」
「はい、お願いしますニーナさん」
ニーナさんが手を差し出して握手を求めてきたので私もそれに応じて握手をする。
「……一目見た時から思っていたけれど、あなた……とんでもない量の魔力の持ち主ね?私よりも圧倒的に多い。魔力を開放しただけでアルドたちを気圧させたのも頷けるわ。……どう?私の弟子になってみない?」
「うーん、お誘いはありがたいんですけど……私は自由気ままにやりたいので遠慮しますね」
「それは残念だわ。それなら魔法について今度語り合いましょう?どこで習ったのかとか気になるわ」
「私の魔法は全部独学なんですよ。なので魔法に関して語れることはない気もしますけど……それでよければ、ご一緒したいです」
「分かったわ。それじゃあまた今度会ったときにゆっくり魔法について教えるわ!」
まさか弟子に誘われるとは思いもしませんでしたわ。魔法使い本職のニーナさんから見ても私の魔力量は多い方だと。なるほど。そしてこの世界の魔法の正式な使い方?みたいなものを教えてもらえるのはありがたいですね。
「弟子の勧誘は振られちまったなニーナ!いや~、残念だったな~?」
「茶化すなグエス。俺は知らんぞ」
「グエス、あんた今度新しい魔法の実験台になりなさい」
「おおっとぉ……そいつは勘弁!」
ニーナさんがグエスさんの頭を杖で叩いてる……仲がよろしいんですね~。というかグエスさんこんなキャラでしたっけ。まぁ、私彼らとは関わり薄いですから全てを知った気になってはいけませんものね。
「ほんでこっちの金髪エルフはモニカだ。精霊使いでなパーティの不足を補う万能役。ま、悪く言やぁ、器用貧乏だな」
「リーダー、私の事は器用貧乏ではなく器用万能とおっしゃってくださいませんこと?そっちの方がテンションぶち上りますわ!」
……え、エルフのお姉さんからお貴族言葉が出力されてる……!いや、何もおかしくないか…?もっとおっとりしたお姉さんだと思ったのに!騙された!くそー
「あー、見ての通りのお嬢様かぶれだ。全然普通にエルフの森出身なんだけどな……アレだ。本とかの影響を……受けやすい、んだわ」
「私はモニカ・グリーンフィールド!グリーンフィールド氏族のモニカ、と覚えてくださいまし!パーティでの役職は精霊使いですわ!よろしくお願いいたしますわ」
「モニカさんですね、よろしくお願いいたします」
モニカさんとも同じように握手を交わす。ニーナさんともモニカさんとも握手を交わした。ならば……言うべきことは一つ。それは……コンゴトモヨロシク。ヒーホー!
……流石に現状通じることのない内輪ネタは内心で言うだけに留めて自重しますよ?当たり前じゃないですか。
「ふむ…リンちゃん様もまた……私と道を同じくする同志なのですわね」
「え」
「モニカ……ごめんなさいねリンちゃん。この子、たまに訳わからないこと宣うから…」
や、意味はなんとなく分かりますよ。要するにあれでしょ?私がモニカさんと同じように精霊と契約しているって言いたいのでしょう?私が驚いたのはエルフの口から厨二病患者みてぇなワードが飛び出したことなんですわ。金髪耳長デカパイエルフかと思ったらお嬢様系厨二病エルフでもありました。ってか。……属性盛りすぎでは?
「確かに私も精霊と契約してますけど……分かるんです?」
「り、リンちゃん……今ので分かったの!?」
モニカさんも通じたことが嬉しかったのかめっちゃ目を輝かせている。
「フッ……愚問ですわ。同胞の息吹を見落とすなぞあり得なさ過ぎてお笑いですわよ。」
あ、腕組まないでください。私の目の前で途轍もない存在感を放っている双丘がさらに強調されてますから。
「リンちゃん様の苦難を共にせし相棒を私もこの眼で見たいですわ」
「それが、今日は別行動でして……リーデって言うんですけどね」
リーデの名前を呼んだら私の背後に扉が現れる気配がする。そしてすぐにとても聞き馴染みのある声が聞こえてきた。
「お呼びですかご主人様」
「え、なんで呼んだと思ったの。家に居たんだよね?」
(常にご主人さまに微精霊を何体か付けてるのは言えませんね。)
「ご主人様の居るところに私あり、というだけですよ。〈緋色の牙〉の皆様、私ご主人様にお仕えしております、家精霊のリーデと申します。以後お見知りおきを。ではご主人様、私は家に戻りますねー」
「あ、はい。来てくれてありがとね~」
言いたいこと言うだけ言って帰って行った。……なんだったの。……もしかして私リーデに監視……いや、ないない。カワイイ私のリーデに限ってそんなストーカーまがいのことをするはずが……ないね!うん!
それからしばらく私は注文した飲み物を飲みながら、緋色の牙の皆さんは食事しながら情報交換というか、雑談して……途中でラッチさんが戻ってきて私を口説こうとしたりという一幕もありつつも楽しい食事の時間を過ごして私は彼らと別れた。
しかし一人でダンジョン行けないとなると本当にどうしようかな~。とギルドで一人悩んでいると後ろから声を掛けられた。今日はよく声を掛けられる日ですねぇ。
「あ!あんたはリン……だったよな!何してるんだー?」
「そういうあなたはルシェさんじゃないですか。それと、アルトさんでしたっけ。あとは……」
「あ、自己紹介してなかったわね。私はマチェット。ルシェとアルトの幼馴染。ゴブリンスタンピードの時は助けてくれてありがとう」
「いえいえ、偶然ですよ」
「あ、そうでした!僕も仲間を助けてもらったお礼、ちゃんと言えてませんでした!っと、その前に自己紹介ですよね…!僕はアルトと言います。ルシェちゃんとマチェットちゃんの幼馴染で、パーティでの役割は僧侶で……えっと」
「落ち着いてよアルト。」
「そーだぜ!何言いたいのか分かんないぞ」
「あ、そうだね。えとえと……とにかく、よろしくお願いします!」
「ええ、こちらこそよろしくお願いします、アルトさん」
「…!カッコいい……(ボソッ)」
私の何がカッコイイんですかねアルト少年。女の子を褒めるときは可愛いと言うべきですよ。私は中身は男なのでカッコイイでも嬉しいですけれど。な、なんだろうな。アルト少年の視線が熱を帯びた気がします……
「で、リン……さん?はなにしてたんだ?」
「さん付けじゃなくていいですよ?リンでもリンちゃんでも好きに呼んでください。実は今日はこの街のダンジョン行ってみたいと思いまして……でも、ソロだと流石に、って言われてどうしようかなと」
「ふーん。じゃああたしらと一緒にダンジョン行かね?丁度今日ダンジョン行く予定だったんだ!」
「……良いわね。リンさん……リンちゃんは魔法使いでしょ?このパーティ、魔法火力がイマイチだし丁度いいと思うわ」
「僕も、賛成……かな。やっぱり初めてのダンジョンだし、慎重に行きたいし」
「よーし、皆賛成だな!で、どーかな⁉あ、もちろん無理にとは言わない!」
ふぅむ……悩みどころさんですね。私が入ることで連携が乱れることもあるでしょうし……いくら低級ダンジョンとはいえ、油断すれば死に至りかねない。しかし、私と彼女らで目的は一致している。……何よりせっかくの同年代(肉体的に)との交流の機会だし……
「ご迷惑でなければ私も同行していいですか?」
「「「迷惑なわけない!」」」
「へへっ!じゃあ今日はよろしくなリン!」「よろしく、リンちゃん」「よろしくね、リンさん」
急遽臨時のパーティを組んでダンジョンに潜ることになりましたとさ。




